中学生から知っておきたい！悪い大人にお金をだまし取られない全知識（イケダハヤト著）は、情報弱者を狙った「ネットの詐欺」解説です。怪しい投資案件、フィッシング、なりすまし、謎のプレゼントなど、サイトやメールを使った詐欺を教えてくれます。
『中学生から知っておきたい！悪い大人にお金をだまし取られない全知識 Kindle版』は、イケダハヤトさんが、主婦の友社から上梓したKindle版です。
ネットを使った、明らかに怪しいものから、合法だけれどお金をごそっと持っていかれるものまで幅広く、全部の知識を披露します。
AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
そのメール、開けて大丈夫ですか？
第1章では、「誰も教えてくれない、IT長者を狙う詐欺の手法」がいくつか紹介されています。
いくつかご紹介します。
スマホに謎の着信～国際ワン切り詐欺～
スマホに、よくわからない番号からの着信があった時は、注意が必要という話です。
「国際ワン切り詐欺」は、「＋」で始まる番号のワン切りに出ていしまうと、高額な通話料金の請求があり得るといいます。
電話をかけてくる業者は、100人に1人でも折り返してくれれば「もとが取れる」とか。
見に覚えのない国際電話には出ないことです。
メールによるフィッシング詐欺
フィッシング。
詐欺師は、メールであなたをつろうとしています。
メールの中に、Amazonやカード会社などから、いきなり「アカウントを停止する」「停止している」といったメールは来ませんか。
焦ったあなたが、そのメールに従ってリンクをクリックし、メールアドレスやパスワードなどを入力してしまったら大変です。
個人情報は盗まれてしまいます。
「しかし、Amazonや、実際に持っているカードの会社名を名乗られると、本物かどうか心配になってしまう」
という方もいらっしゃるでしょう。
イケダハヤトさんは、見分けるポイントとして、ログインしようとしているサイトのURLや、メールアドレスなどは正しいのか、メールの文章は日本語としておかしくないかなどを見ることが大事といいます。
その手のメールは、私もよく来ますが、たとえばこのメール。
まず、メールアドレスがおかしいですよね。
「配信しない」を希望している人には、普通はメールは来ません。
こうしたメールが巧妙で、個人情報を入力してしまうこともないとはいえません。
その場合は、「2段階認証」を利用するといいといいます。
「2段階認証」とは、IDとパスワードだけでは入れず、その都度ワンタイムパスワードを発行するのです。
これは本人しかとれないものなので、大丈夫というわけです。
芸能人なりすまし詐欺
芸能人名のメールって来ませんか。
あなたが、芸能関係者や個人的に芸能人との付き合いがあるのなら別ですが、一般のファンにわざわざ芸能人がメールを出すと思いますか。
……とは思いながらも、ひとまず返信して様子を見ようと思いませんか。
「なにかの間違いでは？ でもメールいただけて嬉しかったです。応援しています」
なんて返信してしまいませんか。
それ、ダメです（笑）
本書によると、メールを往復して、親密になってから「あなたとメールしていたことが、事務所にバレてしまいました。ここから先は、事務所後任のサイトで会話しませんか？」と、有料のチャットサービスに誘導されるそうです。
「こちらの手違いでご迷惑をおかけしました。お詫びも兼ねて、サインとグッズを送りますからご住所を……」なんて個人情報まで取りに来るかも知れません。
本書は、そんなメールは「無視」するのみ、としています。
私は、これも、少しケースは違いますが経験があります。
ある日、私はテレビドラマの『あさひが丘の大統領』を見ていました。
そのとき、生徒役を演じた一人は、蟹江吾郎こと大村波彦さん。
俳優の宮内淳さん70歳が8月14日に亡くなられていたことを先ほど知りました。
私は太陽にほえろ?のボンボン刑事より、学園ドラマ最終作のあさひが丘の大統領の破天荒教師 ハンソク先生の印象が強いですね。毎週見てましたね。
太陽よりも、裏番組の猪木のプロレスを見てました
ハンソク先生 合掌?? pic.twitter.com/oZ6ImzDZPR— マイティー (@ikegami1974) September 6, 2020
このポスターでは、後ろの男子生徒の向かって一番右がカニエ君ですね。
ドラマを見終わり、パソコンのメールソフトを立ち上げたところ、なんと受信したメールの一つの差出人の名前が「大村波彦」とあったのです。
