昭和30年代のモノクロネガフィルムはフラットベッドスキャナでデジタル化の後、自動色付けツールで見事なカラー画像に蘇った

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昭和30年代のモノクロネガフィルムはフラットベッドスキャナでデジタル化の後、自動色付けツールで見事なカラー画像に蘇った

昭和30年代のモノクロ写真は、デジタルカラー画像になって蘇りました。ネガからデジタル化の後、自動色付けツールを利用しました。リアルに蘇りました。色付けツールはネット上に複数公開されていますが、その比較もあわせて行ってみました。

モノクロ画像をカラー化できる

1月8日更新の記事で、60年前のネガフィルムを使い、フラットベッドスキャナGT9700Fの透過ユニットによってデジタルデータ化したことはすでにご紹介しました。

60年前のネガフィルムをかつて2001年発売のフラットベッドスキャナGT9700Fの透過ユニットを使いでデジタル化再現しました
60年前のネガフィルムを、かつて2001年発売のフラットベッドスキャナGT9700Fの透過ユニットを使いでデジタル化再現してみました。たまたま以前所持していたプリンタでしたが、現在も中古品で販売しています。古いネガは資料的価値のあるデータです。

60年前ですから、まあ普通はモノクロのネガです。

ただ、その撮影時は、当たり前ですが被写体にも景色にも色はついています。

なんとか、撮影時の色を再現できないものか、と考えてしまいます。

そこで、モノクロ画像の情報から、色をつける研究が行われ、一部ではサイトで実際に色を付けてくれるWebアプリも登場しました。

「白黒写真の自動色付け」技術は、以前は手動で行われていたのですが、人工知能によって全て自動化してしまうという技術が発表されたのです。

誰でも画像を選んでクリックするだけで、簡単に色がつくようなUIを作ってWebサービス化してくれているサイトも登場しています。

よく、SNSやブログで、昔の写真に色を付けて投稿しているのを見かけませんか。

今回は、前回ネガフィルムでデジタル化したデータ化に色を付けてみます。

『ディープネットワークを用いた白黒写真の自動色付け』というページにアクセスします。

Automatic Image Colorization・白黒画像の自動色付け

AI技術を用いて白黒写真を自動で色付けするサービスです。

早稲田大学理工学術院総合研究所・飯塚里志研究院助教、シモセラ・エドガー研究院助教、石川博・早稲田大学理工学術院教授による『ディープネットワークを用いた白黒写真の自動色付け』の研究は、私たちもネットで利用できます。


色付けしたい画像を読み込み、ワンクリックで色がつきます。

ワンクリックで色がつきます

  1. 「ファイルを選択」ボタンを押し、色を付けたい画像を選択してください。
  2. 「色付け!」ボタンを押すと、色付けした結果が下の方に表示されます。

色味も非常にリアルです。

スキャナでデジタルデータ化したときには気づかなかった、もとのネガの劣化が色付けすることでわかりました。

色付けした画像は、その都度消えるのではなく履歴が残ります。

履歴が残ります

その画像を右クリックして保存できます(Windows)

「このサービスは非営利かつ個人的な目的のみに使用可能です。」その注意書きがなされています。

一応お断りすれば、すべてのモノクロ画像が、絶対に完璧に再現できるわけではなく、全体として色あせている印象はありますが、うつっているものを認識する技術は素晴らしいと思います。

細かい理論については引用させていただきます。

本研究では,ディープネットワークを用いて白黒画像をカラー画像に自動変換する手法を提案する.提案手法では,画像の大域特徴と局所特徴を考慮した新たな畳込みネットワークモデルを用いることで,画像全体の構造を考慮した自然な色付けを行うことができる.提案モデルにおいて,大域特徴は画像全体から抽出され,局所特徴はより小さな画像領域から計算される.これらの特徴は“結合レイヤ”によって一つに統合され,色付けネットワークに入力される.このモデル構造は入力画像のサイズが固定されず,どんなサイズの画像でも入力として用いることができる.また,モデルの学習のために既存の大規模な画像分類のデータセットを利用し,それぞれの画像の色とラベルを同時に学習に用いることで,効果的に大域特徴を学習できるようにしている.提案手法により,100年前の白黒写真など,様々な画像において自然な色付けを実現できる.色付けの結果はユーザテストによって評価し,約90%の色付け結果が自然であるという回答が得られた.

デモ動画も公開されているので、ご関心のある方はご覧ください。


この技術を使えば、たとえば教科書に出ているような歴史的な写真も色を再現することで、新たな認識をもち、価値がうまれるかもしれません。

色がつくって、夢がありますよね。

複数のサービスを使い比べてみよう

誰でも画像を選んでクリックするだけで、簡単に色がつくようなUIを作ってWebサービス化してくれているサイトは、『ディープネットワークを用いた白黒写真の自動色付け』以外にもあります。

評判の良いサイトを枚挙します。

https://colorize.dev.kaisou.misosi.ru/?lang=ja
https://demos.algorithmia.com/colorize-photos

古い写真は、部分的に色が薄かったり、全体として黄ばんだりと、劣化にムラがあり、それによって各プロジェクトにも得手不得手があります。

好みによっては、別のプロジェクトのほうがよく見えるかもしれないので、各プロジェクトをいろいろ使われたほうがいいと思います。

余談ですが、私の幼児時代の色付け画像

Facebookのプロフィール顔写真にしたところ、「お孫さん?」と聞かれました。

ということは、「今の画像」としても十分通用するんでしょうね。

それにしても、当時の画像には、なんとも言えぬ温かさと懐かしさを感じます。

古い写真をデジタルで保存する試みは、業者に依頼することも含めて多くの方が利用されているようですが、より当時の情景に近づけるよう、カラー化にチャレンジしてみませんか。

以上、昭和30年代のモノクロネガフィルムはフラットベッドスキャナでデジタル化の後、自動色付けツールで見事なカラー画像に蘇った、でした。

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