
2026年7月28日午後4時27分ごろ発生した熊本県熊本地方を震源とする地震で、宇城市などで震度7を観測しました。発生直後からSNS上では、被害の実態とは異なる情報が急速に拡散しています。
結論から言えば、こうした「災害デマ」は今回に限った話ではなく、過去の大規模災害でも繰り返し発生してきたパターンであり、生成AIの普及によってその質と拡散力が一段と高まっているというのが実情です。
何が起きているのか
地震発生後、X(旧ツイッター)では、地震を予測できると主張するアカウントが日本地図の画像とともに「予測を発表し、場所は的中した」などと投稿し、340万回以上閲覧されました。
とんでもないことが起きてます
この「南海地震予測所」というアカウントは
熊本で地震が起こる数時間前に
異常信号が出てるから気象庁で確認してほしいと
ポストしていたアカウントです地震をドンピシャ予測したアカウントが
凍結されて工作員たちが総攻撃しています何故でしょうね https://t.co/1422yFKvWt pic.twitter.com/jWFTPrIGQB
— ちえFX (@chie_FX) July 29, 2026
そのアカウントは凍結されたようです。
こうした投稿は事後的な調整(後付け)が容易で、科学的根拠のない「数打ちゃ当たる」手法が典型的です。
地震予知(特に日時・場所・規模を特定したもの)は現代科学では不可能とされています。
同時に「人工地震」などの陰謀論的な投稿も複数見られ、過去の災害画像を悪用したものも報告されました。
【注意喚起】熊本地震を「人工地震」、イオンモールの爆発を「核兵器」などとする戯言が反ワクチン・陰謀論アカウントの間で広がっています。デマ拡散に加担しないようにしてください。
大きな災害や事故のたびにこうしたデマを流すアカウントがあります。永久凍結などの厳しい措置を強く望みます pic.twitter.com/HVSQvjoC9J— 黒猫ドラネコ (@kurodoraneko15) July 28, 2026
公的機関(気象庁など)や信頼できる報道の情報を優先し、確信のない情報は拡散しないよう推奨されています。
さらに深刻なのは、実際には存在しない住所での偽の救助要請や、生成AIで作成した被害の様子だとする偽動画が広がっている点です。
NHKの報道によれば、こうした実態と異なる情報の拡散は、救助活動そのものに支障をきたしかねない状況になっているといいます。
ネット情報の真偽を検証する「日本ファクトチェックセンター」の古田大輔編集長は、今後、施設の爆発被害や城の被害などを絡めた偽の画像や動画が投稿される可能性を指摘したうえで、目を引く情報に触れた際は公的機関や報道機関の情報も踏まえて真偽を判断し、確信が持てない場合は拡散しないよう呼びかけています。
関東大震災の時と何も変わっていない日本人
これらは、過去の歴史に見られる人間の心理と完全に地続きにあるものだと私は思いました。
1923年(大正12年)9月1日に起きた関東大震災の際、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「放火して回っている」という根拠のないデマ(流言)が広がりました。
このデマは人々の恐怖と混乱につけ込み、多くの朝鮮人や中国人などが虐殺される悲劇を引き起こしました。
歴史的に、大きな災害や疫病、政治的混乱の際に、「特定の外国人」や「少数民族(マイノリティ)」がデマの標的となり、暴動や虐殺に発展した事例は世界中に数多く存在します。
以下、GoogleAIの見解です。
「歴史や国を問わず、人間は「原因が分からない恐怖」や「圧倒的な災難」に直面したとき、精神的なパニックに陥ります。
「予測不可能な自然現象」として受け入れるよりも、「人工地震だ」とか「悪者(外国人・国・秘密組織)の陰謀だ」という「誰かのせいにできるストーリー」を信じる方が、人間の脳にとっては理解しやすく、ある種の安心感(認知の安定)を得られます。
今回の熊本地震で噴出しているデマや陰謀論は、数百年・数千年前から人間が危機のたびに繰り返してきた「恐怖から逃れるために、犯人や理由を作り出す」という脆弱なメンタリティそのものです。
変わったのは、その人間の弱さを増幅し、さらには「お金儲け」の道具として自動拡散してしまうSNSのシステムが存在することです。私たちがこれに対抗するには、強い感情(驚き、怒り、恐怖)が動いたときほど指を止め、気象庁や自治体、NHKなどの公式な情報源を確認する という「現代の防災スキル」が不可欠になっています。」
ネトウヨや、歴史修正主義者たちは、日本人がいかに優しく礼儀正しいかというストーリーに日頃から熱中していますが、少なくともそれだけではなく「影」もある、ということです。
見分け方と向き合い方
対策として呼びかけられているのは、特別な技術ではなく地道な確認作業です。
具体的には、投稿元のアカウントが公的機関や報道機関かどうかを確認すること、同じ内容を複数の信頼できる情報源で照合すること、そして「確信が持てない情報は拡散しない」という基本を徹底することが挙げられます。
便利な情報収集手段であるSNSは、同時にデマの温床にもなり得るという二面性を、私たち自身が意識しておく必要がありそうです。
いつもの結論ですが、センセーショナルなポストやショート動画は、真に受けずに確認しましょう。
出典:
・読売新聞オンライン「熊本地震巡るデマがSNSで拡散」(2026年7月28日)
・NHKニュース「熊本地震 SNSで偽の救助要請 生成AIで作った偽動画も 注意を」(2026年7月29日)
・NHKニュース「【地震】熊本 SNSで偽情報や根拠ない情報が拡散 冷静な対応を」(2026年7月28日)
