尼崎連続変死事件を漫画化した『実録衝撃事件暴発人間スペシャル』

尼崎連続変死事件は1987年頃に発生し、2012年に発覚し話題となった事件。漫画化したのは『実録衝撃事件暴発人間スペシャル』です。連日報道されたこの事件は確認された死亡者は8名。殺人容疑などで逮捕された主犯の女性は留置場で自殺しました。

尼崎連続変死事件（尼崎事件）は、2012年10月に兵庫県尼崎市で発覚した連続殺人・死体遺棄事件です。

洗脳惨殺事件という呼び方もあります。

1987年（昭和62年）ごろに発生した女性失踪事件を発端に、主に暴行や監禁などの虐待により死亡したとされる複数名の被害者が確認されています。

報道では尼崎連続変死事件などとも呼ばれ、連日のように報道されました。

それを漫画化したのは、『実録衝撃事件暴発人間スペシャル』

アンソロジーが、コアコミックスのレーベルでコアマガジンから上梓しています。

尼崎連続変死事件は、発覚当時連日のように報じられ、判明しただけでも25年の間に8名の死亡、行方不明者も加えると10名以上という大事件てす。

なのに、どうしてそうなってしまったのかがわかりにくかったので、報道を見聞きしてもなにかピンとこなかった方も少なくないのではないでしょうか。

犯行の背景には、結婚や養子縁組という、合法的に戸籍がつながる手続きによって親戚となることで堂々と相手の家庭に乗り込み、暴力を伴ったマインドコントロールともいえる状況下で、次々と死者を出してしまったことがあります。

本書は2022年8月11日現在、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。

洗脳・結婚・養子縁組などで家族ごと奴隷化
暴走する社会的弱者たちの壮絶不条理ルポ漫画

洗脳・結婚・養子縁組などで家族ごと奴隷化

本書のタイトルは、『尼崎大量殺人事件/角田美代子/5分でわかる難問犯罪の全貌』です。

本作に従って事件を追います。

尼崎市の韓国人集落に生まれ育った角田（旧姓・月岡）美代子主犯。

左官業の父親は遊郭に入り浸り、幼い頃から主犯は、その舎弟に育てられたそうです。

高校は中退。

売春スナックを経営し、少女に売春させたとして、19歳ではやくも逮捕されます。

本人はその頃から、知り合った血縁関係の無い人物を多く集め、疑似家族を築きながら共同生活をしていました。

たとえば、主犯の片腕となって、ファミリーに暴力をふるっていた韓国人は、「主犯の従兄弟」と報道されていましたが、主犯の叔父と養子縁組したためで血縁関係はありません。

ことほどさように、同居人同士を結婚させたり、ターゲットと養子縁組したりすることで合法的に身内にします。

疑似家族と言っても、主犯が洗脳して奴隷にしました。

些細な弱みにつけこんで恫喝・脅迫したり、難癖をつけて暴力をふるったりして、家族全体を支配する「家族乗っ取り」を行います。

そして、気に食わないことがあると、洗脳によって、その家族に家族を殺させました。

たとえば、26歳の時に主犯から洗脳を受けたある家族は、1987年にその母親がまず自分の家族から暴行を受けて死亡します。

1997年には長女が失踪。

2005年には、主犯の母親の養女にした「義理の妹」と結婚させた長男を、9000万円の保険金目当てで崖から転落死させます。

そして、2009年には次男も行方不明になります。

これによって、その一家は家族ごと消滅します。

主犯の人並み外れた能力とは、弱者を見抜く目だったそうです。

洗脳して言いなりになりそうな人を見つけて、自分の支配下に置くということです。

そして、奴隷のように扱い、ときには保険金目的で殺してしまう。

2011年（平成23年）11月に監禁されていた40代女性が監禁状態から抜け出し警察に駆け込んだことで事件が発覚。

あの北九州一家監禁殺人事件（2002年）と、犯行の内容も逮捕のきっかけも同じパターンです。

北九州一家監禁殺人事件（2002年）は日本犯罪史上最悪の事件と言われましたが、それを漫画化したのが『殺人犯の正体』です

北九州一家監禁殺人事件（2002年）は日本犯罪史上最悪の事件と言われましたが、それを漫画化したのが『殺人犯の正体』です。残酷な事件のため、テレビでは自主規制が敷かれたいわくつきの事件だったので、改めて犯人の人格や事件の詳細が明らかになりました。

