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小松みゆき出産に「子どもが可愛そう」というのはヘイトスピーチ。子どもを生み育てるのは大変なことだがだからこそ祝える話

小松みゆき出産に「子どもが可愛そう」というヘイトスピーチは嫉妬の白状か。いずれにせよコロナ禍の過剰な自粛警察と同根

小松みゆきが49歳で出産したことが話題になっています。新しい生命の誕生を祝う一方で、茶化したり嫉妬したりするコメントもネット上にはあります。でも、さすがに「歳をとった親から生まれた子どもが可愛そう」というのはヘイトスピーチ以外の何物でもありませんよ。

不妊治療7年目、1000万円以上の費用をかけて懐妊

小松みゆきが18日、49歳8か月で、無事に第1子となる女児を出産したと所属事務所が発表しました。

母子ともに健康だといいます。

報道によれば、2009年に、38歳で8歳年下の一般男性と結婚。

しかし、子供に恵まれず、42歳頃に不妊治療を開始したといいます。

タイミング法、人工授精を経て高度不妊治療の顕微授精を何と14回以上行って、7年目にようやく妊娠。

かかった費用は1000万円以上に及んだそうですが、49歳8か月での出産は、全国約47万人にもおよぶといわれている不妊治療を受けている多くの患者に、「大きな勇気を与えることになりそうだ」(ENCOUNT編集部)ということです。


47万人にとっての希望の光ということか、ツイートも多くは「おめでとう」「励みになる」といったものが多いですね。

私も、小松みゆきさんが高齢で不妊治療の末、出産されたことも、世間に発信するのもすばらしいことだと思います。

ただ、Web掲示板やYahoo!のコメントは、これまで高齢出産というのは間違いなく炎上必発テーマになっており、今回も飽きもせず、パターン化された茶化しや中傷のコメントがありました。

ネガティブな発言には、おおむね大きく3つの傾向があります。

  1. ダウン症や染色体異常のリスクをもっともらしく懸念する
  2. 高齢出産でない出産経験者が上から目線でコメントする
  3. 子どもがいない人の嫉妬も含めて「子どもが可愛そう」と説教する

「1」は、生んた後よりもご懐妊の報道の時に多いですね。ここには誤解があります。

「2」の「上から目線」については、「自分のほうが早く結婚できたから、若くして出産できた。年取って子育てはお気の毒ねえ」というたぐいの話なんで、「だから?」という程度のくだらない中傷として捨て置いていでしょう。

「3」は、本当にそう信じ切ってお説教している人もいるようなので、一言しておきましょう。

ダウン症や染色体異常のリスクをもっともらしく懸念する

まず「1」ですが、たしかに母体が高齢になるほど、胎児のダウン症や染色体異常、また妊婦としてや生んだ後の子育ても含めての体力など、心配がましてくることは確かです。

ただし、勘違いしてはならないのは、若ければ無問題かと言うと、実はそんなことはない、ということです。

確率が増えるだけで、25歳の出産も、35歳の出産も、40歳の出産も、障碍のある子を生むかもしれないし、母体が危険にさらされるかもしれない点では同じなのです。

統計をとったわけではありませんが、特別支援学校の保護者は、普通学級と比べて特別歳をとっているわけではありません。

たとえば、第一子が障碍のある子を授かったが、それよりも高齢で生んでいる第二子、第三子はそうではなかった、ということなど、ごくありふれた話です。

いちいちそんなことを心配していたら、若くても妊娠出産はできません。

何を言いたいかと言うと、たとえいくつだろうが、妊娠出産子育てのリスクを踏まえて、それでも生もうと判断するかどうかはその人の価値観であり、第三者がとやかく意見するものではない、ということです。

ひとさまの人生に決めつけはいけません。

「子どもが可愛そう」と説教する

高齢で生んだら「子どもが可愛そう」と説教するコメントもお定まりです。

これはもう、「決めつけ」を通り越して、ただの「ヘイトスピーチ」です。

考えても見て下さい。

子どもがかわいそうかどうかなんて、そんなものは当事者の子どもの個々の内心の問題で、あなたが決めつけることではないでしょう。

「授業参観で年をとった保護者が来るのは恥ずかしいだろう」などと勝手に気を回すくだらないコメントもよく聞きますね。

一方では、そんなに歳をとってからでも自分のことを生み育ててくれたからこそ、両親に対していっそう感謝の気持ちを抱く、という正反対の立場からのお定まりの反論もあります。

