相撲めしーおすもうさんは食道楽ー(琴剣淳弥著、扶桑社BOOKS)は食べることが仕事の力士たちが美味しい食事を楽しむ姿を描く

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相撲めしーおすもうさんは食道楽ー(琴剣淳弥著、扶桑社BOOKS)は食べることが仕事の力士たちが美味しい食事を楽しむ姿を描く

相撲めしーおすもうさんは食道楽ー(琴剣淳弥著、扶桑社BOOKS)は、食べることが仕事の力士たちらしく、美味しい食事を楽しむ姿を描いた作品です。元力士であり相撲漫画家の琴剣淳弥さんの取材と作画によって、漫画とエッセイの形式で綴られています。

本書は、元力士であり相撲漫画家の琴剣淳弥さんによって、漫画とエッセイの形式で綴られています。

力士と言うと「ちゃんこ」をイメージしますが、ちゃんこ鍋だけでなく、和食、中華、洋食、焼肉など、さまざまな料理を楽しんでいます。

グルメ情報にも詳しく、グルメ雑誌に出る話題の店やメニューは、メディアが取り上げるよりもずっと前に口にしているそうです。

むしろ、店やグルメ雑誌のほうが、力士から情報を得ているのかもしれません。

たとえば、数年前に人気だったスタ丼は、何十年も前から食べられていたとか。

ちゃんこ鍋の余った肉と野菜を炒めて、卵を乗っけていたものを食べていたのだそうです。

吉野家の牛丼特盛は、大盛り2つをオーダーする力士に気を利かせて作ったメニューが始まりだそうです。

量の方も、フードファイターには負けませんが、現在ではほとんどの店から「力士とレスラーはお断り」だとか。

さらに、外食だけでなく、力士は数ある名店の味をずぐに再現できる能力も高いのだそうです。

引退後、ちゃんこだけでなく、ラーメン店、つけ麺店などで成功している元力士もいるそうです。

たとえば、元前頭の力皇は、プロレスに転向後、ケガで引退しましたが、つけ麺やラーメン店を複数開店しています。

そして、著者の取材により、現役力士によるエピソードが綴られています。

高安関は、本場所初日に必ずあさりとトンカツを食べることで「あっさり勝つ」のゲン担ぎをしています。

嘉風関は、名古屋場所で必ず行くうな丼が絶品だと語っています。

豪栄道関は、無愛想な店員や汚い店内でも通いたくなる洋食屋を知っているそうです。

照ノ富士関は、貧乏時代に兄弟子が作ったチャーハンが美味しかったと回想しています。

千代丸関は、カレーは好きだけど、カレーライスは別々に限ると語っています。

琴奨菊関は、ちゃんこ長がつくった唐揚げタルタルソースがけを丼にすると最高だと絶賛しています。

本書は、元力士が、力士に取材し、リアルな食事情を楽しみながら、笑いあり、涙ありで読むことができます。

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照ノ富士を支えたチャーハン

ということで、この記事ではその中から、照ノ富士関のエピソードをご紹介します。

モンゴルから来日した照ノ富士関は、間垣部屋で厳しい時期を過ごしました。

元横綱若乃花(2代目)が親方でしたが、回り道をしてようやく結婚した夫人に先立たれ、自身も脳出血の疑いで手術。一命は取り留めたものの、その後は車椅子生活を余儀なくされました。

そのため、部屋の運営が困難になり、多くの力士が辞めていった中、駿馬、若三勝(現横綱照ノ富士)と呼び出し照矢だけが残りました。

親方も、おかみさんもいない中で、食事は自腹。

出稽古先の部屋からの支援があったものの、彼らは自ら食事をこしらえることが不可欠でした。

その中で、駿馬さんが作った、シンプルながらも美味しいチャーハンが、照ノ富士関にとって大切な思い出となりました。

「冷蔵庫にかろうじて残っていたひき肉を使ったチャーハンです。ひき肉とご飯を一緒に妙めて、 卵を投入。塩だけで味付けします。もうそれだけ。電気すらも止められそうな部屋だったから、 暗い部屋で仲良く食べましたよ。シンプルな味だけど、本当にやさしい味でした。今でも大好きです」(照ノ富士)

間垣部屋が閉鎖された後、3人は伊勢ケ潰部屋に移籍。

若三勝は照ノ富士に改名して急速に出世しました。

大関昇進を決めた試合では、かつての苦労を共にした兄弟子たちが見守る中、照ノ富士関は勝利を収めました。

出世した現在でも、当時の味のままのチャーハンを食べるだけで、逆境の中での友情と成長を思い出すそうです。

食べ方がきれいな人は仕事もできる!?

著者の親方は、元横綱琴櫻(1940年11月26日~2007年8月14日)。

子沢山の郵便局員の子弟で、佐渡ヶ嶽部屋に入門しました。

食べることの切実さを人生で味わってきたので、たとえば魚の食べ方もきれいで、イワシの煮付けをまるごと口に入れて、骨だけをきれいに出せる特技があったそうです。

この親方は、取材すると、「ウチはちゃんこを食べないと帰さないんだ」といって、気さくにちゃんこ鍋をふるまう方でした。

「強くなる人は、食べ方も上手になり、食べ物を大事にしてきちんと食べなければならない」

お相撲さんは、そう教えられているそうです。

相撲に限らず、食べ方のきれいな人は、仕事や人間関係においても、一定のメリットを享受することはあると思います。

食べ方がきれいである人は、適切なマナーを持っている人とみなされ、清潔感や礼儀正しさを認められ、仕事の場でも信頼されやすいのではないでしょうか。

また、打ち合わせや親睦会など、公私に渡って食事は社交的な場面になりえますから、食べ方がきれいな人は、他の人と円滑にコミュニケーションをとる能力が高いことが多いと思います。

もちろん、食べ方がきれいであるだけで、即人生の成功に直結するわけではありません。

ただ、どんなことであれ、他者の見方が低くないことは自分への自信に繋がり、前向きな努力も積極的に行えるようになると思うのですが、いかがでしょうか。

私は、これまでの人生でモテ期がなかった(キッパリ!)のですが、1度だけ、居酒屋でホッケをいただいたとき、女性社員に「魚の食べ方がきれいだ」と褒められたことがあります。

でも、それだけだったんですけど(汗)

ホッケ、きれいに食べることできますか(笑)

以上、相撲めしーおすもうさんは食道楽ー(琴剣淳弥著、扶桑社BOOKS)は食べることが仕事の力士たちが美味しい食事を楽しむ姿を描く、でした。

相撲めしーおすもうさんは食道楽ー (扶桑社BOOKS) - 琴剣 淳弥
相撲めしーおすもうさんは食道楽ー (扶桑社BOOKS) – 琴剣 淳弥

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