日本の企業家10 大原孫三郎 地域創生を果たした社会事業家の魁(阿部武司著、PHP経営叢書)は、大原孫三郎はその多彩な人生を紹介

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日本の企業家10 大原孫三郎 地域創生を果たした社会事業家の魁(阿部武司著、PHP経営叢書)は、大原孫三郎はその多彩な人生を紹介

日本の企業家10 大原孫三郎 地域創生を果たした社会事業家の魁(阿部武司著、PHP経営叢書)は、大原孫三郎はその多彩な人生を紹介しています。現在のクラボウ、クラレに継承される理念の具現化を果たした経営者像を浮き彫りにしています。(文中敬称略)

本書は、PHP研究所が、創設70周年を記念した出版「日本の企業家」シリーズの10巻目です。

大原孫三郎(おおはら まごさぶろう、1880年1月11日~1943年1月5日)は、近代日本を代表する実業家であり、慈善家、文化支援者としても知られています。

大原は、父から受け継いだ倉敷紡績株式会社を日本での指折りの大会社に成長させたり、中国銀行の初代頭取となったり、中国電力の創設に関わるなど、経済界で活躍しました。

それだけでなく、日本の産業、医療、福祉、教育、そして芸術文化に多大な貢献を果たしました。

以下に彼の人生と功績を詳しく解説します。

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日本のフィランソロピスト


大原孫三郎は、岡山県倉敷市の裕福な実業家の家に生まれました。

父の大原孝四郎は、倉敷紡績株式会社を創業した人物であり、孫三郎もその影響を受けて実業の道に進みました。

彼は幼少期から聡明で、積極的に家業を支える姿勢を見せていたといいます。

孫三郎は旧制中学校を卒業後、家業に本格的に加わり、20代で倉敷紡績の経営を引き継ぎました。

その経営手腕は卓越しており、倉敷紡績を日本の代表的な繊維企業に成長させました。

孫三郎は、経営者としての才覚を発揮し、倉敷紡績の近代化と規模拡大を推進しました。

特に、品質管理や効率的な生産技術の導入に力を入れ、国際市場でも競争力を持つ企業へと成長させました。

そして、倉敷紡績を軸に、多くの関連事業を展開しました。

これにより、岡山県やその周辺地域の経済発展に寄与しました。

孫三郎はまた、従業員の待遇改善や地域社会との調和を重視し、企業倫理の模範を示しました。

孫三郎は、結核が蔓延していた時代において、その治療と予防に深い関心を持ちました。

1918年には、私財を投じて岡山県に「養生所」(後の岡山療養所)を設立し、結核患者への支援を行いました。

これは、後の国立療養所岡山医療センターの前身となりました。

次に、日本初の社会福祉施設である「倉敷労働科学研究所」を設立しました。

労働者の健康と福祉を重視し、労働環境改善の研究と実践に取り組みました。

1930年には、日本初の西洋美術専門美術館である大原美術館を設立しました。

この美術館には、エル・グレコやモネ、ゴーギャンなどの名作が収蔵され、戦前の日本で西洋美術を広める重要な役割を果たしました。

この美術館は、孫三郎の親友である洋画家・児島虎次郎の収集品も構成されています。

さらに孫三郎は、学術研究や教育の重要性を認識しており、多くの研究機関や学校の設立を支援しました。

特に、岡山大学の前身となる学校への資金提供や、地域教育環境の整備に尽力しました。

要するに、孫三郎は、単なる成功した実業家にとどまらず、社会的責任を重視しており、それが「日本のフィランソロピスト」として評価されている所以です。

フィランソロピストとは、寄付や時間、知恵、ネットワーク、名声などを用いて、社会貢献する人のことを指します。

孫三郎の信念は、「企業の利益は社会に還元されるべきである」というもので、経営哲学と実践が一致していました。

その「還元」先も先見性を持ち、当時の日本に不足していた医療・福祉・文化面での取り組みを積極的に推進しました。

しかも、「還元」は、会社の余剰利益だけでなく、私財も惜しげもなく投じました。

倉敷の美しい街並みや文化施設は、孫三郎の支援や投資によるものが多く、観光地としても注目されています。

ですから、孫三郎の行動は利己的ではなく、常に社会全体の幸福を追求するものでした。

企業経営と社会貢献を両立


孫三郎の没後も、設立した施設や理念は受け継がれ、現在に至るまで多くの人々に影響を与え続けています。

特に、大原美術館は日本を代表する美術館として、国内外で高い評価を受けています。

また、孫三郎の社会福祉活動は、現代の医療・福祉制度の先駆けとされています。

先日の星新一のところでも書きましたが、金持ちには2通りあり、より自分の富や名声を高める方向と、社会に還元していく方向がありますが、大原孫三郎は、その両方を満たしているのが特徴です。

たとえば、孫三郎は、西洋絵画を買い集めましたが、昨今の企業や金持ちのように、値上がり目的で買ったのではなく、みんなに見てもらうために買ったもので、それが西洋美術館になったわけです。

国立療養所岡山医療センター、公益財団法人労働科学研究所、岡山大学、倉敷紡績(クラボウ)、倉敷アイビースクエア、児島虎次郎支援、そして大原美術館など、今もその有形・無形の実績を数え上げれば枚挙に暇がありません。

孫三郎の名言をいくつかご紹介します。

「利益は社会に還元されるべきである。」
「病める者を見放さず、最善を尽くす。」
「働く人々が健やかであってこそ、事業は繁栄する。」
「次代を担うのは人であり、人こそが社会の基盤である。」
「美術は人の心を豊かにし、社会を健全に導く。」
「己のためだけでなく、世のために尽くす生き方を選べ。」
「利益はすぐに見えるものではない。人材に投資することで、それがやがて大きな成果を生む」

その先進的な視野と行動力は、現代の社会課題に対する取り組みにも多くの示唆を与えています。

大原美術館、行かれたことはありますか。

日本の企業家 10 大原孫三郎 地域創生を果たした社会事業家の魁 (PHP経営叢書) - 阿部 武司, 阿部 武司
日本の企業家 10 大原孫三郎 地域創生を果たした社会事業家の魁 (PHP経営叢書) – 阿部 武司, 阿部 武司

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