「仏教」実践“超”入門(川辺秀美著、impress QuickBooks)は、仏教について独学で学びたい人のスタートアップブックです。

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「仏教」実践“超”入門(川辺秀美著、impress QuickBooks)は、仏教について独学で学びたい人のスタートアップブックです。

「仏教」実践“超”入門(川辺秀美著、impress QuickBooks)は、仏教について独学で学びたい人のスタートアップブックです。仏教がいかに役立つのか?仏教が人生の支えとなる教えを提示してくれるか。教科書では習わない仏教の話も含め解説しています。

『「仏教」実践“超”入門』は、高野山大学大学院修士課程密教学中途退学、コミュニケーションと仏教を専門とする書籍編集者の川辺秀美さんが、たんなる研究者ではなく在家信者として、仏教を紹介しています。

『電子書籍で読む”大人の教科書”』というサブタイトルが付いています。

「私たちが仏教とかかわっていくうえで重要なのは、仏教が人生に対していかに役立つのか?または、仏教が人生の支えとなる教えを提示してくれるのか?という点です。」と、最初に書かれています。

もちろん、本書はそれにそって書かれています。

本書は2022年8月5日現在、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。

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在家信者を代表して本音レベルで仏教を語る

本書『「仏教」実践“超”入門』は、Amazon販売ページで、すでに目次が明らかにされています。

  • はじめに
  • 第1章 教科書では習わないお寺の話
  • 有名な寺の実際、座禅体験記、「坊主丸儲け」の虚実など。

  • 第2章 仏教を学ぶための準備体操
  • 仏教を学ぶためのサイトや書籍などの紹介

  • 第3章 プチ修行?とりあえずかじってみる?
  • 参禅できる寺の紹介、般若心経の解説、おすすめできる祈祷ができる寺案内など。

  • 第4章 仏教アーカイブ
  • より高度な仏教のサイト紹介

  • おわりに

詳細はネタバレになってしまいますが、冒頭にあるように、「仏教が人生に対していかに役立つのか?または、仏教が人生の支えとなる教えを提示してくれるのか?」ということで、「祈り方」と「般若心経」についてご紹介します。

たぶんこの記事を読まれている方は、宗教に関心があるのだろうと思いますが、純然たる「知識」や「学問」として向き合いたいわけではないですよね。

「人としてどう生きたらいいか」と哲学的に悩んでいるからですか。

それは嘘ではないでしょうけど、どちらかというと本音を後景に退けた建前ではないでしょうか。

本当のところは、「悩み事が解決したり、願い事を叶えたりするために」宗教(仏教)の力にすがりたいんじゃないですか。

神道や仏教の書籍を見ると、そういうものには警鐘を鳴らして、「すがり方」は明言していないですよね。

「努力もしないで拝まれても困るでしょ」ってことで。

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もちろん、本書も「努力もしないですがりましょう」などとは一言も書いていません。

ただ、具体的な「拝み方」は書かれています。

なるほど、「教科書では習わない仏教の話」ですね。

それは、「(仮)の神や仏を立ててみよう」ということ。

最初から、神や仏がいるとは信じられないでしょうから、(仮)の神様や仏様に対してこう拝みましょう、と具体的な拝み方が書かれています。

それを口にするだけで、不思議なことが起こるそうです。

「そうです」と書いたのは、本を読んだばかりなのでまだ私も実践していないからです。

もちろん、しっかり実践するつもりです。

「「神や仏への問いかけ」がもっともパワフルでシンプルな実践法だと言い切ることができる」と書かれています。

たんなる座学の研究者ではなく、実際に修行まで行い、かつ宗教を専攻する大学院まで進んだ著者の情報です。

信頼できるものです。

詳しい内容は本書で。

般若心経とは……

仏教の「悟り」の基本はここにあるといっていいでしょう。

『般若心経』はブッダの弟子の一人であるシャーリプトラに、観音菩薩が教えを説くというシチュエーションで全文が構成されています。

この記事で「写経」してみましょう。

赤字は訳です。

「よみ」は本書に従います。

(仏説摩訶) (ぶつせつまか)
般若波羅蜜多心経はんにやはらみつたしんぎよう
存在が存在することの意味を説いたお経
觀自在菩薩 かんじざいぼさつ
行深般若波羅蜜多時 ぎょうじんはんにやはらみつたじ
觀自在菩薩はこのように聞きました。観音という名の徳の高い実践者が人々の前に現れました。
照見五蘊皆空 しょうけんごうんかいくう
度一切苦厄 どいつさいくやく
私たち人間の存在は、身と心によって成り立っているので、自分とは何かを知るために、この身と心のどこに自分が存在しているのかを確かめようとした。
舍利子 しやりし
色不異空 しきふいくう
空不異色 くうふいしき
ブッダの弟子のシャーリプトラ。あらゆる物体に実体はない。体が存在するのではなく、いろいろなものが集まってできた物体を、私たちは体と呼んでいるにすぎない。
色即是空 しきそくぜくう
空即是色 くうそくぜしき