ね、ですから人それぞれなんですよ。

いずれにしても、当事者の子にとっては、親の年齢は自分ではどうすることもできないのです。

ということはすなわち、民族や肌の色などと同様に、親の年齢をもってとやかく言うことはヘイトスピーチということです。

「話が長い女はだめだ、わきまえない女はよい」よりも、「かわいそう」と明らかにマウントとってる方が人としては罪深いと思いますよ。比較する話でもないですけどね。

そう、たぶん他人様に対して、マウントを取りたいと思っている人が、そういうことを言うんです。

そんな事を言う人は、低級でつまらない小さな人間です。

そして、フェアに生きることが出来ない弱い人間です。

誰が高齢出産しようが、あんたの生活に何の関係があるのか、という話ですから。

または、自分は子どもができなくて、悔しくてそうやってケチを付けたい人もいるかもしれませんね。

気持ちはわかります。

気の済むまで、自分の不幸を怨み悲しみましょう

でも、嫉妬で他人を中傷するのは、やめたほうが良いと思います。

嫉妬したら、子どもを授かれるんですか。

そんなことをしても、何も生み出さず、自分の心が荒むだけです。

小松みゆきさんだって、7年、1000万かけて頑張ったから、やっと授かったのです。

人生、やるか、やらないか、です。

医学的に絶対不可能ならもちろん別ですが、「妊娠しにくい」だけで不可能というわけではない段階のあなたは、それだけがんばったんですか。

嫉妬よりも、「あやかろう」と頑張るほうが建設的だと思いませんか。

がんばれない理由は、たとえば経済的なこととかあるかもしれません。

でもそれは、小松みゆきさんだって同じではないでしょうか。

決して、有り余るお金と時間があって、軽い気持ちで不妊治療していたわけではないと思います。

中傷をする前に、そこのところをよく考えてみて下さい。

ただし生む側もいい加減な覚悟ではいけない

ただし、生む側もいい加減な覚悟であってはならないと思います。

長く不妊治療をされている方はそんなことはないと思いますが、子どもを生み育てることを軽く考えているとしか思えない人がいます。

たとえば出生前診断。

障害児でも育てられるかどうか、を考えるきっかけとしてはいいかもしれませんが、私の本音としては、そこで産めないのなら、いずれにしても子育ては困難だと思います。

なぜなら、かりに健常児が生まれても、生まれた瞬間から成長する過程で、子は、というより人は中途障害のリスクに満ちているからです。

もし、中途障害になったらどうするんですか。

「こんなはずではなかった」と、放り出しちゃうんですか。

また、ダウン症ではなくても発達障害かどうかは、生まれた時はわからないですよね。

発達障害とわかったらどうするんですか。

かんたんに述べれば、障害児でもどんとこい、という気持ちでないと、子は産めないし、子育ても出来ません。

もしかりに、健常に育っても、病気や怪我で早逝するかもしれません。

なにか事件を起こして、その尻拭いに、あなたの人生を棒に振るかもしれません。

事程左様に、子どもを生み育てるということは、様々なリスクも考慮した上で結論を出すことです。

ですから、先程の「保護者会に出たときに云々」なんて、いずれにしてもバカバカしいほど些末な話です。

ちなみに私の妻は、43歳で次男を生んでいます。

不妊治療は一切していません。

出産前は、気の迷いでクアトロテストだけ受けましたが、羊水検査はしませんでした。

どうしてそんなに遅かったかというと、その前の38歳の出産が全前置胎盤で、母子ともに生命のリスクすらあったので、「こんなしんどい思いを妻にさせるのなら、もう次はやめたほうが良いのではないか」という葛藤の状態で何年も過ごしたからです。

それで結局、43歳になってしまったわけですが、妻に生んでもらってよかったと思っていますよ。

周囲からは、不妊治療もしないで、どうやって42歳で自然妊娠できたのかという質問を受けることがありますが(笑)それはもう、授かりものですから答えようがありません。

ただ少なくとも言えるのは、他者の妊娠出産を妬んでいるだけでは、何も解決しないということです。

確かに40代で孫を持つ人もいるけど、人は人。

それよりその子どもをどう育てるかが大事だと思っています。

小松みゆきさんも、きっと同じ思いでしょう。

周りが心配しなくても、年齢関係なく、母は強いです。

どうですか。

それでもあなたは、高齢出産を中傷したいですか。

そして高齢出産に限らず、子を生み育てたいと思っている方は、しっかりと将来のリスクも頭に入れた上でご判断下さい。

以上、小松みゆき出産に「子どもが可愛そう」というのはヘイトスピーチ。子どもを生み育てるのは大変なことだがだからこそ祝える話、でした。

43歳で母になる (コミックエッセイ) – すぎうら ゆう, 山本 恵


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