100円ショップの会計学-決算書で読む「儲け」のからくり(増田茂行著、祥伝社)は、「100円ショップ」の儲けの仕組みを読み解く

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100円ショップの会計学-決算書で読む「儲け」のからくり(増田茂行著、祥伝社)は、「100円ショップ」の儲けの仕組みを読み解きます。国内100均は、ダイソー(大創産業)、セリア、 キャンドゥ、ワッツがシェア上位ですが、今回はワッツの社長にフォーカスします。

100円ショップの会計学-決算書で読む「儲け」のからくり(増田茂行著、祥伝社)は、「100円ショップ」の儲けの仕組みを読み解きます。国内100均は、ダイソー(大創産業)、セリア、 キャンドゥ、ワッツがシェア上位ですが、今回はワッツの社長にフォーカスします。(文中敬称略)

本書は、「100円ショップの会計学」というタイトルですが、別に100均でなくてもよかったようです。

「決算書」を構成する、「損益計算書」「賃借対照表」「キャッシュフロー計算書」など財務諸表の見方を解説する書籍です。

100円ショップですと、一般の消費者にとって身近ですし、「100円でどうやって利益が出るんだろう」と関心を引くので、そう命名したのだと思いす。

Amazon販売ページが、端的に紹介しています。

どれだけ売って、いくら稼いだかは「損益計算書」でわかり、何をどれだけ持っていて、それをどうやって手に入れたかは「貸借対照表」でわかり、現金がどれだけ増え、どうやって現金を増やしたのかは「キャッシュフロー計算書」でわかる。
本書は、「100円ショップ」の儲けのカラクリを決算書から読み解いていきますが分かりやすい具体的な数字を挙げながら、なぜ儲かるのかが解き明かされていきます。

そして、「100円ショップ」と比較する形で、立ち飲みや屋VS高級バーはどちらが効率のいい商売か、また家電量販店の値段の安さの秘密、1000円理容室QBハウス急成長の謎なども取り上げ、興味在る読み物になっています。

とまあ、これだけで終わってしまってもつまらないので、今回は、ダイソー(大創産業)、セリア、 キャンドゥ、ワッツという、国内100円ショップ4社のうち、先日はダイソーをとりあげたので、今回はワッツにフォーカスします。

現在の社長は、2代目の平岡史生です。

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ローコスト運営でダイソーとの差別化を図る


平岡史生は、東京大田区の出身。

旧姓は井上です。

都立小山台高校から早稲田大学に進み、社会の講師を数年経験してから立正中・高の社会科教師になり、夫人の父親の興したワッツに入社します。

婚姻時に、井上から、夫人の姓の平岡になります。


ワッツは、先代も、平岡史生も、成功譚がまだ書物になっていないので、以降は、このOGPから抜粋します。

ワッツグループは、国内においては、“いつも”によりそう100円ショップ「ワッツ」「ワッツウィズ」「ミーツ」「シルク」「フレッツ」「百圓領事館」等を1,500店舗以上展開しています。

ワッツ・ミーツ・シルクも、実は株式会社ワッツが運営している100円ショップです。

「会社を作ったのは家内の父親です。義父はもともと最大手の催事移動販売会社で経理・財務担当の副社長をしていました。経営が行き詰まり、その後の経営方針について社長と考え方が合わず退職をせざるを得なくなりました。その時、すでに60歳でした。そのまま年金暮らしをしてもよかったのでしょうが、不動産取得による借入の残りが多くあり、もうしばらく働かなければと考えたようです。」

「居抜きの物件で、外装、内装には手をかけず、店舗運営はパート従業員に任せるローコストオペレーションに徹しました。そのかわり捻出した利益で品質の良い商品を提供しようと考えました。また、商品も定番商品に絞りました。現在でも標準的な店で商品数は8000ほど、一番大きな店でも14000ほどです。競合他社の大手は70000~24000ほどあります。その定番商品のところで他社よりお買い得品がある、というのがうちの強みです。」

