まんが悪の帝王列伝残虐非道な日本の経営者たち(コアコミックス)は、実業界で大きな成果を出して名を成した伝説の人物伝です。ジャパネットたかたの高田明初代社長など、思ったことはすぐに実践する積極性で共通した人々です。(文中敬称略)
今日は、『まんが悪の帝王列伝残虐非道な日本の経営者たち』からご紹介します。
登場人物を、目次からご紹介します。
成功を収めた企業社長5傑日本を震撼させた影響力
松下幸之助、本田宗一郎、吉田秀雄、小倉昌男、盛田昭夫
笹川良一
競艇の父、悪名の社会奉仕家
横井英樹
昭和の「乗っ取り屋」
瀬島龍三
伊藤忠商事会長にして中曽根内閣の懐刀
渡辺晋
テレビタレント業界のドン
堤康次郎
ついた異名は「ピストル堤」西武グループ創設者
五島慶太
“大東急”帝国を作った「私鉄王」
小佐野賢治
故田中角栄元首相を陰で支え企業買収で財界を席巻した男
渡邉恒雄
マスメディアのボス、読売新聞グループ会長
岡田茂
頂点から解任まで追い詰められた社長
正力松太郎
戦後メディア支配ー全ては政界進出のために
髙田明
ジャパネットたかた
児玉誉士夫
歴代総理を金と力で操る日本を支配した魔王!
賀屋興宣
米CIAと自民党を繋いだ戦後政界の指南役
これまで、小倉昌男と渡辺晋についてご紹介しました、
人生ヤるかやらないか、などと、普段エラソーに書いている私ですが、この方々ま実行力には、もちろんかなうはずもありません。
善人かどうかは別として、日本の企業・産業をつくりあげた人々です。
もちろん、やりすぎた恐喝とか汚職とか、ホテルニュージャパンのような人命に関することとか、それ以外に犯罪にはならないけれど道義的に悪いことというのは、その時時できちんと社会的な評価を受けるべきです。
ただ、経営者、とりわけ創業家は、軌道に乗るまである程度強引だったり未熟だったり、というのは、現在の社会に、良いことでも悪いことでも反映しているわけで、ひとつの歴史として事実をきちんと見ておくことは必要でしょう。
今回は、高田明(たかた あきら、1948年11月3日 – )にフォーカスします。
ジャパネットたかたの創業者で、同社が制作するテレビ・ラジオショッピング番組のMCとしても知られました。
あの、甲高い声で、懸命に説明する姿は、印象的でしたね。
技術・度胸が求められる営業
【MIMIGAKU 講話からの言葉】
「台本なんてないんです。本当に伝えたい気持ちを本気で表現しようとすると、顔がしゃべって、目がしゃべって、手がしゃべる。言葉でなく、全身でしゃべる。気持ちで伝える。それが商売の原点なんです。誰より愚直に王道経営を実践してきた」(高田明氏) #名言 #哲学 pic.twitter.com/jvLKYYI5V7— ミミガク@日本経営合理化協会オーディオ・ヴィジュアル局 (@jmcaav) October 13, 2024
髙田明は1948年11月3日、長崎県平戸市で、カメラ店の次男として生まれました。
大阪経済大学経済学部卒業後、京都府内の産業用機械メーカー・阪村機械製作所に入社。
同社貿易部社員として、入社わずか2年目の1972年から約8か月間、西ドイツ・デュッセルドルフで海外赴任を経験するなど、会社からは期待されていたようです。
が、本人は翻訳会社で独立しようと野心を抱いて退社。
しかし、それはうまくいかず、1974年から兄弟で実家のカメラ店を手伝っていました。
この時点でまだ26歳ですから、退社も挫折も早いですね。
ここが難しいところで、成功者になれるかどうかは、「諦めない」と「見切りをつける」の見極めで決まると言っても過言ではないでしょう。
その後、開設された支店を任され、さらに本体のカメラ店からは別会社としてスタートさせます。
高田は、ホテルの宴会場に出かけ、そこで写真を撮りまくり、急いで現像して紙焼きの即売会を開くという、技術・度胸が求められる営業を行ったそうです。
まあ、今ならスマホで撮ってしまうので、この手法はむずかしいかもしれませんけどね。
この営業で身につけた度胸とトーク力が、後の社長自らメディアに登場したCMにつながったわけです。
それで、本書が描いているのは、2004年に起こった、同社で個人情報の漏洩事件です。
ピンチのときにこそ真価が問われる
ジャパネットたかた創業者 高田明さんのコトバの中で一番好きなのがコレ、
『やってだめだったことは失敗じゃない、一所懸命やらなかったことが失敗』
シンプルだけどとても深い。 pic.twitter.com/17Deuwaos1
— ぴーたろ (@Ptaro_chan) November 11, 2024
高田は、情報漏洩の事実を知ってから、なんと2時間後には記者会見を開き、すぐに50日間の営業自粛を発表しました。
そして、その間、全社員は、顧客に対する報告と謝罪に明け暮れました。
ほどなくして、元社員2人の犯行が明らかになりましたが、たかたの対応によって、同社は逆に信頼度がアップ。
休業中の負債は200億だったそうですが、事業再開後、すぐにおぎなえたそうです。
さらに、翌年には「個人情報保護法」が事業者に適用となり、たかたは事業者の「模範対応例」として、各種研修にもとりあげられるようになりました。
「事業者の失敗が逆に評価を上げ、信頼を勝ち取ることにつながった、数少ない成功例である」と本書は結んでいます。
いましたよね、週刊誌に書かれたら、5億5000万円のスラップ訴訟仕掛けて、途中で増額しても相手はびくともしないので、仕方なく自分から取り下げたものの、ずっと表には出てこない人。
記者会見は義務ではないけど、一連のことは、世間的な評価としては悪手だなと思います。
みなさんは、大きな失敗をした時に、率直に対応できますか。
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