続け根性(伊藤傳三著、サンケイ新聞社出版局)は、1971年に発行された伊藤ハムの創業者である伊藤傳三の自伝書籍です。

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続け根性(伊藤傳三著、サンケイ新聞社出版局)は、1971年に発行された伊藤ハムの創業者である伊藤傳三の自伝書籍です。

続け根性(伊藤傳三著、サンケイ新聞社出版局)は、1971年に発行された伊藤ハムの創業者である伊藤傳三の自伝書籍です。伊藤ハムは主に食肉加工品や調理加工品の製造・販売を行っており、2016年に米久と経営統合し伊藤ハム米久ホールディングス株式会社となりました。(文中敬称略)

伊藤ハムは、肉製品を中心とした加工調理および販売の会社です。

肉製品というのは、ハム、ソーセージ、ベーコンなど、原材料に食肉を使った製品です。

肉そのものは、食肉とか精肉といいます。

伊藤ハムは、食肉を使った、調理加工品・惣菜類の製造および販売、さらにチーズ、乳製品の製造・販売も行っています。

主な拠点は、西宮本社事務所(兵庫県西宮市)と東京事務所(東京都目黒区)です。

全国各地に工場や物流センターを持ち、24時間365日の供給体制を整えています。

今は、新卒学生の人気企業になっているんですね。


その創業者は、伊藤傳三(いとう でんぞう、1908年(明治41年)11月19日 – 1981年(昭和56年)6月22日)といいます。

まさに、伊藤さんだから伊藤ハムですね。

今日も国立国会図書館から、『続け根性』(伊藤傳三著、サンケイ新聞社出版局)という自伝を引っ張り出して参照させていただきます。

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3度目のチャレンジで事業を軌道に乗せる


伊藤傳三は、三重県三重郡塩浜村(現・三重県四日市市)出身です。

高等小学校2年、現在の中学校2年のときに、父親が脳溢血で倒れ、15歳で母子家庭となります。

家は借家だったため、母と2人で母の弟のいる大阪へ向かい、海産物問屋に丁稚奉公で住み込みを始めます。

パナソニックの松下幸之助も丁稚出身で、会うと大阪の丁稚時代の話題で盛り上がったそうです。

丁稚時代に肋膜を患って兵隊に行かなくてもよくなったため、それを機に独立して仕事を始めることになり、少年時代から興味を持っていた食品の事業を行うことにしました。

もちろん、財産などありませんから、すべて借金です。

本書では、「よく貸してくれたものだ」と書いています。

担保もないのですから、担当者が違う人なら、貸してもらえなかったかも知れません。

成功するには、このようにラッキーなことも必要なのです。

さっそく、阪急百貨店の食料品売場で調べた所、まだ大手が手を付けていないハム・ソーセージなら行けるのではないかと思ったといいます。

魚と違い、大漁・不漁で悩まされることなく、当時メーカーで有名なのは鎌倉ハムぐらいしかなかったそうです。

ただし、技術がなかったので、創業当初は海産物からはじめたといいます。

20歳で大阪に伊藤食品工業を設立。資本金はすべて借金で賄っていたものの、世界恐慌の影響でいったんは会社が倒産します。

2年後の復活時は、今度こそ食肉加工業を行おうと、魚肉ソーセージから販売し、低価格と風味の良さが評判を得て大丸・阪急にも卸すようになります。

魚肉ソーセージ。現代でも需要はありますね。

しかし、これもソーセージに使うケーシングの豚腸に小さな穴が開いており、日が経つと水気が漏れバクテリアが繁殖し悪臭を放ち、返品が相次いで工場も閉鎖に追い込まれ、2度目の挫折。

その後、図書館や兵庫県衛生試験場に足繁く通い、食品衛生の知識を徹底的に学習し、並行してハム・ソーセージの温度管理や塩漬け技術も学習し、3度目のチャレンジをします。

今度は、ケーシングにセロハンを使っ「セロファンウインナー」を販売し、夫婦2人で売り歩いて引き合いが殺到。

人気を博し、後にマトンの大衆化を実現しニュージーランド国政府から民間最高名誉勲章(ONZ)を受章するなど様々な功績を残し、伊藤ハムの礎を築きました。

2度失敗しても、諦めないで肉製品づくりを続けたことが、こんにちの伊藤ハムにつながっているわけですね。

座右の銘は、「根性」と「初心忘るべからず」だそうです。

家庭向けの商品をたくさんリリース


伊藤ハムは、家庭向けの商品をたくさんリリースしているので、さすがにみなさんも何かしら利用されたことはあると思います。

ハム・ベーコン……朝のフレッシュロースハム、つるし燻しベーコン、生ハムロースなど
ソーセージ……あらびきポークウインナー、チョリソー、燻製ポークウインナーなど
調理品……ビーフシチュー、牛タンシチュー、やわらか角煮、チキンナゲットなど
チーズ……リームチーズ入り商品やスモークチーズなど
その他肉製品……ステーキ、焼豚、カツなど

私は、肉製品は添加物(発色剤)、塩分、調理工程での有害物質(肉を高温で調理すると、複素環式アミンや多環芳香族炭化水素といった発がん性物質が形成)などのリスクが取り沙汰されることがあり、最近はあまり頻繁にはいただかないのですが、焼き豚だけは、大手メーカーにしてはめずらしく発色剤を使っていないので、伊藤ハムのものは購入しました。

「無塩せき」にこだわってしまうと、どうしても価格が高くなるので、ある程度の妥協が必要ですが、伊藤ハムは比較的信頼が置けるメーカーではないかと思っています。

みなさんがお気に入りの伊藤ハム製品はありますか。

伊藤ハム 辛っ! おつまみドライ 116g × 1ケース(10個入)
伊藤ハム 辛っ! おつまみドライ 116g × 1ケース(10個入)
[冷蔵]伊藤ハム 朝のフレッシュ ロースハム 3連 105g
[冷蔵]伊藤ハム 朝のフレッシュ ロースハム 3連 105g

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