
阿部問題で若干霞んだ感もありましたが、野球界は通称「ゾンビたばこ」といわれるエトミデート(Etomidate)が先日から話題です。エトミデートは日本で未承認の麻酔導入剤で、2025年に「指定薬物」に指定。乱用すると、意識障害、けいれん、異常行動などを起こすとされています。
広島東洋カープの羽月隆太郎元選手が、去年12月に自宅でエトミデートを使用した罪に問われ、広島地裁で拘禁刑1年・執行猶予3年の判決が言い渡されました。
裁判では、東京遠征時に「シーシャ(水たばこ)」と説明されて使用を始めたこと、その後違法性を認識しながら継続していたことなどが明らかになりました。
暴力団の資金源になり得るのか
【生配信】元広島・羽月隆太郎氏、ゾンビたばこを「私を含め6人が同じ人物から購入」https://t.co/x4ocSHUYG4
使用は、知人にシーシャだと思って渡されたものを吸ったことがきっかけで、「同じ人から私を含めてカープ選手6人が購入していた」と話した。知人については球界関係者ではないという。 pic.twitter.com/kSEO4oeObb
— ライブドアニュース (@livedoornews) May 28, 2026
指定薬物や違法ドラッグは、従来の覚醒剤・大麻より摘発の網をかいくぐりやすい時期があり、SNSや知人ルート、バーなどを通じて流通するケースが多いといわれています。
特に「合法っぽく見せる」「電子タバコ形式で若者に広げる」という手法は、近年の薬物ビジネスの特徴です。
今回の報道でも、
東京遠征中に知人から勧められた
郵送で寮に送られていた
売人との接点があった可能性
などが示唆されています。さらに、週刊文春は、別のカープ選手と売人との写真を入手したと報じています。
もちろん、現時点で「暴力団が直接関与していた」と公的に確認されたわけではありません。
しかし、日本の薬物犯罪の実態から考えると、指定薬物の流通が反社会的勢力の資金源になる危険性は高い、と見る専門家や警察関係者は多いようです。
まだ全面的実態解明までは至っていない
広島東洋カープが、これを「羽月被告個人の問題」としているのか、それとも球団として調査しているのかですが、現状は「個人の問題として処分しつつ、球団内への広がりを警戒している」という段階に見えます。
球団は逮捕・起訴後に契約解除を行っています。
一方で、羽月被告は法廷で、
「周囲に吸っているカープ選手もいた」
と証言しました。
この発言が非常に重大で、もし事実なら「個人問題」では済まなくなります。
報道によると、球団本部長はキャンプで選手に対して再三注意喚起を行い、「選手生命を失う」と警告していたとされています。
ただし、現時点で球団が、他選手への聞き取り調査をどこまで行っているか、球団独自の薬物検査を実施したか、他選手の関与を確認したか、などについて、公式に詳細発表した報道は探しましたが見当たりません。
現状を整理すると、
1.球団はまず羽月被告個人を契約解除して切り離した
2.しかし法廷証言により「他選手関与疑惑」が浮上
3.球団としても内部調査や再発防止対応を迫られている可能性が高い
4.ただし、公表されている範囲では、まだ全面的実態解明までは至っていない
という認識で良いのかなと思われます。
チーム内の「いじめ」も一因か
今回問題になったエトミデートは、本来は麻酔導入剤で、筋力や持久力を向上させる典型的なドーピング薬ではありません。
むしろ、中枢神経を抑制する方向の薬なので、競技能力にはマイナスと思われます。
では、なぜ使うのでしょうか。
羽月被告は、チーム内のいじめにあい、ストレスがあったことを告白しています。
【悲報】羽月隆太郎、カープの先輩選手からいじめを受けていたことを告白
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「お酒を飲んで寝てしまった際、ライターで炙ったフォークを首に当てられたことがある。その傷は今でも残っている。」… pic.twitter.com/cnWgL6TM3s— 今あなたの後ろにいます (@kakuninulrk) May 28, 2026
「お酒を飲んで寝てしまった際、ライターで炙ったフォークを首に当てられたことがある。その傷は今でも残っている。」
「体質的にお酒が飲めないが、先輩の言うことは絶対という雰囲気があったのでお酒を飲まないといけないという空気があった。」(本人のTiktok投稿より)
体育会系の伝統は、令和のプロ野球にはまだ生きているんですね。
期待された新人が、育たずにやめていくのは、指導者と合わないだけでなく、チームの雰囲気やチームメイトとの関係がうまくいかないこともあるんじゃないかなと思います。
でも、そういうストレスは、誰でも大なり小なり抱えているので、それはすなわち、誰でもこういう罠には陥る可能性があるのかもしれません。
みなさんや、みなさんのご家族が、SNSで『合法』と言われて手を出したらどうしますか?

日本プロ野球犯罪事典 球界刑事事件史 – 浦田 盛一, 浦田 盛一, 吉田 亮太

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