いささか旧聞ですが、5月の大阪・忠岡町長選で、日本共産党員の候補が当選し、注目を集めました。
これは、維新が候補を擁立しなかったことや、保守系候補が2人出たことによる「漁夫の利」とも言われていますが、結果は結果です。選挙は結果が重要であることは変わりません。
全国唯一の共産党籍の町長が誕生 保守系が共倒れ 大阪・忠岡町長選 | 毎日新聞 https://t.co/5YJ62nMz6D
常に選択肢を出す共産党の努力には、ともあれ、感服、感謝あるのみ。— 山口二郎 (@260yamaguchi) May 19, 2025
現在、日本共産党の党員首長は、埼玉県蕨市と長野県中川村に存在し、「町長」では、2002年に福島県霊山町で大橋芳啓さんが当選した例があります。(現在霊山町は伊達市と合併)
大橋芳啓さんは、あの福島原発の地主であり、霊山町の農業委員や、伊達森林組合理事などを歴任した、霊山界隈では名士です。
一般的な日本共産党員のイメージと違いますか?
この発電所の地主である、大橋芳啓さん(元の町長さん)のお宅を訪問。築百五十年の大きな日本家屋です。大橋さんご夫婦と一緒に。 pic.twitter.com/mb5Dv4bS3c
— 紙 智子 日本共産党 (@KamiTomoko) November 1, 2013
大橋芳啓さん時代の町政では、霊山が福島の中山間地という立地で財政的に苦しい中、
1.町長の公用車の廃止と報酬カット、
2.すべての乳幼児医療費無料化の窓口無料化や国保税の引き下げ、
3.介護保険料、利用料の減免
などを実現しました。
……と、日本共産党の広報のような書き方になってしまいましたが、実は私は、曾祖母とのつながりで、大橋さんとは戸籍上のつながりがあります。
大橋家の代々の戸籍が取れないので確認ができませんが、曾祖母の子孫同士という血縁関係がある可能性が高いです。
なぜ、直系先祖なのに戸籍が取れないかというのは、まあいろいろ事情があり(汗)、それはともかくとして、日本共産党員首長が誕生する背景には、2つのパターンがあります。
1.選挙で、他党陣営も担いでくれること
2.候補者自身が党派を問わず信頼されていること
大橋さんは、「2」だったみたいです。
岩手県の陸前高田で当選した中里長門市長(2003年)の場合には、「小沢王国打倒」で自共が共闘し 自民の市議団が中里さんを担ぎました。
こいうことは逆もあり、宮城県の塩竈市では、保守分裂で反主流派の三升正直さんを日本共産党が担ぎ、当時のオール与党に勝つという劇的な展開もありました。
長野県は、今も中川村長がいるように、日本共産党は一定の基礎票をもっていますが、田中康夫知事を支えたのは有名な話です。
……と、前置きが長くなりましたが、何を言いたいかというと、きちんと議会政党として真面目にやっていれば、いくら反共風土でも、他党との連携もあるし、党員候補者が有権者の支持を得られることもある、ということです。
だから、たんにその時時の政党の力関係や「風」で議席の減少があっても、反省総括とともにまたくじけずに議会政党として歩みを進めれば良かったのです。
ところが、それを投げ捨てたと言われても仕方がないようなことが起こってしまいました。
かねてから、しばき隊(対レイシスト行動集団)との「密着」が取り沙汰されていた日本共産党ですが、田村委員長が、「市民の活動」と称して、彼らの活動を容認してしまったのです。
対レイシスト行動集団とは、対立思想者に対して、物理的干渉や罵声・ネットリンチも是認されると考える急進左翼的思想へ賛同する人たち(wikiより)のことです。
現在は、参政党がでたらめだから、演説を実力行使で妨害するという活動をしている人たちです。
その中には、日本共産党員もいるが、同党はそれを取り締まるのではなく、「市民としてやるならいい」と言い放ったのです。
日本共産党の田村委員長、共産党員らが参政党の街頭演説を妨害していることを容認。
「共産党員であっても市民の活動ですから」 pic.twitter.com/V0VF63mzpq— Tokyo.Tweet (@tweet_tokyo_web) August 22, 2025
いやいや、同一人物の、何をもって「党員」と「市民」の区別をつけるのでしょうか。これは無理があるでしょう。
「一ライターとして」党批判の書籍を書いた党員は除名したくせに、自己矛盾も甚だしい。
かつては、革マルや中核派等、新左翼勢力の暴力行為を、「極左冒険主義」と断罪していたのに、しばき隊(対レイシスト行動集団)はそうではないというのでしょうか。
一方では、社民党副党首の大椿ゆうこさんが、「街頭演説という形をとったヘイトスピーチは表現の自由とは言いません。」と、参政党のトンデモ演説を暴力的に妨害することを事実上支持しています。
街頭演説という形をとったヘイトスピーチは表現の自由とは言いません。 https://t.co/VR29VsjAnH
— ??大椿ゆうこ 社民党副党首 /前参議院議員(全国比例)?? (@ohtsubakiyuko) August 23, 2025
でもそれって、「非武装中立」の社民党と矛盾する「防衛の論理」だと思うんですけどね。
参政党なんて、言ってることは現実社会のエビデンスなんてないデマカセばかりですから、いちいち暴力で邪魔なんかしなくても、むしろ自分で馬脚をあらわしているのに、正々堂々と言論ではなく、彼らを被害者にするようなことをしてしまう必要はあるのか。
私は、やはり「そうたそうだ」とは言えません。
シバキ隊などの「実力行使」を認めてしまったら、要人暗殺などのテロ事件を誘発するだけです。
安易に暴力に頼り、知力を否定したり軽視したりする国には、未来はないと思います。
N党の党首が襲われたときも、それを支持する声がありましたが、ひどいやつは、「実力行使」しても良いと思いますか?
アンチレイシストであるためには – イブラム・X・ケンディ, 児島 修
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