葬儀の読経や法要で支払うお布施の大部分が仲介した葬儀社の手数料として差し引かれているという朝日新聞の記事が話題になっています。

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葬儀の読経や法要で支払うお布施の大部分が仲介した葬儀社の手数料として差し引かれているという朝日新聞の記事が話題になっています。

最近、葬儀の読経や法要で支払うお布施の大部分が、仲介した葬儀社の手数料として差し引かれているという朝日新聞の記事が話題になっています。

神奈川県仏教会では、檀家の方々に安易なネット広告に飛びつかないよう注意を促すパンフレットを作成しているそうです。今回はこの問題について考えてみたいと思います。

お布施とは何か?その本来の意味

今日の情報源です。

まず、お布施とは何なのでしょうか。お布施は、読経や法要に対する対価というよりも、僧侶への感謝の気持ちを形にしたもの、布施行(ふせぎょう)としての宗教的行為です。本来は「御布施」と書き、仏教では布施(ほどこし)として重要な修行の一つとされています。

しかし現代では、読経や法要に対する実質的な謝礼としての性格も強くなっています。問題は、その金額がどのように決められ、誰の手に渡るのかという点です。

お布施はどうやって値付けされるのか?

お布施の相場は地域や宗派によって大きく異なります。一般的には、通夜・葬儀・初七日法要をセットで5万円~20万円程度が相場とされていますが、都市部ではさらに高額になる場合もあります。

しかし、この金額設定には明確な基準があるわけではありません。多くの場合、以下の要素によって決まります:

  • 地域の慣習や相場

  • 寺院の格や知名度

  • 葬儀の規模や内容

  • 檀家としての歴史的な関係

問題は、このお布施の金額が僧侶の手元に全額渡るわけではないことです。最近明らかになったのは、葬儀社が仲介する場合、お布施の大部分が葬儀社の手数料として差し引かれている実態です。

葬儀社による仲介手数料の問題

朝日新聞の報道によれば、神奈川県内の事例では、檀家が葬儀社を通して支払った10万円のお布施のうち、実に7万円が葬儀社の手数料として差し引かれ、僧侶に渡ったのは3万円だけだったケースもあるそうです。

これはなぜ問題なのでしょうか?

まず、檀家は僧侶に対して適切な謝礼を支払っているつもりでも、実際にはその大部分が葬儀社の収益になっている点です。また、僧侶側も適正な対価を得られず、結果的に宗教活動を持続することが難しくなる可能性があります。

さらに、こうした事例が増えると、寺院と檀家の伝統的な関係が損なわれ、宗教文化そのものが衰退する恐れもあります。

安価な読経サービスとネットワークの台頭

これに対し、近年では安価で読経などを引き受ける住職のネットワークも登場しています。これらのサービスは、従来の檀家制度に縛られず、低価格で法要を執り行うことが特徴です。

確かに、経済的な負担が軽減されるというメリットはあります。しかし、こうしたサービスだけに依存することには問題もあるでしょう。というのも、寺院と檀家の関係は、単なる読経の請負業務ではなく、人生の節目節目での精神的支え、地域コミュニティの一員としての関係性も含まれているからです。

檀家づきあいは今後必要なのか?

では、現代において檀家づきあいはまだ必要なのでしょうか?

この問いに対する答えは一概には言えません。檀家制度には以下のようなメリットがあります:

  • 人生の節目節目での精神的サポートが得られる

  • 地域の伝統や文化の継承につながる

  • 緊急時にも頼りになる関係性が構築できる

  • 先祖代代の墓を適切に管理してもらえる

一方で、経済的負担や、現代の移動の多い社会には合わないというデメリットもあります。

重要なのは、形だけの檀家制度に縛られるのではなく、自分にとって本当に意味のある寺院との関係を築くことではないでしょうか。例えば、必要な時に適切な対価で法要を依頼する「都度払い」の関係もあれば、より深い信頼関係に基づく伝統的な檀家関係も、それぞれの事情や価値観に応じて選択できるはずです。

適切な葬儀のあり方とは

葬儀社にすべてを任せる「丸投げ」葬儀が必ずしも悪いわけではありません。忙しい現代人にとって、葬儀社の専門知識とネットワークは大きな助けになります。しかし、以下の点には注意が必要です:

  1. お布施の内訳を明確にすること

  2. 寺院との直接のやり取りも検討すること

  3. 地域の慣習や宗教的な意味合いも尊重すること

また、寺院側も現代の社会状況に合わせた柔軟な対応が求められていると言えるでしょう。

これからの寺院と信徒の関係

今回の問題は、単なる金銭的な問題ではなく、変化する社会の中で、寺院と人々の関係がどうあるべきかという根本的な問いかけでもあります。

伝統的な檀家制度は、現代社会のライフスタイルや価値観と必ずしも一致しない面もあります。しかし、人が生老病死に向き合う際の精神的支えとしての宗教の役割は、むしろ重要性を増していると言えるかもしれません。

これからは、形だけの慣習ではなく、お互いの意思と選択によって築かれる、新しい寺院と信徒の関係が模索されていくのでしょう。

まとめ

お布施をめぐる問題は、私たちが「死」や「宗教」とどう向き合うかという深い問いを投げかけています。葬儀社の手数料問題はその表面だけであり、本質は変化する社会における宗教の役割と、伝統的な共同体のあり方そのものにあるのです。

どのような形で寺院と関わるにせよ、重要なのは、形骸化した慣習に流されるのではなく、自分自身の価値観や信念に基づいて選択することではないでしょうか。それこそが、本当の意味で故人を悼み、生命の尊さをかみしめることにつながるのだと思います。

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