イアン・スティーヴンソン編、今村光一訳『前世を記憶する20人の子供』(叢文社、1980年)は学問として「前世」を調べた記録

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イアン・スティーヴンソン編、今村光一訳『前世を記憶する20人の子供』(叢文社、1980年)は、学問として「前世」を調べた記録

イアン・スティーヴンソン編、今村光一訳『前世を記憶する20人の子供』(叢文社、1980年)は、学問として「前世」を調べた記録です。イアン・スティーヴンソン博士が記録した、「前世」を証言する人々の衝撃的な真実を全717ページにまとめています。

「自分はかつて、別の場所で別の誰かとして生きていた」

もし、幼い子供がそう語り始めたら、あなたはどう反応するでしょうか。

多くの人はそれを子供特有の空想、あるいは情報の混濁として片付けてしまうかもしれません。

しかし、バージニア大学の、イアン・スティーヴンソン医学博士(精神科医)は、数十年にわたりこうした事例を「科学」の対象として厳格に調査し続けました。

その事例を網羅したのが本書ですが、特にインドの女性スワーンラタのケースに焦点を当てています。

彼女は幼少期から、かつて別の町で生活していたビヤという女性としての記憶を詳細に語り、その正確さは親族や専門家を驚かせました。

全体を通して、個人の意識が肉体を超えて受け継がれる可能性を、豊富な証言と調査データによって浮き彫りにした学術的な報告書となっています。

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スワーンラタが奏でる「未習得の旋律」

インドのチャタラプールに生まれたスワーンラタ・ミシュラは、スワーンラタは1948年3月2日、インドのチャタラプールという街で生まれました。

彼女が3歳半の時、父親と一緒にカトニ市という街(彼女の住む街から南へ約170マイル離れた場所)を通りかかった際、突然「あたしの家へ行こう」と言い出し、前世の記憶を語り始めました。

彼女によると、自分の前世は、カトニ市にある名家「パサク家」の娘であり、名前は「ビヤ」だったと主張しました。ビヤは1939年に死亡した実在の女性でした。

つまり、スワーンラタはビヤ没後、9年たった生まれ変わりということになります

スワーンラタは、「家は白色で黒いドアがあり、鉄のかんぬきがあった」「家の隣には女学校があった」「近くに石灰工場や鉄道線路があった」など、ビヤが住んでいた家の特徴や周辺環境を極めて正確に描写しました。

彼女の言葉に興味を持った研究者(バナージー教授)が調査を行った後、1959年の夏にパサク家の人々(ビヤの弟や夫など)が、身分を隠してスワーンラタの家を抜き打ちで訪問しました。

しかし、スワーンラタは彼らが誰であるかを正確に見抜き、ビヤとしてふさわしい親しげな態度や愛称で接しました。

さらに、スワーンラタは、ビヤの夫だった人に対して、「あなたは、あたしが箱にしまっておいたお金1200ルピーをとったことがあった」と、夫婦しか知り得ない隠し財産について暴露し、周囲を驚愕させました。

夫も、今更バラされてあせったでしょうね。

驚くべきことに、スワーンラタはビヤとしての記憶だけでなく、アッサム州シレット(現在のバングラデシュ)で、「カムレッシュ」という少女として生きた、もう一つの前世の記憶も持っていました。

彼女は、現在の家族が全く知らない「ベンガル語」の歌や踊りを流暢に披露し、これらが実際にベンガル地方の歌や詩であることが後に確認されました。

前世の記憶は成長とともに失われる!?

実は、これまで前世を記憶するとされる子は、彼女だけではなく何人もいましたが、成長とともに記憶を失っていきました。

ところが、スワーンラタは大人になっても記憶を保ち続けたのです。

彼女は植物学を修めて大学講師となり、結婚して自身の家庭を築きました。

一方で、前世の家族であるパサク家からも、「ビヤの生まれ変わり」として完全に受け入れられ、生涯にわたって両家を行き来しながら深い愛情関係を築きました。

このように、スワーンラタの事例は、詳細で正確な情報、全く面識のない他人の特定、さらには前世の特技(ベンガル語の歌や踊り)の再現など、多くの要素が複雑に絡み合った非常に特異で信憑性の高いケースとして記録されています。

興味深い例だが決定的証拠とまでは認められていない

前世を調べている科学者は、「前世が証明された」と主張しているわけではなく、「現在知られている心理学や偶然だけでは説明が難しい事例が存在する」と、慎重な表現をしています。

この問題は、学術的には、「医学や心理学ですべて説明できる」とも、「前世を前提としてしか説明できない」とも結論されていません

主流の心理学や認知科学の研究者は、通常、前世という仮説を採用しなくても説明できる可能性があるなら、まずそちらを検討する、という立場をとります。

しかし、世界中の事例の一つ一つについて、完全に説明がついたと主張しているわけでもありません。

そのため、現在の学術的な結論は、

前世の記憶を語る子どもは実際に存在する。
その中には興味深い事例もある。
しかし前世の実在を証明する決定的証拠はない。
かといって全事例が完全に「前世ではない」と解明されたわけでもない。

と、どちらともいえないままの状態なのです。

しかし、21世紀に入り、脳科学は飛躍的な発展を遂げているので、いずれ進展はあるのではないかと私は期待しています。

みなさんは前世について、どう思われますか。

前世を記憶する20人の子供 叢文社 今村 光一
前世を記憶する20人の子供 叢文社 今村 光一

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