あらゆる物体に実体はなく「空」であり、変化をする性質であるからあらゆるものは形をもつことができ、また形を変えることができる。

受想行識 じゆうそうぎょうしき
亦復如是 やくぶにょぜ
実体はなく変化をする性質であるのは身だけでなく精神も同様である。身も心も実体としての「自分」は存在しない。
舍利子 しやりし
是諸法空相 ぜしよほうくうそう
ブッダの弟子のシャーリプトラ。この世は「空」だから、人は一箇所にとどまらず、喜びも時の流れとともに消える。 悲しみも時が忘れさせてくれる。
不生不滅 ふしようふめつ
不垢不浄 ふくふじょう
不増不減 ふぞうふげん
存在には変化があるばかりで、生まれもしなければ死にもせず、垢がつくこともなければ浄らかなのでもなく、増えもしなければ減りもしない。ただ、変化を続けるだけだ。
是故空中 ぜこくうちゆう
無色無受想行識 むしきむじゆうそうぎょうしき
だからすべては「空」であり、変化するなかで存在するだけで「絶対」なんて絶対にないのだ。
無眼耳鼻舌身意 むげんにびぜつしんい
無色聲香味觸法 むしきしようこうみそくほう
眼耳鼻舌身意という「六根」は「空」であるから、色声香味触法という「六境」、つまり見えたもの、聞こえた音、嗅いだ臭い、食べた味わい、触った感触、抱く思いなどもみな「空」である。
無眼界 むげんかい
乃至無意識界 ないしむいしきかい
目に見える眼界から、心で感じ認識する世界まで自分の感覚器官で感じとった世界であって世界そのものを感じてはいない。
無無明 むむみよう
亦無無明盡 やくむむみようじん
乃至無老死 ないしむろうし
亦無老死盡 やくむろうしじん
あらゆるものは有るようで無い。ものの真相が不明であることはなく、またそれが尽きることもない。また老死も無く、老死が尽きることも無い
無苦集滅道 むくしゆうめつどう
無智亦無得 むちゃくむとく
以無所得故 いむしよとくこ
実体がないのだから、苦しみも、原因も、苦しみをなくすことも、その方法もない。知るところも得るところもない。
菩提薩土垂 ぼたいさった
依般若波羅蜜多故 えはんにやはらみつたこ

得る所が無いからこそ、 悟りを求めるものは、般若波羅という偉大な智慧によって心に妨げがない。

心無二礙 しんむけいげ
無礙故 むけげこ
無有恐怖 むうくうふ
心に何のさまたげもなければとらわれもなく、心に何の恐怖の存在しない。
遠離一切顛倒夢想 おんりいつさいてんどうむそう
究竟涅槃 くきようねはん
心に覆うものが無くなり、自由自在になると、恐怖心も無くなり、一切の顛倒夢想を遠く離れ、涅槃(死)を受け入れられる状態である。
三世諸佛 さんぜしよぶつ
依般若波羅蜜多故 えはんにやはらみつたこ
得阿霧多羅三貌三菩提 とくあのくたらさんみやくさんぼだい
過去世、現世、来世にわたって存在する一切の仏はこの般若波羅蜜多という偉大な智慧によって自らさとり、他をさとらせ、さとりのはたらきが窮まり満ちている。
故知般若波羅蜜多 こちんはにやはらみつたこ
是大神咒 ぜだいじんしゆ
是大明光 ぜだいみょうしゆ
是無上咒 ぜむじようしゆ
是無等等咒 ぜむとうどうしゆ
最高の悟りを得られる。それゆえに般若波羅蜜多という偉大な智慧を実践しなさい。これは大いなる霊力をもった言葉であり、明らかなる言葉であり、この上ない言葉であり、他に比類の無い言葉である。
能除一切苦 のうじょいつさいく
眞實不虚 しんじつふこ
一切の苦しみを除くことができる真実で虚しさがない確かなものである。
故説般若波羅蜜多咒 こせつはんにやはらみつたしゆ
即説光曰 そくせつしゆわつ
それゆえに般若波羅蜜多の呪文を唱えて悟りの世界へ誘おう。さあここでその真言をいおう
掲諦掲諦 ぎゃていぎやてい
波羅掲諦 はらぎやてい
波羅僧掲諦 はらそうぎゃてい
菩提薩婆訶 ぼうじそわか
行こう、行こう、真実の世界に。悟った人に幸いあれ。
般若心経 はんにゃしんぎよう
般若心経を終わる。

訳文は、すでにネットでは幾通りも出ています。

要するに、この世の中で不変のものはない。

物質は、構成する物が集まってできているだけで変化する。

物も心も同様である。

だから実体はない。

それゆえ、そのことで悩んだり恐怖を感じたりすることはない。

というようなことだと思います。

だから、死ぬことも変化の一つである。

心安らかに死ぬことを受け入れようという話です。

しかしですよ。

その教えに倣えば、三世(過去世、現世、来世)なんていいますが、精神にも実体がないのだから、魂も実体はない「空」ということにならないでしょうか。

要するに、死んだら肉体が亡くなるだけでなく精神(魂)も精神(魂)ではなくなり、別の物質に構成される。

ということではないでしょうか。

そうなると、「生まれ変わる」たの「来世」だのという概念とも違ってくるような気がします。

違うのかな。

このへんは、また勉強していきます。

なお、本書によると、

時間がないかたは「掲諦掲諦波羅掲諦波羅僧掲諦菩提薩婆訶」の経文だけを、ひたすら唱えてみるのもよい実践方法です。

とのことです。

以上、「仏教」実践“超”入門(川辺秀美著、impress QuickBooks)は、仏教について独学で学びたい人のスタートアップブックです。でした。

「仏教」実践“超”入門 電子書籍で読む”大人の教科書” (impress QuickBooks) - 川辺秀美
「仏教」実践“超”入門 電子書籍で読む”大人の教科書” (impress QuickBooks) – 川辺秀美

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