宇都宮・猟銃殺傷事件(散弾銃隣人殺傷事件、2002年)を漫画化した『衝撃!隣りのオヤジに銃殺された主婦』(神崎順子著、ユサブル)

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宇都宮・猟銃殺傷事件(散弾銃隣人殺傷事件、2002年)を漫画化した『衝撃!隣りのオヤジに銃殺された主婦』(神崎順子著、ユサブル)

宇都宮・猟銃殺傷事件(散弾銃隣人殺傷事件、2002年)を漫画化した『衝撃!隣りのオヤジに銃殺された主婦』(神崎順子著、ユサブル)。隣家との諍いに、許可制の散弾銃を入手するという常軌を逸した事件は、遺族の粘り強い戦いで一定の弔いを果たしました。

『衝撃!隣りのオヤジに銃殺された主婦』は、神崎順子さんの漫画で、ユサブルから出版されています。

2002年7月4日に栃木県宇都宮市に発生した、宇都宮・猟銃殺傷事件、散弾銃隣人殺傷事件ともいわれている殺傷事件を漫画化しました。

単独の書籍は有料ですが、他作品との合冊である『ザ・女の事件』【合冊版】Vol.1-5 (スキャンダラス・レディース・シリーズ、Kindle版)は2022年10月8日現在、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。

WikiPediaでは、加害者、被害者ともイニシャルになっていますが、漫画では、被害者は田代泰子(60)、原つね子(52)、加害者は高山正彦(62)と設定されています。

被害者は、義理の姉妹です。

高山正彦が、隣家の主婦・田代泰子を所有していた猟銃(散弾銃)で射殺したのです。

さらに、騒ぎを聞きつけてやってきた近所の義妹・原つね子も撃たれ、一命はとりとめたものの、片目眼球摘出という重傷を負いました。

そして、犯人・高山は銃で自殺。

なんの責任も取らないまま、被疑者死亡で書類送検となり幕を下ろしました。

そこまでエスカレートした背景には、高山夫人が倒れたため、介護疲れとともに、妻が倒れたのは田代が追い詰めたと思い込んだことにもあるようです。

Amazonの販売ページには、衝撃と戦慄の長編ドキュメント!と宣伝されています。

この事件のキーワードは、

銃事件(散弾銃)
隣家との争い
警察の怠慢
介護

といったことが挙げられます。

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警察は27回以上の110番を黙殺した!

