イオンを創った女ーー評伝 小嶋千鶴子(東海友和著、プレジデント社)は、巨大流通グループ・イオンの創業者実姉の功績をまとめています。岡田卓也を人として、経営者として育て上げた、類まれなる実力と功績をたたえ、人々は彼女を「人事のレジェンド」とさえ呼ぶそうです。(文中敬称略)
小嶋千鶴子(こじま ちづこ、出生時の戸籍名は岡田千鶴子(おかだ ちづこ)、1916年〈大正5年〉3月3日 – 2022年〈令和4年〉5月20日)は、イオンの前身であるジャスコの創設者で、イオングループの共同創業者です。
小嶋千鶴子は、イオンの前身となる岡田屋(現:イオングループ)の草創期において、女性経営者として重要な役割を果たしました。彼女の生き様と功績を以下に詳しく解説します。
Amazonの販売ページには、「ほとんど外に出てこないため、その存在はあまり知られてはいないが、その類まれなる実力と功績をたたえ、人々は彼女を「人事のレジェンド」とさえ呼ぶ。」と書かれています。
23歳でイオンの前身・岡田屋呉服店の社長となり、戦後の混乱期を数々の手腕で乗り越え、さらに発展させました。
その後、弟・卓也を社長にし、今度は卓也を支えるブレーンとなり、経営人事・戦略人事の専門家として、イオンの基礎を作りました。
岡田屋呉服店という四日市の家業を、ジャスコという企業に、そしてイオングループという産業にまで育て上げたのが、小嶋千鶴子だといいます。
パートタイム制導入と企業内「大学」設立
四日市にある東海道四日市宿資料館には
岡田屋呉服店の資料が充実しているのでイオンマニアは是非訪問して欲しい場所??しかもこの建物は東海道沿いにありすぐ南側には札の辻と呼ばれる旧岡田屋呉服店が何十年にも渡り店舗を構えた土地があるのも奇跡
数年前には小嶋千鶴子さんも訪れているそうです pic.twitter.com/W124GA5lvF
— イオえもん (@aeon1758) June 19, 2023
小峰千鶴子は、三重県四日市市に生まれます。
父は岡田惣一郎で、母は岡田(旧姓・美濃部)田鶴。
実弟が、イオングループの総帥・岡田卓也です。
いうまでもありませんが、立憲民主党の岡田克也常任顧問は甥です。
実家である老舗呉服店の岡田屋は、店内に呉服以外に洋服部もあり、千鶴子は5歳の時から洋服を着ていたそうです。
東京の大学への入学が決まっていましたが、世界恐慌で四日市市内の銀行が倒産し、親への教育依存ができず進学を断念しました。
さらに、両親が亡くなり、家業的商店経営から株式会社化した岡田屋の従業員の生活を、千鶴子が支えなければならなくなりました。
弟の卓也が大学を卒業するのを待って、千鶴子は結婚し、社長も卓也に交代します。
1954年に岡田屋の監査役に就任。45歳となった1961年に若手経済学者とともに1か月間のアメリカ小売業の視察旅行を実現させます。
1969年に、本格的なスーパーマーケットのジャスコを設立し、その取締役に就任。
1971年には、ヨーロッパの新しい労働時間制度を研究するためのツアーで、ドイツにおけるフレックスタイム制の母と呼ばれるケメラーと会い、労働組合の反対を押し切って、女性が勤務時間を選べるパートタイム制度を導入しました。
人には事情も都合もあるので、特定の時間だけなら働ける、という制度は悪くないと思うんですけどね。
業界初となる、企業内大学のジャスコ大学を創設したのも千鶴子です。
社内研修機関であり、正式な学校教育機関や大学ではありませんが、企業研修の枠を超えた充実した学習プログラムと独自の教育理念で知られています。
たとえば、労働法・賃金論・国際情勢の権威を学長・教授として迎え、高校卒業の社員に対して心理学から文学までの幅広いビジネス教育を行いました。
職務知識だけを教える一般的な企業研修と異なりますが、マニュアルを覚えさせるように仕事をさせるのではなく、幅広い教養を身につけることで、豊かな人格を陶冶し、結果的に職能を底上げしていくという考え方だったわけです。
これはいい会社ですね。
お金はもらっても使ったら消えますが、教育は会社をやめてもその人に残ります。
ジャスコが「イオン」にブランド統一されたのと同様に、ジャスコ大学という名称も使われなくなりましたが、現在はイオンアカデミーという名称で、より洗練された教育体系が整備されているそうです。
教育の重要性は、千鶴子自身が海外研修を重ねたことで実感したのだろうと思います。
販売面についは、女性経営者として、家庭用品や日用品の品揃えに工夫を凝らし、地域の主婦層を中心とした顧客層に支持される店舗運営を推進したといいます。
当時、女性が経営の中核に立つことは非常に珍しかった中で、千鶴子は実務や意思決定の場で活躍し、岡田屋を復興に導きました。
千鶴子は、店舗が単なる商売の場ではなく、地域住民の生活を支える存在であるべきという考えを持っていました。そのため、商品の選定や価格設定、接客に至るまで、地域住民の視点を重視しました。
千鶴子の献身的な働きが、岡田屋から後のジャスコ(Japan United Stores Company)、そして現在のイオングループへと続く基盤を築きました。
まいばすけっともなかなか便利
お家でダイエット鍋スタート??
舞茸、豆苗、白滝、豆腐、ギョザ、
まいばすけっとならALL100円で買える?? pic.twitter.com/cRN0k8U4QF— 野菊と梯子酒??? (@nogiku_hashigo) December 13, 2024
千鶴子イズムで、イオングループの特徴の一つが、地域密着です。
グループには、「まいばすけっと」という、コンビニとスーパーの中間的な店舗がありますが、駅の近くに立地し、生鮮食品(野菜、果物、肉、魚)から加工食品、冷凍食品、惣菜、飲料まで、日常生活において高頻度で利用される食料品を幅広く取り揃えています。
コンビニよりも安価で品揃えがよく、スーパーよりも営業時間が長い、というのもいいですね。
ショップブランドも多く扱っています。
以前、韓国産のビールを売って叩かれてからは、国産中心に切り替えましたね。
スーパーは激安のオーケー派である私ですが、品数にまさるイオンも度々利用しています。
たとえば、サンガリアという、東日本はあまり馴染みのない大阪の飲料メーカーがあるのですが、まいばすけっとでは扱っているので、よくサンガリアの商品を買います。
それ以外にも、イオンリテール、マックスバリュ、ダイエー、ビッグ(ビッグ・エー)、イオン銀行、イオン保険サービス……いろいろありますね。
みなさんは、イオングループは利用されていますか。
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