セブン-イレブンの仕事術(岩本浩治著、ディスカヴァーebook選書)は鈴木敏文が興したセブン-イレブン・ジャパンを解説した書籍

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セブン-イレブンの仕事術(岩本浩治著、ディスカヴァーebook選書)は鈴木敏文が興したセブン-イレブン・ジャパンを解説した書籍

鈴木敏文は、日本を代表する実業家であり、セブン-イレブン・ジャパンの成功を牽引した立役者として知られています。『セブン-イレブンの仕事術』(岩本浩治著、ディスカヴァーebook選書)は、その経歴と功績、さらに彼のリーダーシップの特徴について解説します。(文中敬称略)

日本における本格的なコンビニチェーンとして知られるセブン-イレブン。

1974年に、東京江東区豊洲に1号店がオープンしました。

つまり、今年で開業50年ということになります。

当初は、店名通り24時間営業ではなく、一般の小売店よりも、少しだけ長い、7~23時の営業時間でした。

そこから、同業他社が立ち上げられ、また扱う商品数も増え、翌年の1975年6月には、福島県郡山市にある虎丸店で24時間営業が始まりました。

コンビニの24時間営業は、消費者の利便性や販売機会の損失を防ぐメリットがあります。

また、深夜に商品の陳列や清掃の作業ができる効率的な店舗運営や、商品の製造や配送の最適化にもつながっています。

また、セブン-イレブンは、店のオーナーと契約をして、オーナーに独立採算で販売や経営を行ってもらうフランチャイズ方式を採用しました。

これは、自社で支店を出すコストがかからないだけでなく、加盟料や、定期的な商品卸しの収入が得られる、「おいしい」経営方式といえます。

フランチャイズ店側には負担が大きいのではないかと思いますが、一国一城の主は魅力的なのか、その後、フランチャイズ店舗数はぐっと増えました。

コンビニエンスストアのシェアは、寡占度が高い業界ですが、2024年1月時点の店舗数シェアは、セブン-イレブンが:約36.9%、ファミリーマート:約28.7%、 ローソン:約24.3%で、やはりセブン-イレブンが1位です。

ちなみに、2024年2月期のチェーン全店売上高では、セブン-イレブンが対前期比3.8%増の5兆3452億円、ファミリーマートが同3.8%増の3兆692億円、ローソンが同5.1%増の2兆4162億円と、いずれも増収を達成しています(いずれもChatGTPより)。

セブン-イレブンを考案した創業者は、「コンビニの父」と称される鈴木敏文(すずき としふみ、1932年〈昭和7年〉12月1日 – )です。

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世界で初めて本格的なPOS導入


鈴木敏文は、長野県埴科郡坂城町の農家に生まれ、勤勉な環境で育ったといいます。

幼少期から物事に深く考え、現状を打破する意欲を持つ性格だったそうです。

中央大学経済学部を卒業後、東京出版販売(現トーハン)に勤務。

トーハンというのは、出版社と書店をつなぐ書籍の問屋さんで、出版業界では一番力のあるところです。

同社で販売促進を担当する中で、小売業に関心を持つようになります。

1963年、ヨークベニマルに入社(当時は食品スーパー「ヨーク」の経営)。

同社での経験が、後のセブン-イレブン事業の基盤となりました。

その後、イトーヨーカ堂に転職し、11年後の1974年に、 セブン-イレブン1号店を東京・豊洲にオープン。

アメリカのセブン-イレブンからライセンスを取得して、日本独自の経営モデルを開発しましたが、単なる模倣ではなく、日本の文化や消費者行動に適応した店舗運営を目指しました。

たとえば、世界で初めて本格的なPOS(販売時点情報管理)を導入し、店舗運営の効率化と顧客ニーズの迅速な把握を実現。

必要な商品を必要なタイミングで供給する仕組みを構築し、「小ロット・高頻度配送」で商品の鮮度と過不足ない補充の体制を維持しました。

今や産業界で、ひとつの経済圏を確立するには、金融機関の創設が必須です。

鈴木はセブン銀行を創設し、ATMサービスを通じて顧客の利便性を向上させるだけでなく、企業の新たな収益源となりました。

セブン-イレブンは日本国内での成功を基盤に、アジアや世界へと展開。2023年時点で、世界17カ国以上に75,000店舗以上を展開しているそうです。

会社と個人と半々の出資で船出


鈴木は、サラリーマンから成功を収めましたが、

大学は経済学部⇒就職して販促担当⇒小売店の販売と流通を経験⇒セブン-イレブンジャパンを創設

その間の転職が、成功へ向けての全く無駄のないステップアップになっています。

最初からそう計算したのか、結果的にそうなったのかはわかりません。

そして、セブン-イレブンは、持株会社セブン&アイ・ホールディングスの子会社ですが、出資金の半分は鈴木と同社の役員が出資したそうです。

つまり、鈴木は、イトーヨーカ堂役員としてと、起業家鈴木敏文としてと、半分ずつの立場でセブン-イレブンを立ち上げたのです。

それだけ、当時のコンビニは、日本では半信半疑だったんでしょうね。

やはり、鈴木も賭けに勝ったわけです。

いろいろあって現在は退任しましたが、セブン-イレブンを通じて、単なる小売業の枠を超えた「生活基盤」となるサービスを提供し続けました。

その革新性と挑戦心は、今後のビジネス界にも多くの示唆を与える存在だと思います。

セブン-イレブン、利用されていますか。

セブン-イレブンの仕事術 (ディスカヴァーebook選書) - 岩本浩治
セブン-イレブンの仕事術 (ディスカヴァーebook選書) – 岩本浩治

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