YouTubeで注目を集める「かんちゃん住職」は、チャンネル登録者数は23.7万人。仏教の枠に収まらない、自由でユニークな発信が人気

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YouTubeで注目を集める「かんちゃん住職」は、チャンネル登録者数は23.7万人。仏教の枠に収まらない、自由でユニークな発信が人気

今日は、YouTubeで注目を集める「かんちゃん住職」というチャンネルをご紹介します。このチャンネルは、日蓮宗の若き住職である谷川寛恭(たにかわ かんきょう)さんが運営されています。チャンネル登録者数は23.7万人。仏教の枠に収まらない、自由でユニークな発信が人気を集めています。

「かんちゃん住職」こと谷川さんは、富山県にある二つのお寺の掛け持ち住職という異色の経歴の持ち主です。日蓮宗では最年少で布教師(お説教師)の資格を取得され、保護司や瞑想指導者としても活動されています。いわゆる「売れっ子住職」なのです。

しかし、このチャンネルの真の面白さは、住職という肩書や、動画の内容そのものよりも、谷川さんご自身の「生き様」にあります。

今回は、彼の人生の変遷と、そこから感じ取れる「人間の可能性」について、深く掘り進めてみたいと思います。

人生は思い切った選択で変わる

動画の中でご自身が語られていた谷川寛恭さんの学生時代は、いわゆる「ヤンチャ」なものでした。

中学時代は成績も振るわず、地元には進学できる高校がなかったそうです。

そんな状況で見つけたのが、山梨県にある僧侶養成の全寮制高校、身延山高校でした。

ここで人生は大きく変わります。

学業に集中できる環境を得て、成績は見る見るうちに向上。

そのまま身延山大学へ進学し、教職課程を履修、教育実習も経験されます。

さらに、日蓮宗で得度(出家)し、見事住職の道へと進まれたのです。

考えてみれば、並大抵の努力では達成できない道のりです。

在学中には、通常の単位に加えて、教職課程と僧侶となるための課程の両方を修めなければなりません。

少なく見積もっても、同期の学生より、10単位以上は多く取得した計算になります。

「行ける高校がなかった」という少年が、大学進学、教育実習、そして住職になるというのは、まさに劇的な変貌です。

当時の不良仲間は、さぞ驚いたことでしょう。

谷川さんはおっしゃいます。

人間は、変わろうと思えば変われるんです

この言葉は、今風に言うと、私の心に刺さりました

「住職」という選択の重み

元ヤンキーが成功者になる話自体は、決して珍しくはありません。

弁護士や国会議員など、高収入や社会的地位を手に入れる物語は、上昇志向の強い人なら誰でも有り得る話です。

しかし、「住職」という道は、少し事情が異なります。

確かに特異な職業ではありますが、その社会的評価は人それぞれ。

経済的にも、お布施だけで生計を立てるのは難しく、「坊主丸儲け」という言葉とはかけ離れた厳しい現実があります。

谷川さんは、大学まで出て、教職課程も履修されているのですから、公務員や民間企業、学校の教師など、選択肢はいくらでもあったはずです。

実際、宗門系の学校を卒業しても、仏門に入る人はごく一部。お寺の多くは世襲制ですし、たとえ得度しても住職になれるとは限りません。なったとしても、お寺を維持していくのは並々ならぬ苦労が伴います。

そのような道にあえて進み、結果として二つの寺院を預かるまでになった、谷川さんの「人間は変われる」という言葉には、説得力があると思いませんか?

科学時代における宗教の意味

さて、谷川さんのYouTubeチャンネルは、時に仏教者から見ると「眉をひそめたくなる」ような内容も含まれています。

仏教が基本的に認めていない、「龍神様」や「手相(占い)」といった話題が登場するからです。

仏教は、本来は合理的な思想です。

自分の内面の煩悩と向き合い、それをなくすことで成仏を目指すもので、外部の不思議な力にすがることを良しとしません。

私も最初は、「これは破戒僧なのか」と批判的な目で見ていました。

しかし、続けて見ていくうちに、考えが変わりました。

これらの話題は、いわば「方便」なのではないかと感じるようになったのです。

「不思議なもの」や「スピリチュアルなもの」に惹かれる人は、確実に存在します。

科学がいくら発達しても、心の渇きを感じる人は後を絶ちません。

むしろ、科学が発達すればするほど、その冷たさに疎外感を覚える人も出てくるでしょう。

なぜなら、科学は人の心に寄り添うものではないし、人生の意味を教えてくれるわけでもないからです。

そんな時、人々は時に、カルト教団や霊感商法のような危険なものに引き寄せられてしまいます。

谷川さんは、そうした人々に、「そっちも面白そうだけど、こっちも見てみませんか」と仏教への入口を示しているように思えます。

そのために、現職の住職でありながら、あえて「破戒」のテーマを選んでいるのではないかと。

これは仏教でいう「対機説法」、つまり相手によって説き方を変えるという手法です。

現代の悩める人々に寄り添い、彼らが理解できる言葉や価値観と向き合って仏法を伝えようとする、現代的な布教の形なのかもしれません。

人生の転機はいつでも訪れる

私自身、いろいろな経験をし、歳も重ねてきました。それでも、「今からでも、変われるものなら変わりたい」という野心は、このチャンネルを見るたびに刺激されます。

谷川さんの生き方は、「過去の自分」や「周りの目」に縛られる必要はないと教えてくれます。環境を変え、努力を重ねれば、人生は思いもよらない方向に開けるのです。

みなさんは、人生の転機となった出来事はありますか?

もしくは、これから変わりたいと思っていることはありますか?

「かんちゃん住職」のチャンネルは、そんな問いを投げかけ、変わる勇気を与えてくれるきっかけになるかもしれません。

ぜひ一度、ご覧になってみてください。仏教の知識がなくても、きっと何か得るものがあるはずです。人生を変えるヒントが、そこには隠されているかもしれませんから。

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