岡田可愛さんに聞く

岡田可愛さんに聞く

「青春とはなんだ」で女優を意識!

 

"青春ドラマ"で一世を風靡した>岡田可愛さんに時間を割いていただき、私の好きな70年代ドラマについてお話ししていただいた。(草野直樹)

 

草野直樹 随分、いろいろなところで聞かれているとは思うのですが、女優になったきっかけは?

 

岡田可愛 女優になったきっかけはね、あの、私が好きで選んだ道ではないんですけどね。

 

草野 そうですか。

 

岡田 ええ。うちの姉が児童劇団のチラシを見て(私をそこに)入れたのがきっかけなんです。「青春とはなんだ」で私はデビューしてるんですけども(注:映画デビューは62年の「キューポラのある街」)、どちらかというと、その頃はあまり好きじゃなかったこともあって、女優の世界というか、芸能界をあまり意識したことはなかったのです。それが、マスコミに取り上げられて人気が出てきて、岡田可愛という自分の名前が雑誌に出たり、新聞に出たりするので、やはり少しずつ欲が出てきたんです。

 

草野 デビュー作なんですか、あのドラマは?

 

岡田 そうなんですよ。

 

草野 松井勝子ちゃん!

 

岡田 よくご存じ!ポニーテールの勝子ちゃん!

 

草野 堂々たる演技でしたよね。

 

岡田 いえいえ。その当時、「青春とはなんだ」は大変な人気ドラマで、役者になりたいという人の登竜門でもあったんです。1時間完結のドラマで必ずゲストがいて、地井武男さんとか中尾彬さんとか、みんなゲストで出てきてるんですよ。それで、劇団関係の人と付き合う機会がものすごく多かったんですね。そういう人たちから、「芝居っていうのはなあ、こうなんだ、ああなんだ」なんて教えてもらってて、自分もドラマの中で、「よし、今度はこういう芝居してみよう」と思うんです。ところが監督に、「芝居なんかしなくていい。若さだけを出せばいい」なんて言われてガーン(笑)、て感じでやってたんですけど。青春シリーズはね、もうホント、若さだけ。

 

「サインはV」もそうでしたね。だからもう、私は芝居をしてきたというよりも、自分の若さをぶつけてきたという感じですよね。そういった意味では非常にラッキーだったというか。

 

草野 その中で、思い出に残る作品は何ですか? 青春シリーズは4本出ていますよね。

 

岡田 そうです。「青春とはなんだ」「これが青春だ」「でっかい青春」「進め!青春」。やっぱりね、自分が女優になろうと思った作品が「青春とはなんだ」なんですよ。

 

草野 はい。

 

岡田 「青春とはなんだ」の頃、もともと自分で選んだ道でもないのに、どうしてやってなきゃいけないのかなって悩んだこともあったのですが、じゃあ、何かできるのかなって思ったときに、やっぱり私はこの道があっているのかなって考えたんです。そういった葛藤の末に、私は女優になろうって決心した作品なんです。

 

ドラマの共演者が「同級生」だった

 

岡田 高校生活はどっぷり作品漬けでしたから、「これが青春だ」になったときに、加山雄三さんの奥さんになっている松本めぐみとコンビを組んですごく楽しかったんですね。で、当時、めずらしいぐらい、同じぐらいの年齢の男女が集まっているにもかかわらず、恋愛ってなかったんですよ。今、みんなで集まっても、「そういえば恋愛、誰もしてないね」とよく言います。

 

その青春シリーズが終わってから、1組だけカップル(注:大谷直と梅田智子のこと)がいるんですけど、1組だけなんですよ。それも番組終わってから。それ以外は噂もなかったし......。ただ仲間意識はものすごくありましたね。だから今でも青春シリーズの同窓会をやるんですけど、みんな集まりますしね。とにかくすごく楽しかったです。

 

草野 「これが青春だ」では、生徒役の年齢も幅があって、28歳の人もいましたよね。

 

岡田 そうそう、いたいた(笑)。私たちは「ちゃん」てあだ名で呼んでた(注:土屋靖雄)んですけど、「でっかい青春」では30ぐらいいってたんじゃないかなあ。

 

草野 女の人も14?5歳の人もいましたよね。

 

岡田 私が一番若かったの。入ったときは16歳で最年少だったんですよ(その後、13歳の水沢有美がレギュラー入りして「最年少」の冠はとれる)。で、「青春とはなんだ」で私とコンビを組んだ東宝の豊浦美子さんは20歳を超えていたので、結構照れてセーラー服着てました。

 

草野 ドラマって楽しいですよね。そういう、実年齢の違う人同士が同級生としての世界を作ってしまうんですから。

 

岡田 そうそうそう、そうですよね。私は青春シリーズで、「これが青春だ」ぐらいまでは生徒役で、「進め青春」で保健婦の先生役になったんですよ。

 

草野 ええ、そうでしたね。

 

岡田 そうそうそう、寺田農さんと恋人役になったんですよね。

 

草野 それは「でっかい青春」ですね。「進め!青春」は浜畑(賢吉)さんに憧れている役でしたね。

 

岡田 そうだっけ。すごいですね、全部見たんですか。

 

草野 一応、一通り(笑)

 

岡田 すごおい(笑)

 

草野 今日、「これが青春だ」放送しますよね。CSでやってるんですよ。

 

岡田 CSでやってんの!? ああ、そうなんだ。

 

草野 あと、15回ぐらいなんですけどね。残りは。

 

岡田 へえ。でも、私ってかわいかったよねえ(笑)

 

草野 そうですねえ、やっぱり、際立っていましたね。

 

