『星新一 一〇〇一話をつくった人』(最相葉月著、新潮社)は、星新一のユニークな人生、功績、そして代表作について詳しく解説

この記事は約5分で読めます。
スポンサーリンク

『星新一 一〇〇一話をつくった人』(最相葉月著、新潮社)は、星新一のユニークな人生、功績、そして代表作について詳しく解説

『星新一 一〇〇一話をつくった人』(最相葉月著、新潮社)は、日本を代表するSF作家であり、「ショートショートの神様」とも称される星新一について紹介された書籍です。本書は、彼のユニークな人生、功績、そして代表作について詳しく解説しています。(文中敬称略)

星新一(ほし しんいち、1926年9月6日 – 1997年12月30日)は、日本を代表するSF作家です。

ショートショートの名手として知られ、1000編を超える作品を発表しています。

代表作をChatGTPにあげてもらいました。

1. ボッコちゃん
内容:人間のように振る舞うロボットの「ボッコちゃん」が、人々を魅了しながらも最終的には悲劇的な結末を迎える物語。
テーマ:人間関係の空虚さ、技術進化と倫理の問題。
2. おーい でてこーい
内容:ある村で見つかった底なしの穴に、不要な物を投げ込む人々が増えていく。しかし、穴には恐ろしい秘密があった。
テーマ:環境問題、人間の無責任さ。
3. 未来いそっぷ
内容:現代や未来を舞台にした寓話的な短編が集められた作品集で、星新一らしい皮肉とユーモアが光る。
テーマ:人間性や社会への風刺。
4. 処刑
内容:刑罰がテレビ中継される未来社会を描く。
テーマ:メディアの暴力性、観客心理。

星新一の最も顕著な功績は、ショートショートという独自の短編形式を確立し、それを日本文学の一部として広めたことです。ショートショートとは、簡潔でありながら深いテーマや鮮やかなアイデアを持つ非常に短い物語のことを指します。

特徴:

一話が数ページから十数ページ程度。
ユーモアや皮肉、どんでん返しを多用。
未来社会や技術の発展、倫理観の変化をテーマにすることが多い。
難解な言葉を避け、誰にでも読みやすい文章を心掛けた。
星新一はショートショートを通じて、現代社会の問題、テクノロジーの影響、人間の心理などを鋭く描き出しました。

とのことです。

スポンサーリンク

上梓済みの作品を手直しする


星新一は、東京で生まれ、実業家である父・星一(ほし はじめ)の影響を大きく受けました。

星一は、星製薬や、星薬科大学など立ち上げて成功した事業家で、星新一は裕福な家庭で育ちました。

新一自身も、父の死後、短期間星製薬の社長を務めたことがあり、日本の有名作家としては、辻井喬こと堤清二と並んで、稀有な東証一部上場企業の社長経験者でもあります。

しかし、戦後の混乱期に、父が経営する会社の財政が悪化したことがあり、家族は財産を失う困難な状況に直面したこともあります。

この経験が、星新一の物語における、現実的な視点や皮肉的なユーモアに影響を与えたとされています。

星新一は、東京大学農学部で学び、応用化学を専攻しましたが、作家としての道を歩むことを決意しました。

化学の知識は、彼の作品における科学的リアリズムに寄与しました。

星新一は、すでに本の発行部数は数千万部らのぼりながら、作家としては無冠の帝王といわれています。

新一の作品は、簡潔で読みやすいので、子どもでも読めます。

そのように書くのは、実は難しいのです。

ところが、世の中には、「子どもでも分かる程度の簡単な作品など、文学的には低級だ」という見方があるのです。

これは残念なことでしたが、新一は、老若男女の一人でも多くの人に、自分の作品を読んでもらうことを喜びとしたのです。

新一は、すでに発表した作品を手直しすることでも知られていました。

「今の子供が読みにくい、古びた表現」をなおすためです。

たとえば、「ダイヤルを回す」を「電話をかける」というように。

読者に尽くすサービス精神と、作品へのこだわりを感じます。

星新一は1997年に亡くなりましたが、それゆえ彼の作品は今なお新鮮さを失っていません。

彼の「ショートショート」という形式は、短い時間で深い感動や思索を得られる文学として、現代の忙しい社会にマッチしており、新たな読者を惹きつけ続けています。

金持ちにも色々


星新一の人生を考えると、「裕福な家庭」であったことが、「育ちの良さ」という意味で良い面に出ていますね。

のし上がろうとする欲望にまみれていたら、「無冠の帝王」では我慢できないでしょう。

いちいち、書き終わった過去の作品の修正などに時間とエネルギーは使わず、星ブランドとお金を使って、セルフプロデュースを徹底して行い、さらに自分の対外的な評価を高めようとしたはずです。

金持ちにも2通りあって、十分な富を得ても、まだ足りないと、生涯さらなる富と名声を求める生き方もあれば、星新一のように、自分のエネルギーは世のために使う人もいます。

前者が、必ずしも悪いというわけではありません。

財閥の創業者のように、自らの成功が日本の産業の発展に資する場合もありますから、それはそれでひとつの生き方だと思います。

でも、星新一のような生き方もいいですね。

星新一の作品は、多くの後進作家や映画、漫画、アニメに影響を与えました。日本のSF界においては、彼の形式が新しい作風やジャンルの礎となり、現在も若い読者に親しまれています。

また、星新一の作品は児童文学や道徳の教材としても使用され、子供から大人まで幅広い世代に受け入れられています。

星新一のショートショートで、印象深い作品はありますか。

星新一 一〇〇一話をつくった人 - 最相 葉月
星新一 一〇〇一話をつくった人 – 最相 葉月

コメント