ドラマを見終わったばかりで、自分もあさひが丘学園の生徒の一人になりきっていた私は、「あれ、どうしたの？カニエ」と、すっかり同級生気取りであやうくメールを開けるところでした。
いや、一応、開ける寸前で、「いやいや、あれはドラマだった」と気づいたもので大事には至りませんでした（笑）。
ただ、この話には続きがあって、その後、ツイッターにその経験をツイートしようとすると、なんと、大村波彦さんが、「アカウントを乗っ取られました」とツイートしていました。
たんに「大村波彦」を名乗っただけでなく、そもそも大村波彦さんのツイッターアカウントまでのっとっていたというわけです。
私は一応、大村波彦さんに、こういうメールが来たと報告。
大村波彦さんには、「ご迷惑おかけしました」と謝っていただいたのですが、別に大村波彦さんが謝る話ではなく、やっぱりのっとったやつが悪いですよね。
国際ロマンス詐欺
近年、問題になっているのが国際ロマンス詐欺です。
ある日、あなたのSNSのメッセージボックスに、見知らぬ外国人男性から友達申請が来ていました。
不審に思ったあなたが「どうして私？」と質問を送ると、「スズキさんが、あなたのことを教えてくれた」と。
すると、あなたが、わざわざ相手に回答を与えるように、「〇〇のスズキさんですか」と返すと、先方はしめたとばかりに、「そうです。そのスズキさんです」
それでも気づかないあなたは、「なんだ、そうだったんですか」と納得して、その外国人男性との交流が始まります。
そして、いよいよその男性が日本に来ることになったものの、「空港でお金を没収された」とのことで、送金を求められる。
あなたは、騙されてお金を取られる、という段取りです。
本書では、「見知らぬ外国人からの突然のメッセージが来る」「恋愛関係をにおわせる」「高額な送金を依頼される」点が共通しているそうです。
私だったら、わざと存在しない「△△の鈴木さんかな？」とカマをかけてみるのもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
法的には合法でも無駄にお金を取られてしまうことはあります
上記のことは、不法行為によるものですが、世の中には合法的にお金を取られてしまう仕組みもあります。
たとえば、イケダハヤトさんは「リボ払い」を真っ先に挙げています。
要するに、リボ払いは利息が高く付くのですが、情報弱者はそこに気づかず利用してしまうわけです。
リボ払い自体は合法です。
しかし、使う人は高い金利をむしり取られてしまうわけです。
スマホ料金が、大手キャリアは割高なことも指摘しています。
NTTドコモ、au、SoftBankなどです。
格安SIMを使えば、大手キャリアの半額程度で使えるとしています。
まあ、これは菅前首相の肝いりで、料金体系は現在だいぶ変わりました。
が、「MVNO」と呼ばれるSIMのサービスを提供している事業者は、docomo・auなどの大手携帯キャリアから回線を借りているため、低価格でも通信エリアはキャリアと同じです。
値下げやサービスの追加などにより柔軟に対応するのが、格安SIMの方であることはかわりないので、大手キャリアでなければならない特別な理由でもない限りは、格安SIMを選んだほうがいいように思います。
月々定額が引き落とされる「サブスク（リプション）」も、加入したまま、たいして使わずに放置しているのはお金の無駄だと警告しています。
高額の儲かる系情報商材も注意が必要です。
ただちに詐欺というわけではないのですが、「1日僅かな作業で高額収入」とか、おいしい言葉にのらないようにしましょう。
その商材の販売者が成功しているのが事実だとしても、その人はきっと、儲かる手法を編み出すために、相当な作業量をこなして苦労をしているはずです。
ウラれている情報は、しょせん、あなたが頑張るためのヒントなり、見本なりの意味しかなく、結局成功できるかどうかはあなたの努力次第なのです。
本書によると、合法非合法含めて、いちばん騙されやすいのは50代女性といいます。
ということで、本書は50代女性の方、必見です。
なお、イケダハヤトさんについては、以前、『なぜ僕は「炎上」を恐れないのか 年500万円稼ぐプロブロガーの仕事術』（光文社新書）をご紹介したことがあります。
今は「ブログはオワコン」というイケハヤさんですが、YouTuberやインフルエンサーにも通じる「ネット有名人」の真髄が書かれています。
以上、中学生から知っておきたい！悪い大人にお金をだまし取られない全知識（イケダハヤト著）は、情報弱者を狙った「ネットの詐欺」解説、でした。
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