『紙の爆弾』(エスエル出版会)2009年4月号発売!

『紙の爆弾』(エスエル出版会)2009年4月号発売!


月刊『紙の爆弾』4月号

3月7日発売!

A5判/112頁
定価500円(本体476円+税)

 

【小特集】ついにボロが出た"スピリチュアル商法"の舞台裏を往く
◆ついにテレビから消える 細木数子が"地獄へ堕ちる"時
◆「35歳で羊水くさる」トンデモ発言の倖田來未と「マイナスイオン」で儲けたNHK脱税経営委員とを結ぶ点と線
◆江原啓之"やらせ報道"でもまだ好調の「スピリチュアル・カウンセリング」その実情

 

◆芸能界を支配するヤメ検弁護士のアブナい蠢き
◆あさま山荘へと至った道は、今へと続く??映画『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』制作 大友麻子
◆親族が告発!元ミスマガジン「仲村みう」失踪騒動を巡る親族争い
◆パチスロ規制緩和の攻防 黙殺したい警察庁にパチスロ業界側の焦り
◆「ラピュタ阿佐ヶ谷」「ザムザ阿佐ヶ谷」「ふゅーじょんぷろだくと」自殺者も出た暴力出版社の内情を告発!
◆地下鉄サリン事件から十三年??警察の"焼け太り"とその背後にあったもの
◆それからの「外務省のラスプーチン」佐藤優外伝 「私のマルクス」を読む 5
◆なぜ行政は動かないのか?神戸市に提出した質問状??神戸市・須磨一ノ谷の奇々怪々 4
◆ジャーナリズムの自己死滅???「人権と報道関西の会」への疑問

 

<<連載>>
芸能裁判を読む 21......みおなおみ
マッドアマノ「風刺画報」
本誌発「デジタル紙の爆弾」今月のスクープ!
キラメキ★東京漂流記
ニッポン主義者同〈遊郭派〉
月刊 高須新聞
徒然なるままに

 

「水伝」は、数ある疑似科学の中でもかなり初歩的なものだ。言葉や文字にはそれぞれ固有のエネルギーが宿っており、水が結晶を作る際に「ありがとう」や「平和」など「よい言葉」をかけてやると美しい雪花状の結晶ができ、「ばかやろう」や「戦争」など「悪い言葉」をかけると汚い結晶ができるという話である。江本は同書で、「水」を凍らせて撮った結晶の写真を"証拠"として掲載。テレビや雑誌などでも紹介されたため、人々の関心を集めるようになった。
 当たり前の話だが、耳も脳もない水に人間の言葉が認識できるはずはない。種明かしは簡単だ。科学者の中谷宇吉郎によって、水の「美しい雪花状の結晶」はマイナス一五度のときにできることが科学的にはわかっている。温度条件が少しでも変われば、それが溶けて崩れ「汚い結晶」にもなる。別にどんな言葉をかけたかは全く関係ない。たとえば、「紙の爆弾」と声を掛けたとして、マイナス一五度なら「美しい雪花状の結晶」になるし、そうでなければ「汚い結晶」になる。江本は、その両パターンの撮影を行ったに過ぎない。何より江本自身が、「水からの伝言はポエムだと思う。科学だとは思っていない。僕は科学者ではない。単なるロマン的なこと、ファンタジー」(『AERA』二〇〇五年一二月五日号)と白状している。
 倖田來未というのは、自分自身がまんまとそのトンデモ話にひっかかっただけでなく、それを公共の電波を使って"啓蒙"まで行っていた、疑似科学批判の立場にある者から見れば、札付きの要注意人物だったのである。
 もっとも、『週刊文春』(二〇〇八年二月二一日号)は、倖田発言の「タネ本」が『水からの伝言』であるとして江本を直撃取材しているが、江本自身は「羊水が濁る」などと言っていないし、倖田に直接啓蒙しているという話もない。ただ、倖田が江本の書籍に影響を受けて、水に対して神秘主義・非合理主義としての世界観を抱き、それが高齢出産に対する思いこみについてあのような発言として出てしまったと見るべきだろう。
■"疑似科学ウェルカム"とジャニーズ事務所への遠慮
 彼女には以前からそうした"前科"があったにもかかわらず、何の警戒もなく、また指導もしてこなかったスタッフにも問題があると言わざるを得ない。放送は録音だったが、誰も編集を提言する者はいなかったという。科学的に無知というだけでなく、「面白ければ疑似科学でもいい」というメディアの根本的な心得違いをそこに見て取れる。血液型性格判断や、江原啓之のスピリチュアルなどは、そうした"疑似科学ウェルカム"の姿勢があるからこそ作られているのだ。


 
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