
かつて大晦日の恒例であった鉄道の終夜運転が、近年大幅に縮小している背景について、京急大師線を主軸に解説している動画が話題です。コロナ禍を契機とした初詣の分散化、人件費や保守コストの削減、および「働き方改革」に伴う乗務員確保の難しさなどが詳述されています。
初詣の参拝客数ランキングが、いつもお正月のニュースで報じられますが、上位常連には、次の神社仏閣があります。
明治神宮(東京都): 全国トップクラスの参拝者数を誇る、人気の高い神社。
川崎大師平間寺(神奈川県): 関東厄除け三大師の一つとして有名。
成田山新勝寺(千葉県): 真言宗の大きな寺院で、初詣客が多い。
浅草寺(東京都): 都内有数の歴史ある寺院で、多くの参拝者が訪れる。
伏見稲荷大社(京都府): 千本鳥居が有名で、全国的に人気。
伊勢神宮(三重県): 初詣の人気ランキングで上位に挙げられることが多い。
この、2番目の川崎大師平間寺(神奈川県)の参拝客を運ぶ、京急大師線が深夜運転をしない、ということが話題となり、YouTubeの動画にもなりました。
また、4番目の浅草寺(東京都)についても、東京メトロは終夜運転を行いません。 そのため、大晦日の深夜から元旦の早朝にかけて、電車で浅草寺へ行くことはできません。
このような状況になった背景には、単なる「コロナの影響」だけではない、鉄道会社の構造的な変化と私たちのライフスタイルの変化があります。
実施する路線もあるが深夜運転は激減
今日の情報源はここからです。
京急大師線が終夜運転をしない理由について、動画および京急電鉄の発表によると、主な理由は以下の3点に集約されます。
需要の減少と「分散参拝」の定着: コロナ禍を機に「初詣は元日の深夜(年越し直後)に行かなくてもよい」という意識が広まり、深夜の利用者が減少しました。
「日中」へのシフト(経営効率化): いつ来るかわからない深夜の客を待つためにコスト(人件費・光熱費)をかけるよりも、確実に需要がある「元日以降の日中」に列車を増発する方が効率的という経営判断です。
実際、京急大師線は終夜運転をやめる代わりに、1月1日の日中に約6分間隔という超過密ダイヤで増発を行い、多くの参拝客をスムーズに輸送する方針をとっています。
働き方改革: 深夜の乗務員や駅員を確保することが年々難しくなっており、従業員の負担を減らす目的もあります。
東京メトロも全線で終夜運転を行いません。
都営地下鉄も同様ですので、大晦日の深夜に浅草寺(浅草駅)へ直接乗り入れる地下鉄は動いていません。
この背景には、以下の事情があります。
「選択と集中」の流れ: かつてはサービスの一環として多くの路線で終夜運転を行っていましたが、現在は「確実に深夜需要がある路線」のみに絞られています。
実施する路線: 成田山への参拝客がいる京成・JR(成田方面)、高尾山の初日の出需要がある京王・JR(高尾方面)、明治神宮を通るJR山手線など。
実施しない路線: 地下鉄など、初日の出や特定の強力な深夜参拝スポットに直結しない、あるいは代替手段がある路線。
メンテナンス時間の確保: 特に地下鉄はトンネル内の点検やホームドア設置などの工事時間を確保する必要があり、終夜運転の中止はメンテナンスの観点からもメリットがあります。
初詣を元日に行う考えは廃れているのか?
「元旦の深夜(年越し直後)にこだわる必要はない」という考え方は確実に定着しています。
「二年参り」から「日中参拝」へ: 大晦日の夜から並ぶ「二年参り」よりも、元日の日中や、あるいは三が日を避けて松の内(1月7日頃まで)や12月中に済ませる「幸先詣(さいさきもうで)」など、混雑を避けて快適に参拝するスタイルが好まれるようになっています。
鉄道会社と参拝客の利害が一致: 「寒い深夜に無理して行きたくない参拝客」と「効率的に列車を動かしたい鉄道会社」の思惑が一致した結果、現在の形(終夜運転の縮小)に落ち着いたと言えます。
首都圏の鉄道会社が終夜運転を縮小または廃止した背景には、主に「参拝スタイルの変化(コロナ禍の影響)」「経営上の合理性とコスト意識の高まり」、そして「労働環境の変化」という3つの大きな要因があります。
これらは単なる一時的な自粛ではなく、鉄道会社と利用者の双方における意識の根本的な変化によるものです。
首都圏の終夜運転の廃止は、「24時間営業のファミリーレストランが、深夜営業をやめてランチタイムのスタッフを増やしたこと」に似ているといわれます。
昔は、お正月といえば深夜にお店(電車)が開いているのが当たり前でしたが、お客さんが来ない深夜に高い時給(コスト)を払って店を開けるよりも、お客さんが確実に来るお昼の時間帯にスタッフ(車両数や本数)を手厚く配置するほうが、お店にとってもお客さんにとってもメリットが大きいと判断されたわけです。
結論として、現在の運行形態は単なるサービス低下ではなく、時代のニーズに合わせた合理的で効率的な選択へと進化していると結論づけています。
私はもう、50年ぐらい初詣はしていませんが、子供の頃、川崎大師に深夜の初詣をしたときは、人の波で何も見えず、よく迷子にならなかったと思います。
みなさんは、時代のニーズに合わせた合理的で効率的な初詣計画はたてておられますか。
