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『平家物語』は鎌倉時代に成立した日本の軍記物語。京都の貴族社会の中で成立した、平家と源氏との戦い、栄華と没落などを描く

『平家物語』は鎌倉時代に成立した日本の軍記物語。京都の貴族社会の中で成立した、平家と源氏との戦い、栄華と没落などを描く

『平家物語』は鎌倉時代に成立した日本の軍記物語。京都の貴族社会の中で成立した、平家と源氏との戦い、栄華と没落などを描いています。平清盛ら平家一門が一度は全盛を極めながら、やがて源氏との戦いに敗れて滅ぶさまを平家側に力点をおいて描いています。

まんがで読破シリーズ全59巻(2023年8月現在)の58巻目が、『平家物語』です。

kindle unlimitedの読み放題リストに含まれています。

『平家物語』といえば、平家と源氏との戦いを描いた物語ですが、「それなら『源氏物語』と関係あるのか」という誤解も、よもやあるのではないかと思いますが、両作品は全く関係ありません。

『平家物語』は、鎌倉時代に成立した軍記物語で、平安時代末期の源平合戦を中心に、平家の栄華と没落を描いています。

一部創作はあるものの、主たるストーリーは歴史上の事実に基づいて作られたとされ、登場人物や出来事はほとんどが実在のものです。

一方、『源氏物語』は、平安時代中期に紫式部によって書かれた文学作品で、光源氏という架空の貴族について、恋愛や生活を描いた架空の物語です。

『平家物語』は、琵琶法師という盲目の音楽家が琵琶を弾きながら語る形で広まりました。

これを平曲と呼びます。

平曲は鎮魂の目的で語られたということが伝えられています。

『源氏物語』は読み物として書かれました。

紫式部は貴族の女性であり、自分の経験や感情を投影した作品と言われています。

源氏物語は日本文学の最高傑作として称賛されています。

まあ、「共通項」としては、どちらも日本文学史に残る作品で、読み比べることで日本の歴史や思想を深く理解することができる、ということでしょう。

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我が世の春を謳歌した平家はいかにして滅亡したか

本作の有名な書き出しは、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」です。

「祇園精舎」も、「諸行無常」も、実は仏教に関係があります。

要するに、この世の中は不変である、同じままのものなどは何一つない、といっているんですけどね。

そして、平清盛ほか、主たる登場人物は、貴族や武士や皇族でありながら出家しています。

引退した天皇を上皇というのは、平成天皇で世間にも理解されましたが、上皇が得度すると法皇になる、というのは、あまり知られていない話でしょう。

そういう話が本作には出てくるので、社会の勉強になります。

あらすじは、まあ長い話なんですが、平安時代末期の頃から始まります。

平家と源氏は、両家ともに武士の勢力であり、政治的な影響力を持つ一族です。

平清盛と源義家は、最初は協力関係にありましたが、源義家の子である源義朝が平家との対立を深めていきます。

義朝は、平家の専横に反発し、その行動に抵抗する姿勢を見せます。しかし、平家は力を持ちすぎており、義朝の反乱は失敗に終わり、義朝は討たれてしまいます。

平家というのは、「たいら」家であり、物語の主役と言ってもいいのが平清盛です。

平清盛は保元の乱と平治の乱で勝利し、武士として初めて太政大臣になります。

総理大臣兼裁判長兼天皇の師範、といったところでしょうか。

天皇の師範、というポストは現代社会ではありませんけどね。

さらに、娘を後白河法皇に嫁がせて孫を天皇にし、平家一門は権力を握ります。

平清盛は、気に食わなければ白河法皇を幽閉してしまうんですから、強権ぶりはすさまじい。

一方、源氏側は源頼朝や木曾義仲などの反平家勢力が立ち上がり、戦闘が始まります。

しかし、源頼朝と木曾義仲も覇権争いがあり、なかなか平家を一気に殲滅はできないのですが、結局源頼朝の妻の北条政子の力などもあり、壇ノ浦の戦いで平家は滅亡。

安徳天皇は、僅か6歳で下関の海に沈んでしまうのですが、その際、正統な皇位後継の証である「三種の神器」も道連れにし、後に勾玉と神鏡は浮かび上がったものの、宝剣はついに発見される事はありませんでした。

現在の宝剣は、その時に作り直したものと言われています。

そして、源氏側も、源頼朝との齟齬から木曾義仲だけでなく、頼朝の異母弟である源義経も殺されてしまいます。

勝った方も、結局勝者は1人でなければならなかったのでしょう。

平清盛の悪役ぶりに注目

小学校の時に習った歴史でも、本作を読んだ感想としても、印象に残るのは、平清盛の横暴さです。

本人も、聖人として生きるつもりはさらさらなかったらしく、権力を握るためなら何でもしたのですが、「なにもそこまで」と思ったのは、南都焼討という、治承4年12月28日(1181年1月15日)に起こした、東大寺・興福寺など、奈良(南都)の仏教寺院を焼討にした事件です。

これは、寺院が言うことを聞かなかったからということですが、南都というのは、南都六宗(その後三宗)のことで、奈良が、平安京が置かれた京都の南にあったことから、南都と呼ばれるようになりました。

中国から伝わった仏教は、聖徳太子の肝いりで奈良に寺院が建てられたのです。

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その後、平清盛は原因不明の熱病で亡くなりました。

まあたぶん、たちの悪い感染症だとは思いますが、寺院焼き討ちの仏罰と思われたようですね。

本作では描かれませんでしたが、頼朝の妻の北条政子の存在も興味深い。

頼朝の亡き後幕府の実権を握った人物です。

当時は、女性が活躍できる社会ではなかったのですが、北条政子の名前は社会の教科書にも出できますね。

作中、平のナントカという名前が何人も出できて、メモしながらでないと人物相関がわかりにくいかもしれませんが、セミドキュメンタリーの軍記物語は、漫画といえども読み応え十分です。

以上、『平家物語』は鎌倉時代に成立した日本の軍記物語。京都の貴族社会の中で成立した、平家と源氏との戦い、栄華と没落などを描く、でした。


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