運良く逃げ出せた人がいなければ、さらに犠牲者は出ていたのでしょう。

尼崎連続変死事件と北九州監禁連続殺人事件は
・親族同士で拷問や殺人をさせる
・閉鎖した集団内で厳しいランク付け(階級制度)
・マインドコントロール
という部分で共通してると思う。
また、周囲にさとられる事なく被害者を囲込み奴隷化する技術、治外法権状態を作り出す技術を研究していると思う。 https://t.co/muIKkkHdbi

— simaneko (Targeted Individual ) (@simaneko18) August 8, 2022

主犯は逮捕され1件の傷害致死罪などで起訴されましたが、2012年12月12日に兵庫県警本部の留置所で自殺しました。

「ファミリー」のうち、7名が殺人などの罪で裁かれ、全員が服役中です。

主犯は取調べで、まだ発覚していないものも示唆していたようです。

本来ならもっとも罪が重いのが、自殺した角田美代子主犯のはずです。

主犯の自殺については、「自殺をほのめかしていた容疑者を単独房に留置しなかったのが最大の判断ミス」との指摘もあります。

“殺しのプロ”が「角田美代子容疑者自殺」の疑問を解説 « 日刊SPA!

兵庫県尼崎市の連続変死事件で、殺人容疑などで逮捕された角田美代子容疑者（64歳）が昨年12月12日、留置場で自殺した。この自殺には、2つの疑問が残る。まず1つ目は、警察はなぜ6人が遺体で発見され、な…

「逆にわざと3人部屋に入れたと思う。『罪を軽くしてやるから角田から何か聞き出せ』と。同部屋にいた他の2人を懐柔したい警察側の思惑があったはずだ」

記事によると、そのような警察のやり方はよくあることだそうです。

暴走する社会的弱者たちの壮絶不条理ルポ漫画

本書『実録衝撃事件暴発人間スペシャル』は、Amazon販売ページに主な話のタイトルが紹介されています。

【新幹線焼身放火】貧困は国のせい下流老人道連れ自殺テロ
【相模原女性死体遺棄】誘い文句は「テレビ局内定と有名大学在籍」虚言癖女子アナヒモ息子愚劣すぎるペテン半生
【心斎橋通り魔殺人】また！死刑希望の身勝手凶行～人生を諦めた薬物中毒者の幻聴～
【平成版男・阿部定】妻をめぐるトラブルで局部切断恐怖の究極復讐劇
【尼崎連続変死事件】女郎蜘蛛の黒い履歴書　角田美代子
【千葉県柏市連続殺傷犯】「尾崎豊熱唱」「刺青全開」「放送禁止用語連発」公判での非道、暴虐の数々
【リンゼイさん殺害事件】サバイバル　市橋達也～逃亡960日の真実～
【光市母子殺人事件】反省なき犯人、妄言の弁護士団…
【大阪府豊中市妊婦殺害事件】恐ろしき隣人「倒錯的被害妄想」
【愛知県日進市強盗殺人事件】「ホモ」と呼ばれた男子学生容疑者
【和歌山県紀の川市男児刺殺事件】ニートを狂わせた厳格な家庭環境
【アクリフーズ農薬混入犯】巨額賠償を自伝出版で返済画策　ほか

これは宣伝コピーです。

実録衝撃事件暴発人間スペシャル/世間に復讐！暴走する社会的弱者たちの壮絶不条理ルポ漫画を大ボリューム収録！

他の事件についても、また別の機会にご紹介したいと思います。

なお、アンソロジーのムックについては、これまでもご紹介してきました。

『まんが実録業界絶体絶命最悪地獄SP』は、芸能界のヤバい話、タブー、放送禁止などを漫画化しました。