ガンになったら最初に絶対に読みたい本 安保徹・福田稔、著作ガイドブック(本多仁著/イラスト)は、爪もみ健康法の案内書

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ガンになったら最初に絶対に読みたい本 安保徹・福田稔、著作ガイドブック(本多仁著/イラスト)は、爪もみ健康法の案内書

ガンになったら最初に絶対に読みたい本 安保徹・福田稔、著作ガイドブック(本多仁著/イラスト)は、爪もみ健康法の案内書です。『爪もみ健康法』が抗がん健康法であると標榜していた「福田安保理論」の概説と関連書籍の紹介です。

福田安保理論、というのがひところ話題になりました。

具体的には、自律神経免疫療法、井穴刺絡療法、爪もみ療法などという呼び方で実践されています。

爪の付け根を刺激することで末梢神経を刺激することになり、それが自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを調整することで、健康を保つとする療法です。

具体的には、副交感神経を優位にすることで、白血球中の構成を、リンパ球優位にして、体内を改善していくというものです。

血液は全身をくまなく巡っている命綱ですが、大きく分けると血球(赤血球、白血球、血小板)と血漿(液体部分)から成りたっています。

この白血球は、主に好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球の5種類があります。

このうち、感染症のような、主に外からの菌やウイルスによる攻撃と闘うのは好中球です。

一方、体内の病気細胞と戦うのはリンパ球です。

先程の話に戻ると、要するに爪もみをすることで、リンパ球が増える。

それで病気を改善していこう、という考え方です。

リンパ球は、血液中にある全白血球の20~40%を占めているといわれます。

まあ、多くの人は20%台です。

それを、爪もみで40%、さらにはそれ以上に引き上げようということです。

その健康法についての概説と、関連書籍の紹介をしているのが、本書『ガンになったら最初に絶対に読みたい本 安保徹・福田稔、著作ガイドブック』です。

本書は2023年4月23日現在、KindleUnlimitedの読み放題リストに含まれています。

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交感神経と副交感神経のバランスが崩れると病気になる

『爪もみ健康法』が抗がん健康法であると標榜していた「福田安保理論」。

提唱者の福田稔医師の著書によると、ゴルフ日和の天気が良い日になると、虫垂炎患者が病院に担ぎ込まれてゴルフができないことから、自律神経のバランスが崩れることで、免疫力が低下して発病することに気づいたといいます。

高気圧の日(天気の良い日、日中)には交感神経が優位で血液中に顆粒球が増え、低気圧の日(もしくは夜間)には副交感神経が優位になりリンパ球が増えること、そして前者が脈が速いことなどを発見。

交感神経が血管を収縮させ、血圧や脈拍を上昇させる。副交感神経はその逆。

著者の本多仁さんによると、顆粒球とリンパ球がそれぞれ交感神経と副交感神経支配に入っているということを発見したといいます。

日常的にストレスが溜まると、交感神経の緊張状態が続き、血流が悪くなり低体温になる。

リンパ球の活性も悪くなり、顆粒球が増える。

顆粒球は死滅する前に放つ活性酸素が細胞を痛めつけ、がんや様々な疾患が生じるといいます。

一方、インフルエンザで発熱するのは、リンパ球の活性が高まる温度が38.5度~39.5度だからといい、要するに発熱でリンパ球が病気を直しているといいます。

そこで、ストレスを減少させる生活によって副交感神経を優位にすることが健康に導く。

散歩やストレッチ、温かい食事、深呼吸、落語やお笑いで大いに笑う、そして、自律神経免疫療法を行おう、という内容です。

福田安保理論、自律神経免疫療法の問題点

ということですが、まあ結論から書きますと、自律神経免疫療法の学会が立ち上げられてから30年ぐらいたっていますが、施術者も、歯科医を含めた開業医で、大学病院などが採用したという話は聞きません。

ですから、少なくとも、がんを治療する決め手にはなっていません。

と書くと、「いや、それは従来療法にこだわる既得権者が危機感を持っているからだ」

なんて「陰謀論」になっちゃうんですよね。

実際に、安保徹さんが亡くなったときは、そういう話になりましたから。

『爪もみ健康法』が抗がん健康法であると標榜していた「福田安保理論」。その提案者である安保徹さんの訃報が地味なことが話題
『爪もみ健康法』が抗がん健康法であると標榜していた「福田安保理論」。その提案者である安保徹さんの訃報が地味なことが話題になっている。まるで抗がん剤業者と戦う勇士が、抹殺されたかのような評価も一部ではあり憶測も呼んでいるのだ。

