自動車保険は、初めて加入するとき「保険会社はたくさんあるけれど、どこの保険会社がおすすめなの?」と疑問がわくでしょう

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自動車保険は、初めて加入するとき「保険会社はたくさんあるけれど、どこの保険会社がおすすめなの?」と疑問がわくでしょう

自動車保険は、初めて加入するとき「保険会社はたくさんあるけれど、どこの保険会社がおすすめなの?」と疑問がわくでしょう。現在どこかと契約していても、もっと安くて良い契約があるのではと思われるかもしれません。そこで、私の経験です。

同一商品同一保険料から変化した現在の損保業界

私は、もともと損害保険会社で保険の募集をしており、まあいうなれば保険は元プロです。

ところが、自分が入っている契約は、その当時のままのため、むしろ「悪い例」になってしまっていることに気が付きました。

具体的には、自動車保険のことです。

正確には、自賠責保険は自動車の購入時に強制的に入りますが、任意保険です。

自動車保険は、運転中の思わぬ事故によって発生した損害を、対人・対物など補償してくれる保険です。

自動車事故は、人身事故であれ物損であれ、数千万~1億円以上におよぶ高額賠償金になり得るものですから、任意保険と書きましたが、自動車のオーナーが自動車保険に入らないということはほぼありえません。

ただ、保険の専門家でもなく、とくにツテもない一般の人は、車を購入したディーラーが代理店になっている保険会社の任意保険に、言われるがままに入っているのではないでしょうか。

もしくは、火災保険などに入っていて、長年懇意にしている代理店にお願いしているかもしれません。

昭和の元号がつく1980年代ならそれでもよかったのです。

なぜなら、自動車保険は損保各社、同一約款(保険の補償内容)商品を同一価格で募集していたからです。

つまり、どこと契約しても同じだったのです。

後述しますが、1990年代後半から、保険事情がガラッと変わりました。

要するに、自由競争になり、保険会社もネット専業(つまり経費削減で保険料が安い)が登場するようになったのです。

したがって、今までの会社にずっーと契約することがよいとはいえなくなりました。

携帯電話のように、長年契約をすることによる割引でもあればともかく、自動車保険にそれはありませんから、更新(1年)ごとによりよい条件の契約会社を検討すべき時代に入ったのです。

自動車保険の一括見積り利用

前置きが長くなりましたが、自動車保険の一括見積り、というネットのサービスを利用してみました。

いわゆる『3メガ損保』といわれている、大手損害保険会社の一つに契約していた自動車保険の満期が来るので、現在付保している保険料や保険内容との比較をしてみようと思ったのです。

その結果、現状とあまりにも違うので、自分の時代遅れぶりに愕然としてしまいました。

そこが高いというのはわかっていたのですが、担当代理店の前身は、私の親の時代から数十年に渡る付き合いがあったため、何となく続けていました。

で、今年になって、医療保険や傷害保険など、保険の見直しを行ったことで、この際だから自動車保険も見積もりぐらいとってみようか、ということで、一括見積りを行ったところ……

従来の保険料が52,320円(20等級、対人・対物無制限、人身傷害5000万円、車両不担保、年齢・運転者制限あり)

だったのが、ほぼ同じ補償で

A社23,000円
B社20,410円
C社23,710円
D社18,990円

というので、ビックリ、そしてがっくり。

ネット割引含んだ料金ですが、それにしても倍ぐらい違います。

今までどれだけ余計な金をつぎ込んできたのだ、と。

見積もりした会社は、ネット保険、外資系保険、他業界から進出してきた保険と、すべて金融ビッグバン(1996年)以降の金融自由化にともなって登場した新興保険会社です。

実は私自身が、自動車保険を契約している会社とは別の会社ですが、その『3メガ損保』のひとつで働いていたため、伝統的国内損保会社の、信用や事故処理能力を過大に評価する、時代遅れのところがありました。

損害保険の種目は、自動車保険以外は、火災保険と新種(傷害保険や賠償責任保険など)がありますが、それらについても、見直しを検討する気になりました。

再編されて多様化された保険会社と商品

90年代前半までの保険業界は、比較的おだやかな競争の中で共存する状態でした。

たとえば、生命保険と損害保険の棲み分けが行われていただけでなく、各損保会社は同じ保険料率で同じ保険商品を販売していました。

ということは、大きな資本の会社が、看板や財力にものをいわせて小さな会社にはできない独自のサービスによって顧客を囲い込み、小さな会社をつぶすということがなかったわけです。

こうした業界各社の安定経営を行わせるために、さまざまな行政指導や保護を行う構造は、「護送船団方式」などと呼ばれていました。

それが、アメリカの要望を受けたときの橋本龍太郎内閣によって、1996年に「日本版ビッグバン」という金融政策を標榜。

保険を含めた、金融界全体が自由競争への道筋を徐々につけられたのです。

1996年の「日米保険協議」に基づき保険業法が改正。

生命保険会社は損害保険会社の、損害保険会社は生命保険会社の子会社を作り「異業種」に進出できるようになりました。

たとえば、日本生命はニッセイ損保(現ニッセイ同和損保)を、東京海上は東京海上あんしん生命(現東京海上日動あんしん生命)を設立。

ただ、この段階では、生保系損保会社は傷害保険を扱わないし、損保系生保会社も医療保険を扱えないという制限がありました。

1998年には損害保険料率が自由化され、外資系損保会社がリスク細分化型自動車保険の販売をはじめたため、同一料金同一商品で共存共栄だった損保も、いよいよ価格競争が始まることになりました。

そして、2001年1月にはその総仕上げとして、全ての保険会社が第三分野の保険商品を扱えるようになったのです。

これによって、小さい保険会社は大きな保険会社に吸収され、さらに大きな保険会社同士が合併するなど、大規模な再編が行われました。

このへんは、銀行と同じですね。

その中で、商品としての自動車保険も多様化されました。

現在のネット専業の新興保険会社は、間違いなく従来からある損保会社よりも保険料は安いし、従来の自動車保険にはなかった特約もあります。

たとえば、自転車保険や、個人賠償責任保険などです。

現在の保険料がどのくらい安くなるか、それらの会社の一括見積り、試されてはいかがですか。

以上、自動車保険は、初めて加入するとき「保険会社はたくさんあるけれど、どこの保険会社がおすすめなの?」と疑問がわくでしょう、でした。

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