岡田 ねえ(笑)

 

「おひかえあそばせ」は知る人ぞ知る「なかなかの番組」

 

岡田 いや、でもね、あの当時ってね、全然自分に自信がなかったのね。だんだん色気づいてくるじゃない? その自分に全然自信がなかったの。でも、今、昔のビデオなんか見ると、「えっ、私ってこんな可愛かったの」って。何であのとき私は自信を持てなかったんだろうって思う。

 

 だから私は、年を取る事は楽しいことだなって思うの。年を取ることに自分は苦痛ではなかった。「青春」やってるとき、「30になったときの私ってどんなんだろう」とかしょっちゅう思ってたんだけど、まああんまり変わらなかったし(笑)。50になった今でも、何かあまり変わってないんじゃないかと思うし、精神年齢がね。子供を産んで、テレビでレギュラー持っている今の方が、子育てをしていた時より、若くなっていくような気がするんですよ。

 

草野「青春」も「サインはVも製作会社は東宝ですが放送局が別でした。作品の傾向に違いはありましたか。

 

岡田 うーん、あんまりないと思いますけどね。ただ、いずれにしても番組に恵まれました。私が出たドラマは、「青春」シリーズも視聴率トップになったし、「サインはV」もなったし、「大江戸捜査網」も出て。

 

あと日本テレビの隠れた人気ドラマなんですけど「おひかえあそばせ」。これ、なかなか人気番組でね。私を知っている人は、結構その番組を評価してくれます。石立鉄男さんとか、宮本信子さんとか出てて......4姉妹......5姉妹か。

 

草野 6人。

 

岡田 えーとね。富士真奈美さんでしょ、宮本信子、嘉手納清美、私......、あ、6人だ。よくご存じ。私のオタクじゃないの。ひょっとしたら(笑)

 

草野 否定しきれません(笑)。で、どうでしたか。その「おひかえあそばせ」時代は楽しかったですか?

 

岡田 楽しかったですよ、すごく。私はひとつの作品がものすごく長いから、芸能界長いわりには、あまり知らないんですよ、いろいろな人を。同じ芸能界でも、歌と芝居で全然違うし、映画も違うし、舞台も違うし。私はテレビの世界でしか生きてきていませんから。だって、「青春」が4年間でしょう。「サインはV」が1年でしょう。「大江戸捜査網」が1年か2年かな(注:足かけ3年)。「おひかえあそばせ」はそんなに長くなかったんだけど。

 

草野 13回

 

岡田 13回でしたっけ? アレ。ねえ、あれも面白かったんだけどねえ。なんか途中で終わっちゃったみたいで。

 

草野 野球のない時だけの放送でしたからね。

 

岡田 そう、雨傘番組だったからねえ。だから回数は......。でも、知る人ぞ知る、なかなかの番組なんですよね。そういった意味では、女優業としては幸せ......ラッキーだったかなって。だって、代表作がいっぱいあるんだもの。際立っているのは「サインはV」なんですが、「青春」シリーズもすごい番組だったし、「大江戸捜査網」も固定ファンが多くて。あれで杉良太郎さんがスターになりましたからね。

 

杉良太郎さんて歌手だったのよ。歌手でデビューして、「大江戸捜査網」で人気者になって、それで何年か後に「すきま風」へと......。

 

時代が変わってもいいものは評価される

 

草野 当時のドラマと今のドラマを比べてどうですか?

 

岡田 うーん。まあ、そんなに偉そうに分析できるほどではないんですけど、ただ、よくみんなと話すのは、今、「金八先生」とかすごくはやってるじゃないですか。私たちの時の青春ドラマって言うのは、どんなに先生と仲良くなっても、先生は先生だったんですよね。それで、先生にガツンと言われたら、どんなに悪ガキもピッとなっちゃう。そういうドラマだったんですよね。

 

でも、金八先生とかは、やはり時代の流れもあるんだろうけど、もう友達感覚、生徒よりの先生になりすぎてて、絶対、自分たちの作ったドラマの方が面白かったよねって話をみんなでするんですよね。まあ、なんだって自分が一番だと思ってるからね(笑)。でもね、今見ても面白いドラマだから、やっぱり人気が出るのはわかるなって。

 

草野 ええ。

 

岡田 こないだ、「サインはV」をやってて、たまたま友達がみんなウチに来ていて、私は放送があるのを知らなかったんですよ。みんなが「はやくテレビつけよう」っていうから、「何?」って聞いたら、「サインはV」が始まるって(言う)。「嫌だな、見たくないな」と思ったけどみんな見るって言うから、仕方なく観念して「さわりだけ見ればいいか」と思って見ていたら、すごく面白い。自分でも面白くてビックリしちゃった。「これはウケるよなあ」って思ったもん、自分で。最後まで見ちゃった。

 

マネージャー TBSの若い人たちが、当時と、眉が細いとか美容法が一緒だって。

 

岡田 そう、ファッションがね、今と同じになって。ベルボトムのスカートやパンツはいたりして、今の若い人にはやっているファッションなの。お化粧のメイクもね。今、ブルーのアイシャドウだのつけまつげだのってはやってきてるでしょ。その当時は、つけまつげも上から下からつけてたような時代だから。時代の流行があのときに戻っている。ファッションは繰り返されるって言うけど、ホントにそんな感じ。上げ底の靴なんてね。もちろんその当時とはデザインが変わってるけど、上げ底のロンドンブーツなんて、あれが寂れたときには、こんなのはいてたのかなんて大笑いしていたのに、今はまた「凄いファッションでかっこいい」だからね。だから、時代っていうのは面白いと思いますね。

 
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