まんがでわかる隣のサイコパス(名越康文監修、カンゼン)は、世間に潜むサイコパスたちが隠し持つ「人格」をまんがでひも解く

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まんがでわかる隣のサイコパス(名越康文監修、カンゼン)は、世間に潜むサイコパスたちが隠し持つ「人格」をまんがでひも解く

まんがでわかる隣のサイコパス(名越康文監修、カンゼン)は、世間に潜むサイコパスたちが隠し持つ「人格」をまんがでひも解きました。サイコパス=犯罪者とは限りませんが、職場・友人・学校に存在し得るサイコパスとの関わり方を教示してくれます。

監修は、精神科医の名越康文(なこし・やすふみ)さん。

専門は思春期精神医学、精神療法です。

一見ごく普通どころか魅力的、そんなあの人のもう一つの顔を知っていますか?

と、表紙の帯には書かれています。

「もう一つの顔」というのは、サイコパスということなのですが、大半は犯罪を犯すことなく普通に社会生活を送っているとか。

ただし、サイコパスはサイコパスなので、こんな人だったら注意しましょう、ということが漫画で紹介されています。

本書は2022年8月24日現在、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれているKindle版です。

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サイコパスは、男性の3%、女性の1%

サイコパス(psychopath)とは、本書によると、主に異常心理学や生物学的精神医学などの分野で使用されている心理学用語で、サイコパシー(psychopathy 精神病質)を有する人、つまり精神病質者を指します。

サイコパシーという言葉自体は、社会適応が困難とされているいわゆる反社会的人格の中でも特に、連続殺人などを犯した凶悪犯罪者たちの人格を説明するものとして作られたそうです。

たとえば、このブログでもご紹介した、北九州一家監禁殺人事件(2002年)の主犯男性が、サイコパスと言われました。

北九州一家監禁殺人事件(2002年)は日本犯罪史上最悪の事件と言われましたが、それを漫画化したのが『殺人犯の正体』です
北九州一家監禁殺人事件(2002年)は日本犯罪史上最悪の事件と言われましたが、それを漫画化したのが『殺人犯の正体』です。残酷な事件のため、テレビでは自主規制が敷かれたいわくつきの事件だったので、改めて犯人の人格や事件の詳細が明らかになりました。

主犯の男は、内縁の女らをマインドコントロールの手法を使い、自らは手を汚すことなく、一室で女の両親や妹一家を監禁し、子どもまで残らず殺害させた事件です。

殺害後は、やはり自らは手を汚すことなく、残った人間に遺体処理をさせ、魚の餌にするになどして証拠を消しました。

Wikiによると、主犯の男は、「病的な嘘吐きで自意識が強く目立ちたがり屋。饒舌でいくつもの顔を持ち、エリートを演じる傾向がある。礼儀正しく愛想が良いが、猜疑心・嫉妬心が強い(アフェクションレスキャラクターの傾向) 。異常なまでに執念深く嗜虐的。」といいます。

これはあまりにもショッキングでしたね。

サイコパスの医学的な診断名は、反社会性パーソナリティ障害というそうです。

その特徴は……

法律にかなって規範に従うことができない、逮捕に値する行動
自己の利益のために人を騙す
衝動的で計画性がない
ケンカや暴力を伴う易刺激性(ささいなことをきっかけに不機嫌な態度で周囲に反応しやすい状態)
自分や他人の安全を考えることができない
責任感がない
良心の呵責がない

などがあるそうです。

サイコパスは、治療や話し合いで治すことはできません。

サイコパスは、男性の3%、女性の1%が該当するとされ、日本の人口で割り出すと150万人にもなります。

学校や職場など、たくさんの出会いがあるところなら、十分に関わる可能性があります。

では、そうなったらどうしようか、という話です。

ただし、本書によると、サイコパスの資質があっても、その大半は犯罪を犯すことなく一般の人々とともに普通に社会生活を送っていることがわかっているそうです。

「反社会性サイコパス」と「向社会性サイコパス」

サイコパスには、反社会性サイコパスと、向社会性サイコパスとがあるといいます。

前者は犯罪者となりやすいサイコパス。

後者は、犯罪者となりにくい、一般の人々とともに普通に社会生活を営んでいるタイプです。

トークが巧みで、プレゼンテーション能力が高く、プレッシャーに負けない、大胆な判断力を持つなどの特徴から、企業のCEO、弁護士、外科医など社会の中枢で活躍する、社会的地位の高い人も少なくないと言われています。

とはいえ、「向社会性」といっても、サイコパスはサイコパスですから、その資質がもたらすトラブルは当然起こりえます。

周囲の人間が振り回されてしまうことはあるわけです。

そこで、本書は、サイコパス=凶悪犯罪者だけじゃない! という前提で、犯罪者になることなく市井に生きている人々のパターンを7つのまんがにまとめ、その対処法を解説しています。

「向社会性」に振り回される普通の人たち

本書で紹介する7つのまんがにはそれぞれ、何食わぬ顔で一般社会に潜むサイコパスに見られがちな特徴を有する人物たちが登場します。

たとえば、Chapter1 の「バイト先の厳しすぎる先輩」。

新しいバイト先のコンビニにいた女性スタッフが、必要以上に圧が強くて、結局主人公はバイトを辞めてしまう話です。

サイコパスが、上にはいい顔、下には高圧的であること、マウンティングをとりたがること、人の感情を翻弄して相手の動揺に面白さを感じることなどを解説しています。

結論は、メンタルな面において普通の人の敵う相手ではないので、逃げるが勝ちとされています。

Chapter2には、「仕切らずに仕切るやり手編集者」が登場。

女性フリーライターが女性編集者を紹介されますが、編集者は仕事ができるような自己演出に余念がなく、しかし実際はライターに丸投げ状態という話です。

向社会性サイコパスは、「デキる」人物を自己演出したがるそうです。

人を引き付けてやまない魅力や才能を持ち、一方で自分を正当化するために平気で嘘をついたり人を欺いたりするそうです。

現実を捻じ曲げてでも、周囲にアピールするテクニックに長けているそうです。

そして、自らを過剰に演出しているという照れ、ためらいといった葛藤の感情がほとんど生じないため、緊張感などもなく自然体で、その余裕に満ちた雰囲気に普通の人はさらに魅了されていくのだそうです。

ことほどさように、再現ドラマ的にありがちな光景から、向社会性サイコパスのふるまいを紹介しています。

ま、「あるある」「いるいる」と思ってしまうような展開です。

論より証拠で、ぜひ一度ご覧ください。

以上、まんがでわかる隣のサイコパス(名越康文監修、カンゼン)は、世間に潜むサイコパスたちが隠し持つ「人格」をまんがでひも解く、でした。

まんがでわかる 隣のサイコパス - 名越 康文
まんがでわかる 隣のサイコパス – 名越 康文

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