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『愛の惨劇~首なし娘事件~』は、1932年(昭和7年)に愛知県で発生したバラバラ殺人事件を犯人の境遇や心理から描く実録漫画

『愛の惨劇~首なし娘事件~』は、1932年(昭和7年)に愛知県で発生したバラバラ殺人事件を犯人の境遇や心理から描く実録漫画

『愛の惨劇~首なし娘事件~』は、1932年(昭和7年)に愛知県で発生したバラバラ殺人事件を犯人の境遇や心理から描く実録漫画です。恵まれない「ほしのもと」に加えて不幸が続く青年が、心理的に追い詰められ常軌を逸した事件を引き起こす過程を描いています。

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首なし娘事件(陰獣事件)を収録した『血みどろ昭和事件』

『血みどろ昭和事件~監禁・拷問・虐待~』(空路著、ぶんか社)という、実在した4件の事件について、事件の背景や犯人の生き様などに迫った漫画が話題です。


血みどろ昭和事件~監禁・拷問・虐待~ (ストーリーな女たち) – 空路

以下の実在した4事件が収録されています。

いずれも、センセーショナリズムだけで人々の目を引く事件ばかりですが、その背景にあるものはいったい何か。

それを知ることで、事件の再発防止はもとより、人間関係や類似した齟齬への対応を考えるよすがとなり、また被害者・犠牲者のせめてものご供養にもなると思います。

本書は、主人公の生い立ちからその行動原理を裏付け、心理描写などを克明に行っており、いずれも読み応えがあります、

なお、栃木実父殺害事件については、他の実録コミックから、『『栃木実父殺害事件』は1968年に起こった実話をもとに漫画化。尊属殺重罰規定違憲判決といわれたが改めて毒親について考えた』という記事で

『栃木実父殺害事件』は1968年に起こった実話をもとに漫画化。尊属殺重罰規定違憲判決といわれたが改めて毒親について考えた
『栃木実父殺害事件』という1968年に起こった実話をもとにした漫画を読みました。当時、尊属殺重罰規定違憲判決といわれました。『殺人犯の正体』(鍋島雅治 (著), 岩田和久 (著)、大洋図書)という殺人事件9件をマンガにまとめた本に収録されています。

北九州監禁殺人事件については、『北九州一家監禁殺人事件(2002年)は日本犯罪史上最悪の事件と言われましたが、それを漫画化したのが『殺人犯の正体』です』という記事で

北九州一家監禁殺人事件(2002年)は日本犯罪史上最悪の事件と言われましたが、それを漫画化したのが『殺人犯の正体』です
北九州一家監禁殺人事件(2002年)は日本犯罪史上最悪の事件と言われましたが、それを漫画化したのが『殺人犯の正体』です。残酷な事件のため、テレビでは自主規制が敷かれたいわくつきの事件だったので、改めて犯人の人格や事件の詳細が明らかになりました。

ご紹介しています。

本書と併読することで、事件についてさらに理解が深まるのではないでしょうか。

以下は、本編の概略です。

実際の人物と違って仮名を使ったり、場所等を変えたりしているかもしれませんが、作品に忠実にご紹介したいと思います。

4たび大切な人を失いたくなかったがゆえの凶行か

ときは1889年(明治22年)。

主人公・八吉は地方の貧しい村で生まれました。

誰が父親かわからないまま実母に捨てられ、その実母は死亡。

よそのうちに預けられた八吉は、学校にも行かせてもらえず、奉公人のように働かされています。

学校の先生でもあった住職が、「子どもを学校に生かせるのは国の決まりだから」と説得し、やっと学校に行けるようになります。

その際住職は、八吉にこう言います。

「今の苦しみは前世の報いじゃと思え」

当然ながら、「俺は前世でそんな悪いことをしたんか?」といぶかる八吉。

住職は、「そうじゃ、悪事をしたんじゃ。だから今世で良い行いをして罪を償わねばならぬ。そうすれば仏は必ず見ていてくださる。あの世で極楽浄土で幸せに暮らせるんじゃ」

こういう話は、漫画でなく現実でありますよね。

個人的な意見ですが、宗教というのはつくづくご都合主義の非合理だなと思います。

前世だの来世だのを証明できているわけでもないうえに、ただ「前世のせいだ。耐えなさい」では、まるであなたの人生は生涯罰ゲームと決めつけているようなもので、困難を克服して活路を見出す前向きな意欲さえ奪ってしまいます。

八吉は、けなげにもそれを信じて真面目に勉強し、小学校卒業後は菓子職人の見習いとして奉公に出されました。

そこでも、真面目につとめた八吉は暖簾分けを許してもらい、さらに奉公先の女将さんの姪を紹介してもらいます。

2人は祝言をあげ、子も成し、八吉はやっと幸せらしきものを感じたと思いきや、関東大震災を罹災。

店は焼け、家族を失ってしまいます。

しかし、やはり被災者の未亡人に親切にしたことで、今度はその女性と名古屋で新居を構えます。

今度こそしあわせになろうと頑張った八吉ですが、その女性は病弱でした。

女性が開いた裁縫教室の教え子である娘が、サポートしてくれますが、女性は日に日に弱っていきます。

またしても自分は幸せを失うのか。

八吉は、「俺に近づくものはみんな死んでいく」と、娘を遠ざけようとしますが、「先生が亡くなったら、私が旦那さんを支える」とけなげに言い張る娘にほだされ、2人は関係してしまいます。

その娘こそ、首なし娘事件の被害者である19歳の女性だったのです。

結局、2番目の妻は亡くなり、八吉は仕事探しに東京に戻っても仕事もなく、一方娘には縁談が。

3たび、いや、母親を含めると4たび大切な人を失うのか。

思い余って八吉は少女を殺めてしまいます。

しかし、罪深い自分は、あの世でも娘と結ばれることはないとさらに追い詰められ、娘の肉体の一部を自分にまとい自死しました。

人生が決まる「必然」としての「ほしのもと」

事件の詳細が書かれているページのOGPをご紹介します。


記事によると、娘の遺体には首がないばかりか、乳房とへそ、陰部がえぐり取られていたといいます。

漫画では八吉とされている男性は、首をつって腐乱した状態で発見されたと言います。

そして、女性の毛髪が継いた頭皮を頭から被り、女性用の毛糸の下着と洋服を身に付け、手には娘の遺留品である赤い手袋をはめていたそうです。

さらに、ポケットに入っていた女性ものの財布の中には、眼球が入ったお守りが収められ、冷蔵庫の中には娘の体から切り取った乳房と局部が置かれていたといいます。


また、『日刊ゲンダイ』の穂積昭雪さんのルポによると、漫画には描かれなかったことが書かれています。

八吉は、菓子職人になる前は製革業に携わっており、動物の皮を剥ぐ技術を持ち合わせており、山や河などの自然に畏敬の念を持つ山岳への信心が非常に強かったそうです。

漫画の冒頭の、住職の話が真実かどうかはわかりませんが、いずれにしても信心深い八吉は、その信仰心によって自分の不幸に意味付けを行い、自分を追い込んでいったのかもしれません。

ただ、自分の大切な人を次々失うのは「偶然」だったとしても、八吉が恵まれない生い立ちであることは、人生を暗転させる「必然」であったと思います。

裕福な家庭の子弟に生まれることは、必ずしも幸福の条件ではありませんが、親の愛情を受けて育つというのは、やはり健全な人格育成には「必然」ではないでしょうか。

以上、『愛の惨劇~首なし娘事件~』は、1932年(昭和7年)に愛知県で発生したバラバラ殺人事件を犯人の境遇や心理から描く実録漫画、でした。


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