アメリカのトランプ大統領が各国に高い関税を求めていることが、日本の消費税廃止議論を促進する可能性につながるのはなぜ?

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アメリカのトランプ大統領が各国に高い関税を求めていることが、日本の消費税廃止議論を促進する可能性につながるのはなぜ?

アメリカのトランプ大統領が、各国に高い関税を求めて話題になっています。「敵」である中国はあり得るとしても、なぜ日本にまで攻撃の矛先を向けるのでしょうか。そこには、「(日本の)消費税は関税」という批判的発言があり、トランプ大統領のおかげで消費税廃止につながるのか、などという声もあります。

トランプ大統領は、「貿易はお互いフェアであるべきだ」という大義で、自由貿易破壊との批判を受けながらも、中国、ベトナム、日本、スイス、韓国などに50%以上の関税をぶちあげました。

本音は単なる保護貿易政策ではなく、米国の財政赤字解消を他国に転嫁する仕組みにあるともいわれています。

それにしても、日本の消費税とアメリカの関税がどうして関係あるのか、にわかにはつながらない人もおられるのではないでしょうか。

そこで、今回シェアしたいのが、この動画です。


この動画は、トランプ大統領の関税問題から、日本の消費税制度の問題点をつなげて指摘しています。

動画は、女性2人の会話で進みますが、その内容を以下に解説します。

トランプ大統領が消費税の建前と実態を暴いた

日本では、国内で販売される商品やサービスに消費税(現在10%)が課されますが、輸出される商品は消費税が免除されます。

これは「輸出免税」といい、輸出した商品が日本の消費税の課税対象外(海外で消費されるため)だからです。

たとえば、トヨタが海外に車を輸出する場合、その売上には消費税がかかりません(0%課税)。

これにより、トヨタは海外の買い手から、消費税を上乗せせずに販売できます。

一方、企業は、商品を製造・販売する過程で原材料や部品を仕入れる際に、仕入先に消費税を支払っています。

この支払った消費税は「仕入税額」と呼ばれます。

通常、企業は「売上にかかる消費税(預かった税金)」から「仕入にかかった消費税(支払った税金)」を差し引いて、差額を税務署に納付します。

計算式:納付する消費税 = 売上消費税 – 仕入消費税

しかし、輸出の場合、売上消費税が0円(免税)なので、仕入時に支払った消費税が全額「還付」される仕組みになっています。

たとえば、トヨタが車を作るために部品を仕入れ、100万円の消費税を支払ったとします。輸出売上には消費税がかからない(0円)ため、支払った100万円が国から還付されるのです。

一方、アメリカから輸入された製品(例:アメリカ製の車)が日本で販売される場合、販売価格に10%の消費税が課されます。

これは、日本国内で消費されるすべての商品・サービスに一律で適用される消費税のルールです。

たとえば、アメリカ製の車が、日本で100万円で売られる場合、消費者は110万円(本体100万円+消費税10万円)を支払います。

この消費税は、輸入品と国産品を区別せず、国内消費に対して課されるものです。

ですから、トランプ大統領は、日本の消費税制度(特に輸出免税と還付金)を「不公平な非関税障壁」とみなしているわけで。

つまり、こういうことです。

トヨタは、輸出時に消費税が免除され、かつ仕入時の消費税が還付されるため、コストが下がります。

たとえば、100万円の消費税が還付されれば、その分を価格に反映でき、アメリカ市場で安く販売できます。

一方、アメリカの企業が日本に車を輸出する場合、日本で10%の消費税が上乗せされ、価格が割高になります(例:100万円の車が110万円)。

トランプ大統領はこの仕組みを、日本企業がアメリカ市場で価格競争力を持つための「補助金」のようなものと見なしているのです。

このことから、トランプ大統領は、日本の消費税制度が、実質的に「関税を回避する仕組み」だと批判します。

このことで改めて問題になったこと


国が、トランプ大統領いうところの「関税を回避する仕組み」で企業に支払っている還付金は、年間7.1兆円(Grokより)といわれています。

これは消費税収の約3割にもなります。

問題は、この“企業への還付金”の財源は、私たちが毎日払わされている消費税であると、動画は指摘しています。

つまり、消費税は「社会保障のため」どころか、大企業優遇に吸い取られているというのが現実です。

もちろん、お金に色はついていませんから、それを実証はできません。

しかし、統計としてそう考察せざるを得ないこともあります。

消費税が始まった1989年以降の法人税率が、43.3%→23.2%まで下げられているのです。

動画は、「消費税の導入で集まった金が、法人税減税の穴埋めに使われているのは紛れもない事実」と指摘します。

その一方で、国民が所得に対してどれだけの割合を税金や社会保険料として負担しているかを示す「国民負担率」は46.8%にもなり、これは年収500万円の人なら、所得税・住民税・保険料・消費税で140万円以上が税金で消える計算になります。

動画は、「このまま黙って毎日10%払い続けて、その金がどこにどう使われるかもわからず、大企業だけが得して、庶民だけが苦しむ。そんなのおかしいだろ。だから今、一番大事なのは、選挙に行くこと。」「どの党が「減税しろ」って訴えてるのか。どの議員候補が本気でこの構造を変えようとしてるのか。ちゃんと見て、調べて、選ぶしかない。」と、結んでいます。

まとめ


大王製紙元会長の井川意高さんによれば、消費税にくさびを打ち込むことで、さまざまな利権がめくれてくるとのこと。

この方、財務省へのデモにも出られていますね。

いずれにしろ、トランプ関税問題は、日本の税制の問題点を世界に問う形になりました。

さて、みなさんは、

1.消費税還付金の使途についてどう思いますか?「社会保障」と「企業支援」の適正なバランスは?
2.輸出企業への優遇措置は必要だと思いますか?その是非について
3.みなさんが考える「公平な税制」とはどのようなものですか?
4.政治に税制改正を求めるために、効果的な方法は何だと思いますか?

この記事が、皆さんにとって税と政治を考えるきっかけとなれば幸いです。

米国トランプ政権の関税政策 要点解説2025: 相互関税を中心とした戦略の意図と影響を理解する - 専門分野解説タスクフォース
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