
日本の代表的なうま味調味料である味の素(アジパンダというキャラクターの20周年も関連)が直面してきた、イメージに関する問題とその対策が報じられています。
「味の素」は、116年という長い歴史を持つ一方で、特に1960年代にアメリカで発生した「中華料理店症候群」に端を発する、根拠のないネガティブな風評に長年悩まされてきました。
記事は、この誤解が主に「フェイクニュース」によって広がり、企業イメージに大きな影響を与えたことを説明しています。
これに対し、製造元は創業以来、製品の安全性を伝えるために積極的に情報公開とリスクコミュニケーションに取り組んできました。
その結果、2024年の調査では、調味料に対する否定的なイメージを持つ消費者の割合が、過去数年で減少傾向にあることが示されています。
「添加物」というネガティブなイメージの払拭
今日の情報源は、ORICON NEWSです。
『味の素』なぜいまだアンチが? 55年間“ネガティブイメージ”と戦い続ける同社広報を直撃 | オリコンニュース(ORICON NEWS) https://t.co/sOaaIQPsKp @oriconより #味の素 #うま味調味料
— 畠中由宇・相互フォロー100% (@hata_follow) November 28, 2025
長寿製品にまつわる誤解やネガティブイメージは、歴史を通じて複雑に変化し、特に「味の素」(グルタミン酸ナトリウム)のような製品について、「化学調味料」という呼称を中心にネガティブな認識が形成・拡散され、その後、企業努力や時代の変化によって改善されてきました。
記事を要約します。
1. 初期(1960年代以前)の認識
味の素(116年前に発明された製品)は、元々は時代を超えて愛されてきた画期的な発明品でした。
2. 「うま味調味料」呼称の誕生とネガティブイメージの萌芽(1960年代)
・1960年代頃、日本では公共放送(NHKの「きょうの料理」など)において、個別の商品名を出すことができなかったため、「味の素」の代わりに「うま味調味料」という言葉が使われ始めました。
・この代替呼称は、元来の製品が持つ「画期的な発明」というポジティブな側面よりも、「化学調味料」として括られ、「添加物」というネガティブなイメージへと繋がってしまいました。
3. アメリカ発の「フェイクニュース」による不安の拡散(1960年代後半~1970年代)
・1960年代の終わり頃、急速な経済成長を遂げた日本に対する風潮も影響し、アメリカでは「うま味調味料は体に良くない」というネガティブなイメージが広まりました。
・このイメージのきっかけとなったのは、アメリカの医学誌に掲載された匿名の投書でした。この投書は、中華料理を食べた際に体にしびれや不快感が起こるというもので、これが「中華料理店症候群」(チャイニーズ・レストラン・シンドローム)として知られるようになり、グルタミン酸ナトリウム(MSG)が原因であるとされました。
・この情報は「フェイクニュース」として定着し、その後、臨床試験により健康への因果関係は完全に否定されたにもかかわらず、アメリカでは食品パッケージに「NO-MSG」と表示されるようになりました。
・このアメリカ発の「うま味調味料が体に良くない」というイメージは日本にも輸入され、消費者に不安を与えました。
4. 企業による呼称の修正とイメージ回復への取り組み(1980年代以降)
・1985年、味の素社は「化学調味料」という言葉を廃止する決定を下しました。
・「化学調味料」という言葉が持つネガティブなイメージ(「体に良くない」という誤解)を払拭するため、製品の基本的な意味合いを正確に伝える「うま味調味料」という呼称が公式に提唱されました。
・また、ネガティブキャンペーン(「アンチ味の素」など)が横行する中、企業は「科学的な見地」と「コミュニケーション」を重視し、「健康に悪いものではない」という事実を伝えるリスクコミュニケーションを目的とした啓発活動を開始しました。
5. キャラクターを通じた再評価と現代の状況(2000年代以降)
・長寿製品のイメージアップのため、アジパンダというキャラクターが誕生しました。このキャラクターには、「みんなに味の素の真実を知ってもらう」というミッションが込められています。
・2008年から2012年にかけて放送された味の素のCMは大きな反響を呼び、また、TKG(卵かけご飯)ブームなども手伝って、製品の再評価が進みました。
・現代(SNS時代)においては、116年の歴史があり、何十年も安全性が問われていないにもかかわらず、SNSなどでは根拠のない中傷(デマ)が拡散されることがあります。
・しかし、企業の情報開示やリスクコミュニケーションの努力の結果、味の素に対するネガティブなイメージを持つ人の割合は減少傾向にあります。2019年の調査で17%だったネガティブイメージの割合は、2024年には12%にまで低下しています。
・現在の認識は、ネガティブでもポジティブでもなく、長く身近にあるものとしてニュートラルに捉えられつつあると考えられています。
信頼は回復するのに時間がかかる
【味〇素】否定するのは作らない側の人──料理研究家リュウジがうま味調味料にこだわる理由… [BFU★]
pic.twitter.com/ht6T6xRBKS 【味〇素】否定するのは作らない側の人──料理研究家リュウジがうま味調味料にこだわる理由… [BFU★]5ちゃんねるのニュース速報+@5ch掲示板での議論に参加しましょう:「【味〇素】否定するのは作らない側の人──料理研究家リュウジがうま味調味料にこだわる理由… 」。— 無明子 (@shirimochigome) May 22, 2021
長寿製品にまつわる誤解の変化は、あたかも「誤解の伝言ゲーム」のようだ、と記事では総括しています。
最初に、広告規制(NHK)が意図せず生み出した中立的な用語(うま味調味料)が、海外で根拠のない不安(フェイクニュース)と結びつき(化学調味料が体に悪い)、それが再び国内に輸入されて不安を増幅させました。
それに対し、企業は科学的な事実とコミュニケーション戦略を武器に、時間をかけて本来の「うま味調味料」というイメージを定着させる努力を続けてきました。
味の素社のせいではないわけですが、信頼は失うのはあっという間で、回復することにどれだけ時間とエネルギーが必要かという話です。
グルタミン酸ナトリウムが入っているインスタント食品が健康的ではないとされるのは、
・主にミネラルの欠乏
・高カロリー、高塩分、高脂質、高脂肪、
・舌の感覚を鈍らせる添加物の中毒性
などが問題なのであり、グルタミン酸ナトリウム自体は、食欲・QOLの改善に役立つという報告もあります。
むしろ、塩分や脂質などの方が、健康には気をつけなければなりません。
それについては、すでに記事にしたことがあります。

ということで、調味料や添加物情報、何を採り入れて、何が「フェイク」なのか、消費者として、何でも鵜呑みにせずに見分けたいですね。

コメント