ワッツの特色は、

1.徹底したローコスト運営、
2.定番商品への絞り込み、
3.直営店舗中心の展開

などにあるといいます。、

ダイソーとワッツは、日本の100円ショップ業界で代表的な企業ですが、それぞれの特徴をChatGTPにまとめてもらいました。

店舗規模と展開

・ダイソー
– 日本最大手の100円ショップチェーン。
– 国内外で約5,800店舗以上を展開(2024年時点)。
– 海外展開にも積極的で、70カ国以上に進出している。

・ワッツ
– 規模はダイソーに次ぐが、店舗数は約1,200店とダイソーより少ない。
– 地域密着型の店舗展開を重視し、コンビニ併設型店舗なども展開している。

商品ラインナップ

・ダイソー
– 幅広い商品ラインナップで有名。文房具、キッチン用品、コスメ、DIY用品など、ジャンルを問わず商品が豊富。
– 高品質商品やオリジナルブランド商品も展開(例:300円、500円商品)。
– 季節商品や流行を取り入れた商品展開が早い。

・ワッツ
– 商品数はダイソーに比べて少なめだが、必要最低限のアイテムを効率よく取り揃える傾向。
– シンプルで実用的な商品が多い。
– ダイソーに比べ、無駄を省いたミニマリスト的な商品構成が目立つ。

価格帯

・ダイソー
– 基本は100円(税込110円)だが、200円、300円などの高価格帯商品も増加。
– 高価格帯の商品はデザイン性や機能性が高いものが多い。

・ワッツ
– 基本的に100円商品が中心。高価格帯商品は少なめ。
– よりコストパフォーマンスを重視する顧客層にアピール。

ターゲット層

・ダイソー
– 幅広い年齢層やニーズに対応。
– 若年層向けのデザイン商品から、中高年層向けの実用商品までカバー。

。ワッツ*
– 実用性を重視する層や地域密着型の買い物スタイルを好む層がターゲット。
– 特に生活必需品を求める層に支持されやすい。

企業戦略

・ダイソー
– 規模の大きさを活かした商品開発力とスピード感。
– 常に新しい商品を投入し、競合との差別化を図る。

・ワッツ
– コスト削減と効率的な運営を重視。
– 地域や顧客ニーズに応じた柔軟な店舗展開が強み。

ということで、「多様性と規模**を重視するならダイソー。圧倒的な品揃えとグローバルな展開力が魅力。」「効率性と実用性を重視するならワッツ。地域密着型の展開とリーズナブルな商品が強み。」と、ニーズによって棲み分けられているそうです。

懐かしい……なんて言ってちゃいけない


実は、平岡史生は、私とは小学校時代同じクラスだったのです。

同級生なんです。

だから、ヘタレの私は、つい今も「井上くん」時代の放課後、土俵があった聖蹟梅屋敷公園で相撲を取っていた頃を思い出してしまいます。

ああ、懐かしいなあと。

以前、日刊ゲンダイのインタビューで、彼は井上ではなく、平岡の姓を名乗ることについては、父親とも話し合いがあったことを告白していました。

彼のきょうだいは、姉だけなので、父親としても複雑な心境だったでしょうが、結局は快く送り出してくれたわけです。

日刊ゲンダイには、学生時代に活動していた、雑草を食べるサークルの写真が載っていましたが、その頃は、教員になる夢と希望に溢れていたんでしょう。

でも彼は、今はそういった感傷に浸ることなく、2024年12月時点で正規雇用の従業員約436名、パート・アルバイトを含む従業員数約4,000人、および7つの子会社や関連会社を食べさせていくために、今も現役で頑張っています。

私も、「誰も同じ川に二度と入ることはできない」というヘラクレイトスの言葉を思い出し、昔を振り返って立ち止まるのではなく、未来を向いて来年も頑張ろうと思います。

ワッツや系列店は、利用されていますか。

100円ショップの会計学-決算書で読む「儲け」のからくり (祥伝社新書 (130)) - 増田 茂行
100円ショップの会計学-決算書で読む「儲け」のからくり (祥伝社新書 (130)) – 増田 茂行

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