登場人物名は本書に従います。

本書は、まず事件の瞬間から描いています。

隣家の夫が、散弾銃で夫人と義妹を撃ち、自らも自殺しました。

そして、テレビのワイドショーが連日報道しています。

凶行の原因は何なのか。

犯人の高山とはどういう人間なのか。

隣り同士にありながらなぜこういうことになったのか。

人々の関心を引き付けた、と書かれています。

高山は、地元宇都宮市出身。

男6人、女4人の10人兄弟の下から2番目の子として育ち、16歳でいったんは東京で就職したものの退職。

その後、地元の工業製作所で30年間従業員として働き、被害者である田代泰子の夫は同じ職場に勤務しており、高山の11年後輩に当たるそうです。

ですから、田代家と高山家は、まず世代が違う、ということを見ておく必要があります。

1978年、田代家と高山家は栃木県宇都宮市にそれぞれ家を購入します。

当初はトラブルもなく一般的なご近所だったそうです。

妻同士が、庭で世間話をすることも日常的でしたが、そのうち被害者の田代宅に、加害者の高山夫人が上がり込むようになりました。

田代泰子さんは専業集でしたが、高山夫人がやってくるたびに家事の手を止めなければなりませんでした。

そのうち、高山夫人が台所に入り、勝手に冷蔵庫を開けるなどなしくずしにエスカレートした様子が本書には描かれています。

どんなに親しい関係のつもりかわかりませんが、しょせんは「ご近所」の付き合いに過ぎず、やはりそれはやりすぎです。

そこで、我慢できずに被害者の田代泰子さんがクレームを付けたとろ、高山夫人は逆ギレしてしまいました。

以来、両家の関係は悪くなってしまったわけです。

てすから、もともと両成敗するものではなく、発端は明らかに加害者側である高山のほうが悪かったのです。

近所の人って、付き合ってみたらトンデモなかった、という場合もありますから、家に上げるのは気をつけたほうがいいですね。

ダメ押しとなったのは、高山夫人が田代泰子さんに来たはがきを読んでしまったこと。

これもまずいですよ。

漫画では、はがきだから読めてしまったと高山夫人は言い張っていますが、たとえそうだとしても、読んでしまったことは黙っているのがエチケットでしょう。

要するに、高山夫人はかなり下品な人だったのだと私は解しました。

たぶん、高山家のほうが年配であり、にもかかわらず同じような家に住むことで、高山夫人は内心コンプレックスのようなものがあったのではないかと思います。

つまり、自分のほうが人生設計が10年遅れているという気持ちですね。

で、たぶん高山は学歴もなかったのでしょう。

そのこともあり、自分が歳上であることでマウンティングしなければ、という気持ちもあったのかもしれません。

いずれにしても私なら、こういう下品な夫婦はご免被りたいタイプです。

まあ、そういう人ですと、話をすればなんとなくわかるような気がしますが、被害者の田代泰子さんは年下であることから、断れなかったのかもしれませんね。

私もどちらかというと、断れないタイプですが、そういうときは、かりに陰口をいわれたとしても、最初からご近所づきあいは最低限にしておきます。

「付き合いが悪い」ことによる陰口よりも、中途半端に付き合ってから決裂しての陰口のほうが、より深刻なものになってしまいますから。

それ以後、なんと20年にわたって両家は張り合います。

たとえば、一方が車を買えば、他方も負けずに買う。

一方が屋根を直すなどリフォームすれば、他方も行う、というように。

もちろん、質(値段)も張り合ったんでしょう。

これは、田代さんも大人気なかったと思います。

下品な人の土俵に立ったら、自分も下品になってしまうことを考えるべきでした。

もとは高山夫人の下品さから始まったことなのに、第三者からは「どっちもどっち」と見られてしまいます。

無責任な日本人大衆は、観念論的な「両成敗」が好きですからね。

そのうちに、高山夫人が脳梗塞で倒れてしまいます。

長男はいたものの、介護役はもっはら夫。

高山夫人の退院祝いを、ご近所で持っていったときに、高山が田代さんに「あんた、今、笑ったな」と難癖をつけます。

「やだ、誤解よ。いくら何でも」

「いいや笑った!なんてやつだ。人の不幸がそんなに面白いか!!」

そう決めつけられてもねえ。

ただ、一人で介護していると、だんだん気持ちが追い詰められてくるんですよね。

高山は、ずいぶんひどいことをしています。

枝が出ていると言って勝手に切ったり、犬の糞を庭に放り投げたり、台所に盗聴器を仕掛けたり。ひき逃げ未遂を行ったり。

いくらエキサイトしていても、明らかな犯罪でしょう。

田代泰子さんのところでは、警察に何度も相談したようですが、被害届を出さないように誘導するなど、明らかに怠慢です。

110番通報だけでも27回を超えたそうです。

これで警察が動かないのなら、公安委員会に連絡すればよかったですね。

警察の不作為や初動捜査の誤りによって、防げたかもしれない事件や冤罪事件などが、いったいいくつあるのでしょうか。

田代泰子さんは、その時から高山の散弾銃所持のことは知っていて心配していたようです。

ストレスで小脳梗塞になったそうですから。

本書によると、2002年6月に県公安委員会から許可されると、高山はすぐに市内の銃砲店で散弾銃と銃弾250発を購入しているといいます。

そして、翌月に事件ですから、たぶん最初から「使う気」だったんでしょう。

7月、隣家から布団をパンパンという音。

高山は、もうがまんできないと散弾銃で……

いくら介護が大変だからといって、ひき逃げだの散弾銃だの、隣家との張り合いの限度を超えています。

繰り返しますが、警察の落ち度でしょう。

宇都宮2人殺傷は猟銃許可が原因、地裁が栃木県に賠償命令

ネットには、今もこのニュースを見ることができます。

文字に起こします。

宇都宮市で2002年7月、主婦2人が近所の男に撃たれた散弾銃殺傷事件を巡り、栃木県公安委員会が男に猟銃所持を許可したのは違法だったなどとして、殺害された田中公子さん(当時60歳)の遺族と負傷した主婦らが県、当時の県公安委員長、当時の宇都宮南署生活安全課長ら署員2人に総額7700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、宇都宮地裁であった。

 福島節男裁判長は許可申請について「田中さんの殺傷が目的」と認定した上で、「近所とのトラブルなどの事実関係について事前に十分な調査と検討をせずに許可しており、職務行為の違反、過失の程度は相当大きい」と署員の怠慢を指摘し、県に4700万円を支払うよう命じた。

まあ、4700万円もらっても、亡くなった人は帰ってきませんが、警察の怠慢に泣き寝入りせず、粘り強くけじめを求めたことは大変良かったと思います。

義妹さんの心臓や脊髄(せきずい)の周辺には、摘出できない散弾が今も数十発残り、左目失明や左半身マヒなどの後遺症もあり、車いすで入廷したそうです。

ほんと、酷い話です。

お互い、隣家には気をつけましょう。

以上、宇都宮・猟銃殺傷事件(散弾銃隣人殺傷事件、2002年)を漫画化した『衝撃!隣りのオヤジに銃殺された主婦』(神崎順子著、ユサブル)、でした。

衝撃!隣りのオヤジに銃殺された主婦/ザ・女の事件Vol.1 (スキャンダラス・レディース・シリーズ) - 神崎 順子
衝撃!隣りのオヤジに銃殺された主婦/ザ・女の事件Vol.1 (スキャンダラス・レディース・シリーズ) – 神崎 順子

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