まるで抗がん剤業者と戦う勇士が、抹殺されたかのような評価も一部ではあり憶測も呼んだわけです。

ただね、かりにそういう「抵抗」があったとしてもですよ、この福田安保理論、自律神経免疫療法が万能だったら、権威ある雑誌に論文を発表すれば済む話ですから。

患者のデータ、たとえば「爪もみ」と「リンパ球数」と「がんの画像やがんマーカー値」などを実証的に比べる論文を出すだけの話ですから。

爪もみによってリンパ球が増え、がんが縮小していった、ということを実証したら、もう誰にも否定はできませんから。

それが30年経っても1件も出てこないんですからね。

私も拙著『健康情報・本当の話』でこの療法を取り上げたので、当時文献を集めましたが、民間の健康雑誌に、大雑把な経過が書かれているだけなんですよね、爪もみによるリンパ球数の僅かな増加の経過が。

それで、対象も、経過の比較的緩やかな、前立腺がんとか大腸がんとかね。

膵臓がんとか食道がんとか、比較的難治性のものは出てこないのです。

もちろん、難しいがんには無理でも、予後の比較的緩やかながんなら適応がある、というだけでも、それが事実なら価値はありますけどね。

ただ、いずれにしても、福田安保理論、自律神経免疫療法には「価値」に対するエビデンスは確立していません。

理由は、トーシロの私ですらわかることだけでも2点。

  1. 画像上見えるほどになった大きながんは、リンパ球の調整では間に合わなくなっている
  2. がんの原因をストレスのみに限定しているが、遺伝、ピロリ菌、ウイルスなど、ストレスを解消するだけではどうにもならない原因も明白になっている

といったことはあると思います。

そもそも、「がん」というのは総称で、部位ごとのがんは本来独立した別の病気ですから、原因や対処法が変わっても何ら不思議ではありません。

「ストレス」だけで済ませるような軽いものではないでしょう。

実際に、数字が改善するかどうかわからない爪もみの日々でストレスを貯めているより、ピロリ菌の除菌を受けたほうが改善する確率はよほど高いでしょう。

「ストレス」というのは、ワン・オブ・ゼムであり、そのワンの影響力がどのくらいかはいちがいにいえない、ということだと思います。

たとえば、腰痛などに対する湿布薬を、安保徹さんは、「インドメタシンはリンパ球が減って免疫力が下がるからダメだ」と紋切り型に否定してしましたが、もし病気の原因が「ストレス」というのなら、痛みを止めないことによるストレスに導くことは矛盾しているでしょう。

もっとひどいのは、末期患者のモルヒネを否定したことです。

「がんの痛みは治癒反応であり、痛み止めは交感神経を優位にする」という持論から、胆管がんで亡くなった毎日新聞の新山記者が、セカンドオピニオンで安保徹さんと話をした際、モルヒネの使用を禁じられたことを生前の最後のブログで綴っていました。

安保徹さんは、末期患者のわずかな寿命を、ストレスを軽減しないことでさらに縮めたのです。

これはすべて、「ストレス」と「免疫力」だけですべてを語ろうとすることの論理破綻です。

もちろん、こんかいこうやってご紹介しているのは、全否定するためではありません。

実は私は、この治療法を知る前、というかそもそもこの治療法が確立する前から、無意識のうちに、封筒の角など、適度な硬さの角を、爪の生え際にあてる癖がありました。

緊張したり、考え事をしたりすると、それを行うのです。

そうやって、無意識のうちに末梢神経を刺激して、自律神経をコントールしていたんですね。

ですから、少なくとも個人的にはこの健康法の意義はあるかもしれないと思っています。

それだけに、誇大なトンデモ宣伝で、認めるべきところまで含めて全否定されてしまうようなことは、もったいない話だと思うわけです。

私は、今のところ、この療法はがん治療のためではなく、がんでない人の日常的な生体反応の維持・向上を目的とするものだと思います。

ですから、いったんがんとなり治療を行うときは、この療法を根拠にして、現時点での最良のがん治療から逃げるべきではないと思います。

もう一度繰り返しますが、どういう治療をするかは、患者の事情と心境によりますが、私は少なくとも通常治療から全面的に逃げることはしないけれども、日常的に自律神経免疫療法による爪もみは行う、という生活スタイルを貫きたいと思っています。

以上、ガンになったら最初に絶対に読みたい本 安保徹・福田稔、著作ガイドブック(本多仁著/イラスト)は、爪もみ健康法の案内書、でした。

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