2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い(Hagex著、アスキー新書)はご存知ですか

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2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い(Hagex著、アスキー新書)はご存知ですか

2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い(Hagex著、アスキー新書)

2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い(Hagex著、アスキー新書)はご存知ですか。それらに書かれている仰天書き込みが、実は読者をダマして楽しんでいる、いわゆる「ネット釣り師」の創作という話です。

『2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い』という長いタイトルの書籍は、Hagexさんがアスキー新書から上梓しています。

ネット掲示板に、反論や感動などを書きたくなるような、仰天のエピソードを投稿。

盛り上がる反応を楽しむ人たちを「釣り師」というそうです。

著者はエンターテイメントとしてそれらを楽しみながらも、ネットリテラシーを強くするためのほどよい訓練として、釣り師の見破り方について解説しています。

たとえば、2ch、発言小町、はてな、ヤフトピなどのネット掲示板で、「育児をする気がないから子供を預かってほしい」なんて書き込まれたら、「子どもを何だと思ってる!」なんて腹がたちますか。

少なくとも、ネット掲示板は荒れますよね。

書き込んでいる人は、トピ主を懲らしめたり、たしなめたりするつもりで書き込んでいるのかもしれませんが、ネットの向こうのトピ主からすると、「あーあ、ひっかかってやんの」と、腹を抱えて笑われているかもしれません。

そういう楽しみ方をしている人を、「ネット釣り師」というのだそうです。

日常に潜むちょっとしたことに、時事ネタ、社会倫理、生理的嫌悪感など、あらゆる要素を加味し、トライ&エラーの繰り返しで、日々先鋭化するネット釣り師達のスキルは実に巧妙だそうです。

しかし、「事実は小説より奇なり」といいますし、中には本当に悩みを書いている人もいるかもしれないので、突飛な話題は全部ウソだ、ともいいきれないですよね。

では、少なくともネット釣り師の疑いは、どこで見極めたらいいのでしょうか。

それを解説しているのが本書なのです。

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わざわざ無償で揉めるネタを投下する

私もネット掲示板は時々目を通しますが、個人的には、相談事や愚痴披露のような話題にはあまり興味がありません。

すべてを把握できるほどの情報が書かれているわけでないことに、ああだのこうだのとコメントを書いても不毛だと思うからです。

ただ、確かに釣り師と思われる人が、反論や感情的なコメントが必発と思える極端な書き込みをしているのはよく見かけます。

ただし、それは「炎上商法」とか、反応を何らかのマーケティングに活かす、調査や実験を行っているのかなと私は思っていました。

ところが、本書『ネット釣り師が人びとをとりこにする手口はこんなに凄い』によると、釣り師は金銭が伴うビジネスとしての場合もあるけれど、無償の場合のほうが大半といいます。

わざわざ無償で?

本書の第1章で著者は、「人から注目されたい」「イタズラ・ストレス解消・暇つぶし」「自分の文章力・釣り師としての実力を試したい」といった理由から釣り師をしていると分析しています。

ゼニカネを超えた、自分の名前こそ出ないけれど自己顕示欲なんですね。

第2章では、釣り師が好んで使う、フック(釣り針=人が話題に参加したくなるキーワード)が枚挙されています。

たとえば「対立系」では、男女対立、喫煙・非喫煙者対立、嫁・姑・舅・小姑対立、地域対立、職業対立、きのこの山・たけのこの里、携帯電話キャリア、理系・文系など。

「コンプレックス系」では、学歴、年収、ゆとり、容姿、老化、病気、就職、結婚、禿、体臭など。

「パーソナリティ系」では、童貞・処女、ニート、リア充など。

「社会系」では、社畜、DQNネーム、バカッター(「Twitter」のリテラシーがないユーザーの蔑称)、性的倒錯系 ○○男子・○○女子 少子化・晩婚化助長、移民、ネット右翼、韓流ブーム、マスコミ全般(とくにフジテレビ、朝日新聞、NHK)など。

そういうキーワードの入った創作エピソードには、簡単に食いついてくる、というのです。

なるほど、そういう話題になるとモメますね。

でも、ちょっと考えるとわかるのですが、それらは「ある」か「ない」かを客観的に白黒つける問題ではなく、意見や価値観の問題です。

しかも、世の中には双方の立場が必ず存在し、結論が出ない「対立」も少なくありません。

つまり、何を議論しても堂々巡り、小田原評定(結論の出ない議論)にしかならないものばかりということです。

釣り師がどうこうというより、そんな「議論」に参加するのは物好きという気がしないでもありません。

それで釣り師と見破れるのか?

