
AIについては、使わない人(つまり知らない人)ほど、「AIは嘘をつく」「個人情報を盗る」といった、「だから使わなくてもいい」という口実につながるテンプレがついてまわります。思ったような答えが返ってこなかった経験がある人ほど、そう感じやすいのかもしれません。
21日、ChromeのサイドパネルからGemini(AI)が使える、Gemini in Chrome が日本でも公開されたそうです。
【提供開始】ついに日本で Gemini in Chrome が利用可能になりました??
ブラウザから離れることなく、サイドパネルから直接 Gemini に相談。
毎日の調べものや作業がもっと賢く、スムーズになります。進化した Chrome をぜひ体験してください?
新機能の詳細はスレッドへ ???? pic.twitter.com/3O8iff5YKa
— Google Japan (@googlejapan) April 20, 2026
いよいよパソコンユーザーは、AIと向き合わなければならない時代になりましたが、このブログのコメントに見られる、「AIは嘘つきだ」「AIに個人情報を抜き取られる」といった「誤解」を見かけるので、この記事ではそれについて述べてみたいと思います。
「AIは怖い」という前に
先日、AIの話題に対して「個人情報が心配だ」という声をいただきました。
ネットには、確かにリスクがあります。
ただ、ここで冷静に考えてみたいのです。
私たちはすでに、SeesaaブログやSNSで
・日常の出来事
・写真
・趣味や行動範囲
を、インターネット上に公開しています。
それらは検索エンジンに収集され、世界中からアクセス可能な状態にあります。
メールにしても、ネット上を通る以上、情報が盗られるリスクはあります。
わずかな情報から、個人は特定できます。
みなさんのことも、その気になれば、概ね情報を掴める。それがネットの怖いところです。
つまり、AIを使っていなくても、すでにみなさんのことはネットの世界にさらされまくっている(そもそも自分自身が好き好んで晒している)のです。
今更、怖いもへったくれもないでしょう。
だからこそ大切なのは、
「怖いから使わない」ではなく、
「どう使えば安全かを理解すること」ではないでしょうか。
AIは「嘘をつく存在」ではない
次の誤解ですが、AIは人間のように「嘘をつこう」としているわけではありません。
AIは、与えられた情報や文脈から「もっともそれらしい答え」を確率的に生成する仕組みです。
つまり、そもそもが正解を保証する装置ではないのです。
ここを誤解したまま使うと、
「違った答えが出た⇒AIは嘘つきである」
という一面的な評価になってしまいます。
しかし実際には、「質問や司令に沿った答えを出したが、ユーザーの求めているものとしては不正確だった」というだけの話です。
しかもそれは、人間と違い、ユーザーを騙したり裏切ったりする目的ではないのです。
ですから、「嘘つき」という表現は的外れだと思います。
なぜ誤答が起きるのか
では、なぜAIから不正確な答えが出るのか。
よくある原因はシンプルです。
・前提条件が曖昧
・質問の意図が不明確
・検証をしていない
特に多いのは、ユーザーが「何をしたいのか」が整理されていないまま、「なんとかしてくれ」と丸投げの質問しているケースです。
たとえば同じ疑問でも、
「どうしたらいい?」と「丸投げ」で聞くのと、
「〇〇をしたいが、△△が分からない。□□まではわかっている」と聞くのでは、
返ってくる内容は大きく変わります。
少し厳しい言い方をすれば、誤答の多くは「ユーザーの問いの設計ミス=司令文の出し方が悪い」のです。
ですから、「AIに頼りすぎるのはよくない」というご意見もありましたが、AIを正しく使うということは、ユーザー側にその前提における周到な準備が求められるので、「頼りすぎる」ということにはなり得ないのです。
よくある勘違いの例
少しだけ踏み込んで言うと、こんな使い方をしていないでしょうか。
・とりあえず聞いてみて、違ったらAIのせいにする
・複数のAIで答え合わせすれば安心だと思っている
・自分では検証しない
もし当てはまるなら、問題はAIではありません。
ユーザーの使い方が悪いのです。
たとえば、わたしの本名は、ネット上に同姓同名が6名は確実に存在します。
そのため、私について調べろと司令すると、AIは、私と同姓同名者のプロフィールと混同した回答をします。
しかし、私はそこでAIを嘘つき呼ばわりはせず、同姓同名の別人であることや、どれがどちらのプロフィールであるかを丁寧にフィードバックします。
すると、AIは、特定できたプロフィールをもとに、改めて私に対して、仕事の方向性を提案してくれます。
そこで、さらに対話を続けることで、より具体的で現実的な企画が出来上がります。
AIは人間ではないけれど、ユーザー自身との対話によって力を引き出せるのです。
なのに、「AIは嘘をつく」などと断罪して対話を諦めたら、そこでAIとの信頼関係は終わってしまいます。
お世話しているワンニャンが、人間の思い通りに行動しないからといって、飼い主が憎らしい気持ちを持ったら、ワンニャンはそれに気づいて、もうその飼い主には心を許さないでしょう。
対人関係も、動物のお世話も、AI操作も、みんな根っこは同じです。
AIはユーザー次第で変わる
本質は、相手ではなく自分(ユーザー)自身のあり方です。
私の持論ですが、人付き合いや、動物のお世話をできる心を持っている人なら、きっとAIとも上手に付き合えるのではないかと思います。
逆に言えば、AIとうまく付き合えるかどうかは、人間修行といってもいいかもしれません。
そして、AIと誠実に付き合えるならば、老若男女どなたに対しても、AIはきっと人生を前に進めることを助けてくれる存在になるでしょう。
Gemini in Chrome、楽しみですね。
この1冊でしっかりわかる Geminiの教科書 – 佐倉井 理冴
