
東京都議会選挙(2025年6月22日投開票)が終盤を迎えるなか、東京23区の「火葬料金高騰」が静かに、しかし確実に都民の暮らしと政治の争点として浮かび上がっています。表立った争点ではありませんが、現場では「看過できない」「危機感」といった声が上がり、複数の政党や候補者が政策やSNSで取り上げています。
火葬料高騰の現状と背景
東京23区内には9か所の火葬場がありますが、そのうち7か所が民営、2か所が公営となっています。
特に民営の火葬場の多くは大手企業「東京博善」が運営し、その料金はここ数年で急騰。
かつて5万円台だった利用料は、2025年現在では9万円に達しています。
一方、公営の火葬場でも4万4,000円(区民)、5万円(都民)と、全国平均(1万~2万円)や都内多摩地域の無料~低額と比べて極めて高額です。
この値上げの主因は、民間事業者による度重なる値上げと、23区特有の「民間依存体制」にあります。
地方では99%の火葬場が自治体運営であるのに対し、23区は歴史的経緯や用地確保の難しさから民間主導が続き、価格決定にも自治体が関与できない状態が続いてきました。
遺族や住民への影響
東京新聞の「火葬場寡占問題の第二弾」、料金が高いのも問題だけれど、度重なる改悪に指導がされてないのが問題なのです。
「費用が高くて」火葬を拒む遺族も 東京23区内の特殊事情とは 関係者「別れの機会奪うなら…切ない」:東京新聞 TOKYO Web https://t.co/aGtTgA2K8U
— 佐藤信顕@葬儀葬式ch 日本一の葬祭系Youtuberです+減税会 (@satonobuaki) August 8, 2024
料金高騰の影響は深刻です。遺族が火葬を拒む、あるいは火葬費用のために遺体の引き取りをためらうケースまで発生しています。
上掲のOGPによると、ある区では住民が親族の遺体を引き取らず、区が「行旅死亡人」として火葬を行った事例もあるそうです。
これは経済的な理由で、「最後の別れ」すらままならない現実を浮き彫りにしています。
政治的争点としての火葬料問題
この問題は都議選の「隠れた争点」ともいわれています。
たとえば、日本共産党は政策集に「火葬料の引き下げ」を明記し、火葬場インフラの民営化反対も打ち出しています。
国民民主党の一部候補者は、火葬業界への外資参入に対する危機感をSNSで発信。
実際、東京博善の親会社である広済堂HDには中国資本が入り、経営への関与が強まっていることも指摘されています。
立憲民主党や自由民主党、公明党も、火葬料の高騰が都民生活に与える影響を重視。
自民党は「特定企業による運営集中が都民負担増につながっている」とし、公明党も「一部業者による値上げが都の不利益になっている」と問題視しています。
なぜ23区だけが高いのかーー構造的課題
大きく3つの点が挙げられます。
民間依存体制:23区は用地不足や都市化の進展で新規公営火葬場の設置が難しく、既存の寺院火葬場などを民間が運営する形が定着。
価格決定の自由:民間火葬場は許認可制ではなく、自治体の関与が難しい。値上げの根拠も「燃料費や人件費の高騰、修繕費」などとされるが、自治体側は実態把握が困難。
独占的状況:東京博善が6か所を運営する「ほぼ独占状態」であり、価格競争が働きにくい。
各党・自治体の対策と提案
では、実際にどうすれば改善されるとしているのでしょうか。
届出制導入の検討:複数の政党が火葬料金の適正化や透明化のため「届出制」導入を主張。
公営火葬場の新設:中野区や墨田区などでは公営火葬場建設に向けた陳情や調査が進行中。
経営関与強化:株式取得などを通じて自治体が経営に関与し、公共性を担保する案も議論されている。
国民健康保険や後期高齢者医療制度での補助増額:立憲民主党は補助金引き上げも提案。
外資参入への懸念と公共性の再確認
火葬場は、「人生の最期を見送る」公共インフラであり、単なるビジネスではないという認識が広がっています。
外資参入による利益優先や、公共性の低下を懸念する声が強く、都議会議員や関係者からは「自治体・東京都・国が今こそ動くべき」との訴えが相次いでいます。
火葬料高騰は、表向きの政治争点ではありませんが、都民の暮らしや人生の節目に直結する重大な課題です。
民間依存体制の見直し、価格の透明化、公営インフラの整備など、長期的かつ多角的な対応が求められています。
都議選を機に、この「静かな争点」にも注目し、都民一人ひとりが声を上げていくことが、より良い東京の未来につながるでしょう。
人がなくなると、「葬儀」の段取りや費用を考えなければなりませんが、火葬料も問題になっていたのです。
私は、料金もさることながら、火葬場が足りないのではないか、という点も感じています。
単なるビジネスではないといいながらも、参入企業が独占状態なら料金も動きません。
火葬場建設というと、すぐ住民運動が起こるのですが、人はみんなお世話になるところですし、もう少し増えてもいいんじゃないかなと思っています。
みなさんの地域の「火葬料」はいかが相成っておられますか。

最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常 (バンブーコミックス エッセイセレクション) – 下駄華緒, 蓮古田二郎


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