広島県小5女児虐待死事件をコミック(漫画)化したのは『ママが僕を殺した~実録・自動虐待死事件』(藤田素子、ぶんか社)です

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広島県小5女児虐待死事件をコミック(漫画)化したのは『ママが僕を殺した~実録・自動虐待死事件』(藤田素子、ぶんか社)です

広島県小5女児虐待死事件をコミック(漫画)化したのは『ママが僕を殺した~実録・自動虐待死事件』(藤田素子、ぶんか社)です。28歳の女性による11歳の実娘撲殺事件です。3事案収録の中の『お母さん、大好き』前後編に描かれています。

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幼児・児童虐待死事件を描いた実録コミック

広島県小5女児虐待死事件のコミック(漫画)化は、『ママが僕を殺した~実録・児童虐待死事件』(藤田素子、ぶんか社)に収録されています。

本書は、

  • 2012年埼玉県で起きた5歳児虐待死事件を描いた「ママといっしょに寝たい」
  • 2016年埼玉県で起きた3歳女児やけど放置死事件を描いた「この子…嫌い!」
  • 2012年広島県で起きた小5女児虐待死事件を描いた「お母さん、大好き」

と、3事案が漫画化されています。

うち、今回ご紹介する広島県小5女児虐待死事件は、前後編と2編に分けて描いています。

いずれにしても、未成熟な親たちによって死んでいった子供たちの悲鳴が響き渡る、虐待事件の闇を描いたものになっています。

今から10年前の2012年10月にに発覚したのが、広島県小5女児虐待死事件です。

広島県府中町の自宅で、無職の主婦(28)が練習用のゴルフクラブで、長女(11)を30分以上にわたって殴打して死亡させたと報じられました。

注意されても「虐待ではなくしつけだ」

本書は、母親が女児を殴打して死に至らしめる、まさにそのシーンから始まります。

母親吉田マキによるゴルフクラブでの暴行は30分に及び、11歳の柚香ちゃんの顔は原型をとどめていなかったと記載されています。

母親は、「なんでこんなことになったんじゃー!!」と叫び、その日に至るまでの経緯を回想しています。

中学を出た後、家出してスナックに勤め、そこでつかまえたパトロンにマンションを借りてもらい、マキは優雅な生活をしていました。

そこに連れ込んだ若い男との間にできた子が、犠牲になった柚香ちゃんです。

股がゆるい女が、娘がじゃまになって殺したのか?

いえ、ことはそう単純ではありません。

もともと、パトロンをつかまえて「自立」することを求めたのは、マキの母親でした。

男の子どもを妊娠すると、パトロンにはマンションを追い出されます。

マキは母親を頼ったものの、母親にはまたしても「自立」を促され、男とともに寮のある店に。

しかし、男はマキが出産するまで暴力をふるい、生まれてからは子供の押し付け合い。

押し付けられた男は、早々に乳児院に入れてしまいます。

一方、店で子どもがいることを羨ましがられたマキは、柚香ちゃんを引き取ることにします。

周囲が一目置いてくれることで、気持ちが良くなったのです。

しかし、自分自身が愛情をもって育てられていなかったので、娘に対する愛情の注ぎ方、子どもへの接し方がわかりません。

逆に思い通りいかないと、自分の至らなさを棚に上げて、娘にも辛く当たるようになります。

いつもビクビクしている柚香ちゃんは、禁じられていたにもかかわらず外に出るようになりますが、そのたびにせっかんされます。

アザに気づいた担任の先生が注意すると、マキとその母親は「虐待ではなくしつけだ」と言いたはります。

担任は、母の日のメッセージが、隣の子の丸写しであることを指摘。

「もっと愛してあげてください」と注意されると、恥をかかされたとまたせっかん。

さらに、むりに「お母さん、大好き」と書かせます。

ところが、児童相談所が保護に来ると、柚香ちゃんは、施設に行くことを拒絶して母親のもとに残ると言います。

マキの母親は、マキをコバカにしますが、それがかちんと来たマキは「お母ちゃんよりちゃんと育てるけぇ」と、柚香ちゃんを引き取ることを求めます。

児童相談所は、マキが母親としてやっていけるのか慎重に見極め、一時帰宅を20回以上積み重ねて、「祖母が子育てを支援する」ことを条件に、やっと柚香ちゃんはマキのもとに戻ります。

しかし、ネットで自分の子育てを否定されると、また子どもにあたる毒親に逆戻り。

1年半後には、冒頭の通りゴルフクラブで撲殺してしまうのです。

「生んでくれてありがとう」ではなく「生まれてくれてありがとう」

本事案もまた、毒親がキーワードになってしまいました。

中学を卒業したら、パトロンをつかませる「自立」など論外でしょう。

もっとも、マキの母親も15歳でマキを生んでおり、マキの祖母がろくなものではなかったのだと思われます。

まさに「毒親は毒親から作られる」です。

そして、マキは自分の育てられ方にコンプレックスを抱く「健全さ」を持っている一方で、ではどうすればそれを解消できるかという方法がわからず、自己愛の強い人間になってしまいました。

店の人に羨ましがられると、押し付けあった子どもを引き取ってしまうところなどはまさにその一端です。

そして、もうひとつの「ハイライト」は、柚香ちゃんを案じた児童相談所がやってきた時に、一緒に施設に避難せず、柚香ちゃんは自分の意志でマキのもとに戻ります。

どうしてなのかは、本人が亡くなっている以上、直接確認することはできません。

ただ、これは毒親の子どもにはありがちな行動原理なのです。

毒親で愛されなかった子どもほど、いつかは愛されたいという気持ちが強く、親を捨てられないのです。

意外と毒親で苦労した子どもが、その親を直接介護するのはそんな理由もあると思います。

それにしても、この毒の連鎖は、どうしたら解消できるでしょうか。

私は、この国の親子間の道徳を、根底からひっくり返す必要があると思っています。

つまり、親>子ではなく、子>親という文化です。

親孝行、なんていう意味不明な道徳は、少なくとも社会的に積極的に求めることはやめるべきです。

親のためになにかするなら、次世代、つまり子のために何かをスべき、という価値観を社会に定着させることです。

考えても見てください。

子は親を選べません。

一方、親は勝手に子を生みます。

ね、ですから「生んでくれてありがとう」ではなく、「生まれてくれてありがとう」なんです。

感謝するのは、子ではなく親の方なんです。

現代では、「毒親」というキーワードで親の問題点を考えるようになりましたが、中には未だにこの言葉を肯定できないだめな親がいます。

そういう親は、発想が間違っているのでしょう。

旧弊な「親>子」という考え方から、1日もはやく脱却することが、こうした「親の虐待事件」を防ぐマインドセットになることと思います。

『ママが僕を殺した~実録・自動虐待死事件』は、AmazonUnlimitedで読み放題のリストに入っています。

以上、広島県小5女児虐待死事件をコミック(漫画)化したのは『ママが僕を殺した~実録・自動虐待死事件』(藤田素子、ぶんか社)です、でした。

ママが僕を殺した~実録・児童虐待死事件~ (ストーリーな女たち) - 藤田素子
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