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牧清雄は「煮るラーメンの先駆者」シマダヤの創業者。1963年には煮るラーメンをすでに発売していたことを示す対談記事を紹介

牧清雄は「煮るラーメンの先駆者」シマダヤの創業者。1963年には煮るラーメンをすでに発売していたことを示す対談記事を紹介

製麺のシマダヤ創業者・牧清雄の対談記事を見つけたのでご紹介します。ありふれた雑誌の対談記事ですが、1963年という、初期のインスタントラーメンが出始めていた頃、シマダヤは煮るラーメンをすでに発売していたことを示す興味深い記事です。(文中敬称略)

みなさんは、家庭用ラーメン(カップ麺、袋麺、チルド麺など)は、どんなメーカーやブランドがお好みですか。

シェアの順番では、

日清食品:3,622億円、
東洋水産(マルちゃん):2,274億円、
サンヨー食品:1,816億円、
エースコック:413億円

です。

とくに日清食品は、パイオニアであるだけでなく、ライバルだった明星食品を傘下におさめており、1000億以上の差をつけてトップです。

しかし、私がもう一つ挙げたいメーカーは、シマダヤです。

安価なスープ付き生ラーメン3食パックを、しょうゆ、味噌、タンメン、豚骨などリリースし、生麺特有のモチモチ感で、スープも値段の割にはよくできていると思います。

そのスープ付き生ラーメンは、実はシマダヤが業界初のリリースで、しかも今から60年前には半生タイプが出ていたのです。

60年前といえば、日清でさえ、まだ丼に揚げ麺を入れてお湯をかけていたチキンラーメンの時代ですから、シマダヤの先駆性は光ります。

ということで今日も、国会図書館所蔵からです。

今日は、実業往来(1963年)という専門誌の対談記事です。

シマダヤの創業者、牧清雄に、女優の笹森礼子が消費者代表でいろいろ聞いている記事からご紹介します。

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煮るラーメンの先駆者


牧清雄は1913年、静岡県に生まれました。

「祖父の時代から田舎で製粉業をやっていた」そうです。

1931年、18歳の時に愛知県名古屋市中区(現・昭和区)において米穀商・島田屋商店を創業しました。

屋号は、当時の愛知県愛知郡天白村大字「島田」(現・名古屋市天白区島田)に由来したそうです。

しかし、米穀統制法による強制休業や、戦争・地震による工場被災など時代の荒波を受け、戦後はやはり統制米があり、米を売ることが難しいと感じた清雄は、ここで小麦に着目し、製粉・製麺業を始めました。

アメリカが、小麦を日本人に食べさせようとした政策を見逃さなかったのですね。

パンではなく麺にしたのは、日本人の麺(そば)好きに着目したそうです。

1949年3月、牧清雄は製麺業の株式会社島田屋を設立しました。

1950年に茹で麺(玉うどん)の製造を開始。

笹森礼子「この栄養玉うどんというのは……」

牧清雄「これはビタミンB1、B2、とかカルシウムなどが、なかに入っているわけですね。これは、私共が日本ではじめて作ったもので、特許を取ったわけです」

笹森礼子「そうすると強化米と同じような感じですね」

牧清雄「そうです」

この雑誌が発行されたのは1963年。すでに市場ではインスタントラーメンが出始めていました。

シマダヤも参入しています。

笹森礼子「即席ラーメンもしていらっしゃるのですね」

牧清雄「ええ。三、四年前からブームで現在、非常にたくさん出ていますね。私共も二、三年前から出していますが、お湯をかけるだけですぐ食べられる。不規則な生活をしていられる方の夜食には便利がいいですね。これは相当たくさん出しています」

インスタントラーメン参入と書きましたが、シマダヤというと、現在はやはり生ラーメンが主軸です。

同社ではずてにこのとき、ソフトラーメンという、現在の生ラーメンの原型をリリースしています。

笹森礼子「このソフトラーメンというのは即席ラーメンとまた違うのでしょうか」

牧清雄「ええ。これは油揚げがしてなくて、半生になっています。」

笹森礼子「そうしますと、食べ方が違って来るわけですか。」

牧清雄「ええ。一度、煮て食べるわけです。即席ラーメンでも本当はサッと煮た方がおいしいですね。現在これはアメリカへ輸出しています。サンフランシスコへ一週間に一度ぐらいづつ送っています。」

カップヌードルは、アメリカ人がチキンラーメンの揚げ麺をコップに入れ、さらにお湯を入れて食べたことが始まりと言われますが、シマダヤははじめから、煮て食べるラーメンを1963年の時点でアメリカに輸出していたのです。

西海岸ということは、日系人に受けたのかな。

インスタントラーメンというと、日清食品が何でも始まりのイメージがありますが、シマダヤこそが、煮るラーメンのパイオニアというわけです。

他社に倣って、「お湯をいれるラーメン」でも当時なら十分に商品として成立したわけですが、それだけでなく「煮たほうが美味しいから」という自分の考えを商品づくりに反映させたんですね。

異業種との関連会社化


そのシマダヤは、現在、「バッファロー」ブランドでパソコン周辺機器などを手がけているメルコホールディングスによる出資比率22.7%の、正式な会計用語では「持分法適用関連会社」になっています。

なぜ、生麺のシマダヤが、全く別分野である周辺機器メーカーのメルコに影響力を持つ「子会社的関連会社」になったのか。

メルコの創業者の牧誠会長は牧清雄の子息で、シマダヤの牧実現会長とは親戚関係にあります。

現メルコ社長の牧寛之は牧誠の長男です。

要するに、もともと両社は牧父子が創業して、現在も社長や会長が親戚ということです。

もちろん、血縁関係があるだけでは、事業上の意味もなく株は持ちません。

メルコは、製造管理システムの分野でシマダヤを活用でき、シマダヤはこのところ具付きのチルド調理麺のメーカーを相次ぎM&Aで子会社化しているので、子会社の安全管理についてメルコの技術を活用するそうです。

これまで、合併や関連会社化というと、同じ業界の得意分野が違う者同士がするものというイメージが有りましたが、おそらくはこれが先例になって、これからは異業種の関連会社化は活発に行われるように思います。

この点でも、シマダヤはパイオニアになったわけです。

シマダヤの商品は、先に挙げた生麺、冷凍麺、乾麺など多岐にわたりますが、お好みの商品はありますか。


[冷蔵] シマダヤ 本生ラーメン醤油 110g 3袋

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