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京都府南丹市園部町の事件。ネットではああだのこうだのと、ここぞとばかり探偵のつもりになったり正義感ぶったりした岡目八目

京都府南丹市園部町の事件。ネットではああだのこうだのと、ここぞとばかり探偵のつもりになったり正義感ぶったりした岡目八目を好き勝手書いています。もちろん、人を殺めるのは悪いことなのですが、わたしにはネットの潮流はしっくりきません。

京都府南丹市園部町の事件。ネットではああだのこうだのと、ここぞとばかり探偵のつもりになったり正義感ぶったりした岡目八目を好き勝手書いています。もちろん、人を殺めるのは悪いことなのですが、わたしにはネットの潮流はしっくりきません。

わたしは、今回のような事件を見聞きすると、たまたまそのような機会がないだけで、自分だって故意ではなくて過失であったとしても、どんな機会で過ちを犯すかもしれないと、不安になります。

そういう不安を抱かず、居丈高に、自分は取材もしていない、親戚でもないくせに、限られた情報で、わかったような憶測や断罪を吐き出せるメンタリティが理解できません。

人間の行動は性格だけで決まるわけではない

人間は、なぜ誤った行動、愚かな行動を取るのか。

人間の行動は、「性格」や、いわゆる「人格」だけで決まるわけではありません。

心理学ではよく知られている話で、人間は、極端な状況や偶然の積み重ねで、普段なら絶対にしないような行動を取ってしまうことがあるのです。

たとえば、有名なミルグラム実験やスタンフォード監獄実験は、「普通の人」が状況次第で驚くほど過激な行動を取ることを示しました。

ミルグラム実験(アイヒマン実験)
「人は権威者からの命令であれば、自分の良心に反して他者に危害を加えることでも従ってしまうのか」を検証した実験(1961年、スタンレー・ミルグラム)です。

参加者は「教師役」となり、「生徒役」(実際は劇団員)が問題を間違えるたびに、白衣を着た実験責任者(権威者)の命令に従って、生徒に電気ショックを与えます。間違えるたびに電圧を上げるよう指示されます。

その結果、生徒役が苦痛を訴えて絶叫する(ふりをする)にもかかわらず、約65%の参加者が権威者の命令に服従し、致死レベル(450ボルト)の最高電圧までスイッチを押し続けました。

普通の善良な市民であっても、特定の状況下では権威に服従し、残酷な行為に及んでしまう危険性が示されました。

スタンフォード監獄実験
「人は与えられた『役割』や『環境』によって、どのように行動を変えるか」を検証した実験(1971年、フィリップ・ジンバルドー)です。

心身ともに健康な普通の大学生たちを集め、無作為に「看守役」と「受刑者役」に分け、大学の地下に作った模擬刑務所で2週間生活させました。

その結果、看守役は誰から指示されたわけでもないのに、次第に受刑者に対して高圧的になり、理不尽な罰や虐待を行うようになりました。

一方の受刑者役は無力感に苛まれ、精神的に激しく衰弱していきました。事態が危険なレベルにまでエスカレートしたため、予定されていた2週間を待たず、わずか6日間で実験は中止されました。個人の元々の性格よりも、置かれた「状況」や与えられた「役割」が人の行動を強く支配してしまうことが示されました。

もちろん、どちらも、現在では倫理的な問題により、同様の実験を行うことは禁止されています。

また、近年の研究では、実験の手法やデータの解釈に対して一部疑義や批判も提示されています。

ただ、「自分は絶対にそんなことをしない側の人間だ」と思い込むよりも、

・人は状況によって判断を誤る
・自分にも限界や盲点がある

と認識している人の方が、むしろ危険な状況を避けやすい、ということを教えてくれる実験です。

過失はいつ・誰にでも起こり得る

今回の京都の事件は、被害者に外傷がなかったといいます。

ということは、虐待の積み重ねとエスカレートではなく、何らかの過失の可能性も、少なくとも今の時点ではあります。

もちろん、なら仕方ない、なんていうことをいいたいわけではないですよ。

私たちだって、過失は、いつどこで誰に対しても、絶対にないとは言えないでしょ、ということです。

AI(ChatGTP)と「予防策」を議論したところ、「立派な人になる」よりも、ミスが起きにくい環境を作ることの方がずっと現実的で効果があるという話になりました。

人は意思の強さより、状況に左右されるからです。

まず大きいのは、判断力が落ちる条件を自覚することです。
人はだいたい次の状態でミスを起こします。

疲れている
怒っている
焦っている
孤立している

このときは「正しい判断ができない前提」で動くのがコツです。
たとえば、

重要な決断は翌日に回す
強い怒りを感じたらその場で結論を出さない

これだけで、かなり事故は減ります。

次に重要なのは、「一線」を事前に決めておくことです

人はその場で考えると、自分に都合よく判断を曲げがちです。なのであらかじめ、

どんな理由があってもやらないこと
危ないと感じたら必ず離れる状況

を決めておきます。

たとえば、

感情的になっているときは人に詰め寄らない
子どもや弱い立場の人と関わるときは必ず距離や状況を意識する

など、「ルール化」しておくとブレーキが効きます。

もう一つ大事なのが、孤立しないことです。

多くの深刻な問題は、「誰にも話せない状態」で悪化します。

愚痴でもいいから話せる相手を持つ
自分の状態を外に出す

これだけで、極端な方向に行くのを防げます。

最後に少し意外ですが、「自分は間違える」と前提にしておくことです。

これは自己否定ではなく、むしろ安全装置です。

自分の判断を一度疑う
他の可能性を考える
すぐ断定しない

こういう癖がある人の方が、大きな過ちは起こしにくいです。

まとめると、

状態が悪いときは判断しない
事前ルールを決める
孤立しない
自分を過信しない

この4つで、かなり現実的にリスクは下げられます。

不安をゼロにすることはできませんが、
「起きにくくすること」はちゃんとできます。

みなさんは、今回のような事件を、どう受け止められますか。


「本当の自分」がわかる心理学~すべての悩みを解決する鍵は自分の中にある – シュテファニー・シュタール, 繁田 香織

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