血液中のタンパク質AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)が、猫の腎臓病や人間のアルツハイマーに有効であるという報告

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血液中のタンパク質AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)が、猫の腎臓病や人間のアルツハイマーに有効であるという報告

AIMという体内の不要な「ゴミ」を掃除するタンパク質は、その不足や機能不全で、腎臓病や脳梗塞といった様々な疾患の要因となります。ネコが不治の腎臓病に陥りやすいのは、先天的にAIMが働かないためであると突き止め、治療薬の開発が進められています。

5月29日、AIM医学研究所・宮崎徹所長らの研究グループは、AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)がアルツハイマー病の原因物質「アミロイドベータ」の除去を促進するほか、脳内の酸化ストレスを抑える効果を発揮し、認知症マウスの症状を改善することを確認。米科学誌「セル・リポーツ」で発表しました。

また、AIMはネコの腎臓病予防・治療薬として注目されており、宮崎教授はネコ用薬の承認を2026年に目指しています。腎臓で始まった研究が、脳にまで波及してきたわけです。

研究チームは、AIMの不足分を直接補う注射薬だけでなく、体内のAIMを活性化させるサプリメントやキャットフード、さらには早期診断技術の実用化を目指しています。

これにより、ヒトとペットの両方において、従来の治療法では困難だった病気の克服が期待されています。

AIMが質量で足りないと病気になる

今日の情報源です。


AIMが、体内の「ゴミ」を掃除する仕組みは、血中のマクロファージなどの細胞と連携しています。

マクロファージは、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物や、死んだ細胞を食べて処理する「免疫細胞(白血球の一種)」です。

1. 通常時の状態(待機)
健康な時、AIMのほとんどは血液中で「IgM(免疫グロブリンM)」と呼ばれる抗体の一種に結合しており、働かない「不活性状態」で待機しています。

2. ゴミへの結合(活性化)
体内に細胞の死骸、形が崩れたタンパク質、炎症を引き起こす分子などの病気の原因となる「ゴミ」がたまると、AIMはIgMから離れて活性化し、これらのゴミと結合します。

3. 目印として機能
ゴミに結合したAIMは、マクロファージをはじめとする「貪食細胞(ものを食べる細胞)」に対する「目印」としての役割を果たします。

4. 貪食細胞による掃除
目印を見つけたマクロファージなどの貪食細胞が、AIMごとゴミを食べて体内から取り除き(掃除し)ます。

このように、AIMは自らゴミを分解するのではなく、ゴミにくっついて掃除役の細胞に「ここを掃除して!」と知らせる重要なマーカーとして機能することで、私たちが病気にならないように体を守っています。

逆に言うと、AIMが足りなかったり、機能不全であったりすると、ゴミを始末するシステムが十分にまわらなくなるので、体にゴミが溜まり、病気や倦怠感をともないます。

AIMはどのような病気の予防や治療に役立つか?

AIMは、体内の「ゴミ」を掃除するという独自のメカニズムを通じて、人間とネコの両方において多岐にわたる病気の予防や治療に役立つことが証明されています。

1.人間の様々な病気(急性疾患および慢性疾患)
これまで、腎臓病、脳梗塞、腹膜炎、肝臓がん、肥満や脂肪肝などの様々な病気を、AIMによって予防・治療できることが確認されています。

病気の進行スピードに合わせて、2つの異なるアプローチが開発されています。

2.ネコの重篤な腎臓病
ネコは他の動物に比べて腎臓病を発症する頻度が突出して高く、これが死因となることがよくあります。最近の研究で、ネコは先天的にAIMがIgMから離れず、腎臓に溜まったゴミを掃除できないことが慢性的な炎症と腎臓病の根本原因であることが突き止められました。

そのため、ネコにAIMを定期的に投与して働きを補うことで、そもそも腎臓病の発症を抑えたり、すでに進行してしまった腎臓病の悪化を防ぎ、長期的には腎機能の回復を促すことができると考えられています。

今はどの段階まで来ているのか

マウスやネコで実験した限りではAIM自体の副作用は確認されていません。

生体内に元々存在するタンパク質であること、使われなかった分は短期間で尿として排泄されるため体内に蓄積しないのが理由とされます。

猫については、AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)を利用した腎臓病治療は、「期待されている」というレベルを超え、「いよいよ実用化の最終シークエンスに入った」とされています。

2025年5月から全国26の動物病院で開始された臨床試験(治験)が終了し、2026年に入ってからその劇的な効果が次々と論文やメディアで報告されています。

生存率の劇的な向上
特に腎臓病がかなり進行した「ステージ3b(重症に近い段階)」の猫を対象とした治験において、未治療の群と比べて生存率が大幅に改善(20%から80%に向上したとのデータも)したことが報告されています。

進行のストップと体調改善
単に延命するだけでなく、病気の進行そのものを強く抑え、猫の全身状態(元気や食欲など)が改善する例や、なかには治験中に5年以上生存するシニア猫の例も確認されています。

開発中の新薬(開発名:FeliAIM / フェリエイム)は、対処療法ではなく根本治療の薬となり、早ければ2026年内、あるいは2027年春ごろには、全国の動物病院へ供給が始まり、一般の飼い主さんが選択できるようになる見込みといいます。

これによって、「猫の寿命を2倍にする」が、研究者の目標・期待だそうですが、そこまでは現時点で証明された事実ではありません。

一方、人間の認知症(特にアルツハイマー病)への有効性は、現時点では研究段階です。

ただ、前述のような生活習慣病対策としての期待もあるので、商品化は1日もはやく進めていただきたいです。

これが使われることで、日本の医療は大きく進歩する可能性があります。

愛猫家のみなさんは、AIMはご存知でしたか。

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