鈴木三郎助伝(故鈴木三郎助君伝記編纂会編、故鈴木三郎助君伝記編纂会)は、1909年に味の素を創業した生き様と功績についてまとめた書籍です。鈴木三郎助は、食品の保存性を向上させるために塩の代替品を探していたことがきっかけで、味の素を開発しました。(文中敬称略)
本日も、国立国会図書館より1932年初版の書籍です。
鈴木三郎助(すずき さぶろうすけ、1868年1月21日(慶応3年12月27日) – 1931年3月29日)は、味の素の創設者です。
日本の近代食品産業の発展に大きく寄与した人物です。
「かじめ焼き」が端緒!?
クイズの答えはこちらです?↓
みなさんいくつわかりましたか????①丸鶏がらスープ?
②ブレンディRスティック
③Cook DoR
④スープDELIR
何問わかったかリプライで教えてください??? https://t.co/vdwkNb1qPV pic.twitter.com/11gYhc0YJA— 味の素株式会社 (@ajinomoto) December 27, 2024
鈴木三郎助は、相模国三浦郡堀内村(現在の神奈川県三浦郡葉山町)の商家、父・三郎助(初代)、母・なか、の長男として生まれました。
幼名を泰助といいます。
父の初代三郎助は、商家「滝屋」を営んでいましたが、腸チフスにより35歳で他界したため、亡父の二十七日、泰助はわずか9歳で家督を継ぐことになりました(p.14)。
二十七日という供養の区切り表現は一般的ではないのですが、当時はあったのかもしれません。
泰助は、11歳で尋常小学校を出て高座郡羽鳥村(現・藤沢市)の耕余塾に預けられていましたが、米穀商で住み込みの見習いとなり、やがて独立。
しかし、資金繰りに躓き、それを埋めるために米相場に入れ込み、無一文になってしまいます。
その頃、母親は「かじめ焼き」を始めます。海草の「搗布(かじめ)」を海から引き上げて乾燥させ、あぶり焼きにして「沃度灰(ようどばい)」を作る作業です。
この沃度灰からヨード(ヨウ素)を抽出し、薬品を作ることが主な目的です。
日露戦争に伴う需要増により莫大な利益を上げたそうです。
泰助は、その資金をもとに独立します。
明治41年(1908年)、東京帝国大学の池田菊苗がグルタミン酸を主要成分とする調味料の製造方法を発明し、特許が認められたことで、鈴木は知己を通じてこの特許の実施契約を得ました。
そこで1909年、開発されたのが味の素でした。
発見を実用化し、「うま味」という概念を世界に広めるきっかけを作りました。
鈴木の功績は、
1.科学的発見を応用して社会に価値をもたらした先駆者であること
2.味の素の普及によって、日本の家庭料理や外食産業における味付けの多様性を広げ、料理の手軽さと質を向上させたこと
3.味の素の事業を通じて、多くの雇用を創出し、地域経済や社会に貢献したこと
などが挙げられます。
思うに、米相場でスッテンテンになって、失うものがなくなったことで開き直り、悩むより動けで、池田菊苗にアプローチしたことが成功につながったのでしょう。
味の素をどう見るか
今日は、京急・「東海道川崎宿起立400年・川崎区制50周年記念」HMを撮影しに行ってきました。なお、右下が小島新田方、左下が京急川崎方です。
京急大師線普通・京急川崎行き(1083X列車)
@京急大師線・鈴木町駅(KK-22)#653F#京急大師線#東海道川崎宿起立400年#川崎区制50周年記念 pic.twitter.com/eVlwVS6BKT— たけ2(JPN) (@take_48_0002) January 15, 2023
初詣参拝客ベスト3に入る川崎大師(平間寺)に向かう京急大師線は、起点の京急川崎を発つと、次は鈴木町駅です。
もとは味の素前駅として開業し、現在は鈴木町駅に改称しました。
駅前には味の素の工場があり、駅名は鈴木三郎助に因むものです。
以前は、予約なしの飛び込みで、味の素の工場見学ができました。
私はそれまで、「化学調味料なんて……」と思っていたフシもなくはなかったのですが、工場見学をして、おみやげにクックドゥーをいただいてから、いやいや、おみやげはもらわなかったとしても、味の素の真面目な商品づくりに考え方を改めました。
以前、カップヌードルの調味料であるグルタミン酸を原材料とする「味の素」が、石油で作られていると言われたことがありました。
カップヌードルと中華料理店症候群の問題、真相はどうよ https://t.co/7XBbpvpeJ3 pic.twitter.com/qc9PnjP9Tr
— 赤べコム (@akabecom) February 7, 2016
旨み成分のグルタミン酸ナトリウムは石油で作るから、インスタントラーメンは石油汁を食べているようなものだ、などという酷評も一部にはあり、だから「インスタントラーメンは体に悪い」というイメージがありました。
私の問い合わせに、味の素広報部は、石油由来についてはこう教えてくれました。
「『味の素』の原材料であるグルタミン酸は、1962~1973年の一時期に、発酵法による製法の他に、石油からつくられるアクリロニトリルを使用して製造していましたが、効率が悪かったため中止され、1973年以降はさとうきびの糖蜜やキャッサバやとうもろこしのでんぷんなどを原料とした発酵法のみで製造されるようになりました。」
石油そのものがスープに入るわけではなく、石油から得られる化学物質を利用して、グルタミン酸を合成していたということです。
さらに現在は、石油由来の化学物質も使われていない、とのことです。ですから石油云々は無問題です。
そして、現在のグルタミン酸の安全性についてはこう太鼓判を押しています。
「1987年には世界中の研究機関で行われたグルタミン酸ナトリムの安全性に関する研究成果をもとに国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)のFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)がグルタミン酸ナトリムの安全性について評価を行い、使用量の制限はなく、大人から幼児にいたるまでどなたでも(妊娠している方、赤ちゃんにも)安心してご使用いただけ、安全であると評価しています」(お客様相談センター)
カップ麺の弊害は、油であるとか、糖質(とくにグルテンが問題になっている小麦粉)とか、塩分過多になるとか、一部のミネラルが不足するとか、むしろそちらこそが問題ではないかと思うんですけどね。
それについては、たとえば、賞味期限を守るとか、保存に気をつけるとか、スープを飲み干さないとか、その日のそれ以外の食事では、パンや麺類や揚げ物は控えるとか、ひと工夫することでフォローもできると思います。
ですから、無理に食えとは言いませんが、少なくとも、それを食べたらたちどころに健康を害す……などと過剰に恐れることもないと思います。
味の素の現在の商品ラインナップは、うま味調味料、だし調味料、うま味調味料、洋風スープの素、鶏がらスープの素、顆粒中華だし、ペースト中華だし、マヨネーズ、ドレッシング、オイスターソース、肉用調味料、鍋つゆの素、中華合わせ調味料、パスタソース……
その他、冷凍餃子、アミノ酸含有食品、栄養ケア食品など、「食」のサポートを幅広く行っています。
私は、味の素は使わないのですが、鶏がらスープの素やクックドゥーなど、個人でこしらえるのはちょっと大変な部分を助けてもらうために使います。
みなさんは、いかがですか。
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