「体に良い」の落とし穴?大豆イソフラボンの意外なリスクと賢い摂り方。毎食のように大豆製品を積極的に摂っていませんか?

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「体に良い」の落とし穴?大豆イソフラボンの意外なリスクと賢い摂り方。毎食のように大豆製品を積極的に摂っていませんか?

「納豆や豆腐、豆乳は体に良いから、毎日たくさん食べるべきだ」——そう思って、毎食のように大豆製品を積極的に摂っていませんか?

健康的なイメージが定着している大豆食品ですが、実は甲状腺機能や乳がん、女性ホルモンへの影響について、専門家の間でもそのリスクとメリットの両面が議論されています。

だからといって、「大豆を一切食べてはいけない」という極端な話ではありません。大切なのは、メリットだけでなくリスクも正しく理解し、自分の体に合った「適切な量」を選択することです。

今回は、石黒成治医師の動画などから大豆イソフラボンの知られざる二面性と、賢い付き合い方について分かりやすく解説します。

大豆のイソフラボンは「諸刃の剣」である

今日の情報源は、石黒成治医師です。

大豆に含まれるイソフラボン(植物エストロゲン)には、体にプラスに働く効果と、注意すべきリスクという相反する二面性が存在します。

期待される効果の側面 疫学研究においては、大豆食品の摂取量が多い人ほど乳がんの発生率が低下するというデータが得られています。また、閉経後女性のホルモン変化に伴う諸症状の改善や、男性の前立腺がん予防に対する有効性についても期待が寄せられています。

注意すべきリスクの側面 一方で、高用量のイソフラボン摂取には懸念も存在します。動物実験では乳腺腫瘍の発生や、体内のヨウ素(ヨード)が低下している状態において甲状腺腫瘍ができやすくなるリスクが報告されています。2017年の研究論文でも、植物エストロゲンが潜在的に健康へ悪影響を及ぼす可能性が指摘されました。

動画内では、この二面性について次のように語られています。

「植物エストロゲンが健康に有益な影響のみであると明確に言うことはまだできません。エストロゲンが体に良いと思い込んでいるのは、諸刃の剣です。」

筆者コメント・分析 「体に良い成分=いくら摂っても安全」という思い込みは危険です。特にヨウ素不足といった栄養状態や個人の体質によっては、期待されるメリットが思わぬリスクに転じる可能性があることを知っておく必要があります。

効果を得られる人は「わずか3〜4割」?腸内細菌とエクオールの真実

大豆イソフラボンを摂った際に、体内で期待通りの健康効果(乳がん予防など)が得られるかどうかは、実はその人が持つ「腸内細菌」に大きく依存しています。

イソフラボンが体内で代謝されて生じる「エクオール」という物質に強い乳がん予防効果が報告されていますが、このエクオールを産生できる腸内細菌を持っている人は、日本人でも全体の約3〜4割しかいません。

つまり、体質(腸内細菌の有無)によって「大豆の恩恵をしっかり受けられる人」もいれば、「ほとんど効果が得られない人」もいるのです。

「大豆を食べれば誰でも等しく健康になれる」わけではなく、作用の出方には大きな個人差があるという現実を認識することが重要です。

「隠れエストロゲン」との掛け合わせでリスクが高まる

現代の生活環境において、私たちが摂取するホルモン様物質は大豆からだけではありません。日常生活の中には「内分泌かく乱物質(エストロゲン様物質)」と呼ばれる環境ホルモンが潜んでいます。

私たちは普段の生活の中で、以下のような製品から知らず知らずのうちに環境エストロゲンの影響を受けています。

  • 化粧品
  • シャンプー
  • プラスチック用品

このような環境ホルモンに多くさらされている人が、さらに大豆イソフラボンを大量に摂ると、体内のエストロゲン総量が過剰(オーバーロード)となり、乳がんリスクやホルモン異常のリスクを押し上げてしまう可能性があります。

一方で、環境ホルモンの影響が少ない人であれば、イソフラボンがプラスに作用することもあります。大豆単体ではなく、生活環境を含めた「エストロゲン全般の過剰」に注意が必要です。

日本人はすでに足りている?「毎日大量摂取」を見直す理由

「健康のため」と意識して大豆製品を毎日大量に摂ろうとする方も多いですが、日本人の一般的な食生活においてイソフラボンが極端に不足することは考えにくいのが実情です。

日本人は、普段のご飯とお味噌汁といった伝統的な和食のベースから、すでに1日あたり25〜50mgのイソフラボンを自然に摂取しています。

土台となる毎日の食事で十分な量が確保されているため、その上に重ねて「毎日欠かさず納豆や豆腐を大量に食べる」「豆乳を日常的にガブ飲みする」といった過剰な追加摂取をする必要はありません。

どんなに体に良い食材であっても、無制限に摂って良いわけではないという視点を持ちましょう。

大豆由来食品による明暗報告


国立がん研究センターの多目的コホート(JPHC)研究によると、納豆など発酵性大豆食品をよく食べる人は、そうでない人と比べて10%死亡率が低かったという報告があります。

その一方で、総大豆食品や非発酵性大豆食品(豆腐など)の摂取量が多いグループほど、膵臓がんの罹患リスクが統計的に高くなる傾向(最多群で最少群の1.48倍)が報告されています。

一方、納豆や味噌などの、発酵性大豆食品では有意な関連は認められていません。

この数字だけ見ると、「えー、豆腐1/3丁でも膵臓がんになっちゃうの」と不安になりますが、この多目的コホート研究(JPHC研究)は、対象者の「日頃の食習慣」をアンケートで調査し、その後平均で約17年間という長期にわたって追跡したものです。

そのため、「数週間から数ヶ月、豆腐を多く食べたからといって、すぐにリスクが跳ね上がる」というような短期的なものではありません。

長年の生活習慣として、何年、何十年と「毎日100g以上食べ続ける習慣」が定着している場合に、最終的な生涯の罹患リスクに差が出てくる、と捉えるのが正確です。

調整するなら非発酵食品か

私は、納豆1パック半と味噌汁は常食であるのに加えて、最近は厚揚げにハマっているのですが、それだけでも、わずかに基準を超えてしまうのです。

結構厳しいですよね。

どうして1パック半かというと、粒納豆とひきわり納豆では栄養成分が違うため、2:1の割合でいただいています。

まあどれをやめるかといったら、やはり「非発酵」の厚揚げの方でしょうね。

きなこをかけた餅や和菓子をいただくこともあるので、それも調整しなければならないかな。

「いや、自分は高齢だからそんなの気にしないよ」と言われる方もおられるかもしれませんが、この研究で言う「膵臓がん」とは、発がん性なのか、それともがんを進行させるものなのかまではわからないので、後者なら高齢の方も気にされる意義はあると思います。

みなさんは、基準内でおさめられていますか。

クロワッサン特別編集 女性のカラダを守る大豆発酵食健康法。 (マガジンハウスムック) - マガジンハウス
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