第3章では、釣り師の創作ぶりを見破る方法が書かれています。

釣り師は、文章に特徴がある、自作自演をしていることがある、創作だから不自然である、一人の人物がいくつもの釣り書き込みをしているなどと推理して、具体的に文章のどこを見ればいいかを何点か指摘しています。

主なものは、

  • 句読点の打ち方
  • 表記(漢字と平仮名の組み合わせ方、カタカナ、音引きの書き方など)
  • 使う括弧(同一人物なら同じカッコを使う)
  • 誤字脱字(同一人物なら同じ間違いをする)
  • 格言・ことわざの誤用(同一人物なら同じ間違いをする)
  • 文体のブレ……です・ます調とである調の混同
  • 頻発する特定の単語

などです。

たとえば、「子ども」と書くか「子供」と書くか、「コンピューター」と書くか「コンピュータ」と書くかで、書き主のクセが出るというのです。

う~ん。

この指摘は、ちょっとどうかなあ。

私は釣り師ではありませんが、たとえばこのブログの記事を書く時でも、意識的にバラけた表記にすることがあります。

たとえば、蟹、かに、カニ。子供、子ども、こども、コンピュータ、コンピューターというように。

なぜかというと、検索エンジンで、「蟹」で検索する人にも「カニ」で検索する人にも「かに」で検索する人にもひっかかってもらえるようにと、表記を意識的に分散させるようにしているのです。

最近の検索エンジンは進化して、そこまで気を使わなくてもいいといわれていますが、実際に「蟹」と検索する時と、「カニ」で検索した時、引っかかるサイトの数は違います。

ですから、そうした表記の分散はまだ無意味ではないだろうと思います。

釣り師の中に、同じような考えを持つ人もいるかもしれません。

書き主のクセについても、私は推敲が苦手ですが、SEOを意識している人なら、同じ単語は使わず、意識的に別の表現にして、なるべく多くの検索語句でひっかかるようにします。

したがって、この著者の指摘は必ずしも正しくないと私は思います。

「誤字脱字」にしても、日本語辞書ソフトが同じものを使っていれば、同一人物ではない複数の人が「確率」を「確立」と間違うことだってないとはいえません。

「格言・ことわざの誤用」も、そうそう同じ格言やことわざを何度も使うわけではないでしょうから、否定はしませんが決め手にはならないと思います。

「文体のブレ」もどうかなあ。あえて文章にアクセントをつけるためにそうする場合もありますから、これも違うと思います。

著者の枚挙したことは、「釣り」の書き込みを分析してみると、そうした特徴があったというだけで、逆にそうした特徴があるものすべてが即「釣りの書き込み」とは限りません。

第4章では、釣り師かどうかの判定には、コミュニケーションをとることだ、とありますが、むしろその方が、文章の片言隻句で決めつけるよりも現実的ではないかと思います。

同書では、釣り師を怒らせて本音を引き出すなど、いくつかの方法を挙げています。

第5章では、ソフトウエアを使った捏造画像など見破り方を、第6章では「社会の釣り」であるネットのデマの見破り方、第8章では釣り師に話を聞いています。

どこに価値を感じるか

私が思うに、釣りか、釣りではないかを完全に見破るのは、少なくとも一般のユーザーにはむずかしいのではないかと思います。

釣り師でない“本当の書き込み”でも、多くの人に反応してもらいたいために、過剰な書き方をすることだってあるからです。

それ以前に、繰り返しになりますが、元の書き込みが釣り師であろうがなかろうが、しょせん議論のための議論なのだと見定め、そういうものには最初から関わらないことです。

ただ、もとの書き込みが釣りであろうがなかろうが、そこにつく「釣られた人のコメント」は、良し悪しは別として本当のことでしょう。

盛り上げるために、そこにも自作自演のコメントが入る可能性はありますが、釣ることが目的なら、少なくともすべてが自作自演ということはないでしょう。

ですから、もとの書き込みそれ自体ではなく、もとの書き込みのどの部分に、どういう理由でどう反応したのかに着目したほうが、そのやりとりから「本当のこと」は見えてくるかもしれません。

たとえば、「年収ン千万」なんていう元の書き込みが本当かどうかはわからなくても、それに対してやきもちを焼いたり、稼ぎ方を疑ったり、お金の使い方に意見したりと、いろいろなコメントがつくでしょうから、その現実を受け止めるというふうに……。

「社会の釣り」であるネットのデマは、たとえば新聞がどう取り上げているかなど、他媒体も見ておくこと。

政治的な話などはとくに、反対勢力の意見も受け止めてから判断することです。

自分の思想信条が右であれ左であれ、これをきちんとできるかどうかで、情弱に転落するかどうかが決まります。

たとえば、「私は保守だから○○新聞だけ」なんてことじゃダメなんです!

もとより○○新聞が無謬とは限りません。

そうやって、自分軸で判断しないと、スマイリーキクチさん事件のような冤罪に加担することになりますよ。

釣り師がどう出ようが、まずは釣られないための姿勢が自分にできているかどうか、もう1度考えてみる必要があると思いました。

以上、2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い(Hagex著、アスキー新書)はご存知ですか、でした。

2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い (アスキー新書) - Hagex
2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い (アスキー新書) – Hagex

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