よみがえった改心(とりもどされた改心)は、オー・ヘンリーの代表作のひとつとして、テレビドラマや映画に翻案されています

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よみがえった改心(とりもどされた改心)は、オー・ヘンリーの代表作のひとつとして、テレビドラマや映画に翻案されています

よみがえった改心(とりもどされた改心)は、オー・ヘンリーの代表作のひとつとして、テレビドラマや映画に翻案されています。平穏な暮らしを得て足を洗おうとした腕利きの金庫破りと、「最後の仕事」を目撃した老刑事の葛藤を描いています。

オー・ヘンリーといえば、短編小説の作家として有名ですが、とくに

賢者の贈り物
警官と讃美歌
よみがえった改心

などは名作といわれています。

私が印象深いのは、酒井和歌子さんのナレーションで『賢者の贈り物』が演じられたシャディのCMです。

それは、このOGPをご覧いただくとして、今日は、『よみがえった改心』をご紹介します。

オー・ヘンリーの短編集は何冊もあり、本作はその多くに収録されていますが、翻訳者によっては『とりもどされた改心』『罪と覚悟』などと題している場合もあります。

今回ご紹介する短編集は『とりもどされた改心』です。

登場人物は、

ジミー・ヴァレンタイン:腕利きの金庫破り。ラルフ・スペンサーと名乗る。
アナベル:銀行主の娘
ベン・プライス:刑事
メイ:アナベルの姉の長女
アガサ:アナベルの姉の次女
アダムス:アナベルの父

の、6人です。

『オー・ヘンリー短編集』は2023年10月10日現在、kindleunlimitedの読み放題リストに含まれています。

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少女の命を救った金庫破りを見逃した老刑事

金庫破りジミー・ヴァレンタインが、釈放されるところから物語は始まります。

「おまえは根っからの悪党じゃあない。金庫破りなぞもうやめて、まともな暮らしをするんだ」と、赦免状を手渡しながら言い聞かせる看守。

「旦那、あっしはこれまでに金庫なんか破ったこたありませんよ」と、とぼけるジミー・ヴァレンタイン。

いくらやり合っても、この調子なので、最後は看守のほうが説得をあきらめます。

1週間後、さっそく、鮮やかな手口の金庫破りが、インディアナ州のリッチモンドでありました。

犯人の手がかりはなにひとつありませんでしたが、犯行には特徴がありました。

錠の取っ手を、「雨の日に大根を引っこ抜くように、すっぽり」抜き取ること。

そしてたとえわずかでも紙幣は根こそぎ奪い、その一方でどんなに値打ちがあっても有価証券類、および硬貨には全く手がつけられないこと。

そして、高跳び、素早い逃走、共犯者はいない、上流社会を狙うこと……

ベン・プライス刑事は、その特徴から、今回もジミー・ヴァレンタインの手口であると推理します。

「高跳び」をしたジミー・ヴァレンタインは、次の仕事場・アーカンソー州の田舎町エルモアの銀行で、銀行主の娘アナベルと出会い、互いに恋に落ちます。

カタギのふりをするため、ラルフ・スペンサーと名乗りエルモアで靴商を開業。

すると、彼は商才もあったのか、店は繁盛し、町の人々の尊敬も得、アナベルの父アダムスにも気に入られ、アナベルとは婚約も成立。

もう、金庫破りをする必要がなくなりました。

そこで、金庫破りの道具を「なつかしき相棒」に譲って足を洗おうとします。

しかし、そうは問屋が卸さないとばかり、刑事のベン・プライスがエルモアへやってきて、ジミー・ヴァレンタインを見張ります。

「銀行家の娘と結婚するんだって?さあ、それはどうかな?」

そんなとき、銀行で、たまたま一緒にいたアナベルの姉の長女・メイが、次女のアガサ(アナベルの姪)を子供同士のふざけあいで、うっかり新しい金庫に閉じ込めてしました。

「このドアは開くはずがない。組み合わせ錠もセットしていなかった」と、絶望的に呻く銀行主のアダムス。

辺りはパニックに陥り、アナベルが思わず「ラルフ……『やってみてちょうだい』」と、何か試みることを求めます。

ジミーにとって、金庫を開けることは可能ですが、開けてしまったら自分が金庫破りであることがバレてしまいます。

しかし、人命第一と考えたジミーは、ベンもいる前で金庫を開けて、手際よくアガサを救出しました。

辺りは歓喜の渦に包まれる中、ジミー・ヴァレンタインは、ベン・プライス刑事のもとに近づき、「とうとう嗅ぎつけたな。じゃあ、行くとするか」

というと老刑事は、「なにか勘違いしているようですな、スペンサーさん。わたしがあなたに見覚えがあるなどとは思わんでください」と、踵を返して去っていきました。

定年間際の「鬼刑事」と「義賊」で映画化

本作は、短編のため、エピソードを加えてテレビドラマ化や映画化されています。

私がもっとも印象に残っているのが、老刑事が初代『水戸黄門』の東野英治郎、金庫破りが石立鉄男でキャスティングされ、『土曜ワイド劇場』(テレビ朝日)の枠内で放送された『最後の賭け~老刑事と金庫破り』(1977年10月08日、大映・俳優座映画放送/ANB)です。

タイトルでおわかりのように、こちらは「老刑事」が主人公として描かれています。

ゲン先に加わったエピソードは、石立鉄男の金庫破りの理由が「義賊」だったこと。

東野英治郎が鬼刑事として、自らの人間性も「鬼」に徹したため、家庭が壊れ、娘(水沢アキ)になじられていたこと。

その東野英治郎には、定年が迫っていたこと。

石立鉄男には夫人(佐藤オリエ)がいて、「もうアブナイことはやめてちょうだい」と言われていたこと、などです。

心臓の弱い子どもが金庫に閉じ込められるアクシデントが発生。

老刑事の定年はいよいよ数時間後です。

「奴はきっと来る」

この時点では逮捕する気満々です。

妻の佐藤オリエは止めましたが、石立鉄男は来ました。

時々逡巡しながらも、金庫を開けて子どもを救い出します。

そして、両手を差し出し“お縄”を頂戴しようとしますが、東野英治郎は佐藤オリエを見て水沢アキの罵倒を思い出し、「何のまねだ」と言って立ち去っていきます。

原作をこれほどまでに、見事に脚色したドラマはないと思いました。

考えてみると短編集の中のひとつの作品ですから、比較的シンプルなストーリーです。

それを90分で展開したことで、老刑事と金庫破りのそれぞれの背景が丁寧に描かれて、良いドラマになりました。

その他、漫画『おそ松くん』でも、イヤミ刑事とチビ太の金庫破りが描かれています。


珠玉の名作、短編ですから時間はかかりません。

未読の方は、1度読まれてみませんか。

以上、よみがえった改心(とりもどされた改心)は、オー・ヘンリーの代表作のひとつとして、テレビドラマや映画に翻案されています。でした。

O・ヘンリー短編集1 - オー・ヘンリー, 大久保博
O・ヘンリー短編集1 – オー・ヘンリー, 大久保博

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