有賀さつきさんの訃報が話題です。早逝したことだけでなく、その亡くなり方に4つの現代的な問題提起も含まれているからです

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有賀さつきさんの訃報が話題です。早逝したことだけでなく、その亡くなり方に4つの現代的な問題提起も含まれているからです

有賀さつきさんの訃報が話題です。早逝したことだけでなく、その亡くなり方に4つの現代的な問題提起も含まれているからです。「ピンピンコロリ」「死因(病名)を明らかにしない」「家族葬」「子をめぐる離婚相手との関係」など、考えさせられます。

日本人は「死」で思考停止する

有賀さつきさんの突然の死に、追悼メッセージがいろいろな人から寄せられています。それはもちろん当然ですが、今回の訃報はただ「悲しい」だけではなく、そこには私たちだったら将来どうするか、という「亡くなり方」について、切実過ぎる4つの論点も含まれています。

その前に、有名人の訃報というと、得てして生前行われていた批判が一切封印されて、急に無謬な人になってしまうことがあります。

たとえば、先日の星野仙一氏が亡くなったときも、いい事ずくめの追悼の声に満ちていました。

しかし、傷害事件になってもおかしくない暴力制裁の数々、日本代表監督の私物化など、今後の野球界のためにも批判すべき点だって多々あったはずなのに、マスコミは、いっさいを“チャラ”にしてしまいました。

とにかく日本人は「死」に弱い。

死んだから筋が通るというものでもないのに。

人格を冒涜するようなことは論外としても、亡くなったときだからこそ、今まで言いづらかったことも含めて、事実と道理に基づいて是々非々で論じることこそが、亡くなった人が懸命に生きたことに対する社会的評価を誠実に行うことにつながるのではないでしょうか。

ということで、有賀さつきさんの“急死”についてもいろいろな議論があります。

それは私たちの将来にとっても考えさせてくれる有意義な問題です。

まとめ記事です。

有賀さつきさんの「葬儀参列者は2人」報道に喧々諤々 - ワイドショーweb
1: まとめ太郎 2018/02/08(木) 17:32:33.9...

議論されているのは、「亡くなり方」です。

亡くなり方をめぐる論点

急死が「かっこいい」という見方があるのですが、そうでない意見もあります。

以下は、それらの論点ごとに私の意見を書きます。

ピンピンコロリでかっこいい

そもそも、今回のケースがピンピンコロリかどうかはわかっていません。

ピンピンコロリというのは、野村沙知代さんのような亡くなり方をいうのであり、ほとんどの人がああいう亡くなり方はせず、何らかの治療・処置は行うはずです。

有賀さつきさんは、ここ1~2年、痩せてウィッグをつけていたという話もありますから、もしかしたら抗がん剤治療を行っていた可能性もあります。

そして改めて私が気になったのは、人々の「ピンピンコロリ願望」です。

ピンピンコロリは、遺された人のことを考えているようでいて、実は肝心のことを考えていない自分勝手な一面があると私は思います。

年令に関係なく、近い人に突然死なれたら、人というのは、多少なりとも後悔や喪失感を残すものです。

親が認知症になったとたん、すぐに死んでほしいと思えるなら、私はやはり疑問符をつけます。

親が認知症になって、さんざん迷惑をかけて、子供に「もう十分あんたの親孝行はしたよ」と思わせてから亡くなることで、はじめて子としての達成感といいますか、納得とはいわないまでもふっきれて諦められる最期を迎えられるのではないでしょうか。※認知症の親は施設に入れずに面倒を見るべき、という意味ではありません。

もちろん、親子関係にもいろいろありますし個々の事情も様々ですが、人の生きざまとして、介護の迷惑をかけてから亡くなることは、“人の一生”として一概に悪いことだとは思えないのです。

死因(病名)を隠したのはかっこいい

これも、第三者に対してならともかく、それが事実であるなら、父親や娘さんに対してまでも隠すのはいかがなものでしょうか。

とくに娘さんに対して不誠実だと思います。

私がその立場だったら、妻や子に対してはちゃんといいます。

もっとも、闘病経験がある人はわかると思いますが、そういうときの当人は、「死ぬかもしれない」という気持ちと、「きちんと治療して回復する」という両方の可能性をもっているので、助かる場合を考えて、余計なことは言わないようにしよう、ということはあり得ると思います。

葬式が2人だけの参列だった(家族葬)

家族葬は私は賛成です。

必要なら、改めて「お別れ会」でもすればいいでしょう。

派手な葬式をして、人様にご足労かけて不祝儀に呼び立てる理由が私にはわかりません。

人に迷惑をかけたくないというのなら、ピンピンコロリなんかより、こっちを考えてほしいですね。

葬式をしないと、バラバラに弔問に来るからかえって大変という事情もわかりますが、そういうときは、医師や教員が付け届けを拒むように、本人の遺志で弔問はご遠慮いただくことにしています、ということを宣言できないものでしょうか。

娘さんの扶養義務を前夫に託した

母親が亡くなったので、未成年の娘さんは、自動的に父親に扶養義務が発生するように思われていますが、実はそうではないんですね。

親が離婚して子の親権が決まると、親権者でない親は、実はたんなる戸籍上の親に過ぎなくなります。

娘さんには今後、未成年後見人が選任されますが、必ずしも父親とは限らず、むしろ離婚の場合、母親の身内から選任される場合も少なくありません。

ただ、有賀さつきさんの父親は、実の父親のもとにいくのが一番、という話を今回しているので、娘さんさえ抵抗がなければ、父親が引き取るのではないでしょうか。

私はこれも、その限りではいいことだと思います。

ただ、一部の「噂」にあるように、前夫が再婚していると話は変わってくるのですが……

自分ならどうするだろう、ということを考えずにはおれない

有賀さつきさんが意図したわけではないでしょうが、「亡くなり方」については、では自分ならどうするだろう、ということを考えずにはおれないことばかりです。

でもそれらは突き詰めれば価値の問題ですから、本人がよいと思ったことが正解なのかもしれませんね。

みなさんは、どう受け止められましたか。

以上、有賀さつきさんの訃報が話題です。早逝したことだけでなく、その亡くなり方に4つの現代的な問題提起も含まれているからです、でした。

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