学歴フィルター(福島直樹著、小学館)は、日本の就職活動における「学歴フィルター」の実態やその影響について分析した書籍です。少子化でまた有名大学志向に拍車がかかり、学歴フィルターは厳然と存在する、という身も蓋もない現実でも希望をもてる解説をしています。
ホリエモンのコメントが、また話題をよんでいます。
内容は、炎上するようなことではありませんが、身に覚えのある一部の人からは、耳が痛かったのかも。
ホリエモン、子供に中学受験させる親を批判 「なんでわざわざ受験するの?古いよねって話」 https://t.co/cEa9drWh0W
— ツイッター速報?BreakingNews (@tweetsoku1) February 4, 2025
内容をまとめると、2月1日~4日ぐらいまで、首都圏の私立中学の入試があったんですが、受験勉強が苦痛の子に「お受験」させても、精神を病むだけだからやめさせろ、というもっともな話です。
受験勉強という、合格しなければ何もならない「賭け」に時間とエネルギーを、がんぜない我が子に注がせる。
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落ちても親は何の責任も取らない
やっと受かっても、名門中学で上位に行くことは並大抵ではなく、集団の下の方にいることは苦痛である。
なのに、「未だに中学受験とかに血道を上げてる親ってほんとクソ笑」と、自分のブログに書いています。
ホリエモンは、昨年11月にもYouTube動画で、AI時代が到来し「頭が良いとか悪いとか、あんまり関係無くなる」と予想しており、「今の暗記偏重の受験で学んでいることは、100%意味が無くなる。無駄な時間なんですよ、それは断言します」と語っていました。
私は、そこだけは違う意見ですけどね。
だって、頭の悪い人は、そもそもAIを上手に使えません。
AI時代になれば、AIをいかなる価値で使いこなすかで、また格差が生じることは明らかです。
それはともかくとして、たぶん小中のお受験に血道を上げる人は、学歴厨というだけでなく、ブランド厨も入っているのではないかと思います。
つまり、いい大学に進むためという以前に、中学や高校をも有名校卒にしたいという見栄や虚栄心。
いや、でも学歴って、どんな中高に入ろうが、結局は「最終」学歴が大事ですからね。
たとえば以前も書いたように、大學の銘柄で判断される面も否定はできません。
【決定版】就活で気になる、学歴フィルターによる足切りへの対応策|就活の答え https://t.co/usKR25fyDw
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) February 6, 2025
この記事を要約すると、上場企業の募集枠が、旧帝大一工、早慶上理、関関同立、GMARCHの卒業生でいっぱいになるから、日東駒専とか産近甲龍、もちろんそれ以下は書類選考でだめだと。
一芸入試とか、いろいろ工夫して、学歴格差をなくそうとしてきたはずなのに、少子化でまた有名大学志向に拍車がかかり、学歴フィルターは厳然と存在する、という現実を解説しているのが、本日ご紹介する『学歴フィルター』(福島直樹著、小学館)です。
「学歴フィルター」がどのように機能しているのか
「学歴フィルター」で振るい落とす採用事情 「自分は選ばれた」と上位校生徒の半数が実感 | 就職四季報プラスワン – 東洋経済オンライン https://t.co/Xi44LRvwal #東洋経済オンライン via @Toyokeizai
— greater tokyo area (@cat_kojikota) January 18, 2019
本書では、日本企業の採用において「学歴フィルター」がどのように機能しているのかを説明し、その背景や問題点を掘り下げています。
いっときは、「面白い人」や「個性」が評価されることもありましたが、近年では企業側がデータを重視し、高学歴者を優先する傾向が強まっています。
また、本書では「学歴フィルター」が単なる企業の問題ではなく、教育格差や家庭環境の影響も大きいことを指摘しています。
見どころは、 企業がどのような基準で応募者を選別しているのかを、実例を交えながら解説。
また、学歴フィルターに苦しむ学生に向けて、どのように就活を進めればよいのかの具体的な戦略が提示されています。例えば、「会社説明会に予約できなくても直接訪れる」などの実践的なアドバイスも紹介されています。
古希のポスドクも人生
以前も書きましたが、「いい大学」に入る方法は、何も小中学の「お受験」が絶対ではないのです。
たとえば、私の人生観に、大いなる影響を与えた松田聖子さんの進学。
松田聖子さんが中央大学を卒業。予想通り中傷が後を絶たない。中央大学や、通信課程の卒業生・在校生を侮辱していることになるのに。ひとさまの自己実現にケチを付けても何も生み出しません。#松田聖子 #松田聖子卒業 #中央大法学部通信課程は超ハード #中央大学 #嫉妬 #中傷 https://t.co/QOP0abUk5d pic.twitter.com/qhskbk1ABt
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) April 22, 2024
彼女は、ずーっと芸能界で頑張ってきたんですよ。
で、還暦近くになって、中央大学の通信課程に入った。
通信課程は、通学過程よりもずっと難しいのですが、還暦を挟んでそれを乗り越えたことで、彼女は「中大法学部卒」になった。
40年も学業を離れていた人が、未知の分野に進学して、留年なしに卒業することがどれだけ大変か……
世の中の仕組みは厳然としています。「大学がなんだ」とか「学歴なんてくそくらえ」などという無責任なことは、私には書けません。
ただ、「いい大学」に入れる道は、本人の覚悟があれば、たとえ18歳でなくても、そして小中「お受験」以外にも開かれているといいたいのです。
余談ですが、人嫌いな人には、通信課程はおすすめです。
ムカつくクラスメートとかかわらずに勉学に専念できます。文化祭とか運動会とか嫌いな人も向いていますね。
ちなみに、我が家の通信課程履修歴です。
私……大学(他大学卒からの学士入学)、大学院(修士)
妻……高校(定時制から転籍)、大学
長男……高校
いったい、どんだけ通信課程がスキなんでしょう(笑)
でもね、かまぼこ屋の下働きしていた妻は、本来のコース(定時制)だったら、大学なんて夢のまた夢でした。
私も、松田聖子さんより更に遅く、還暦過ぎてからだったので、修士の通信課程がなかったら、博士は無理だったと思います。
それはともかくとして、みなさんはお受験や学歴フィルターによる思い出やご経験はありますか。
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