自殺した木村花さんに中傷する書き込みを行った男性が今度は『ネット私刑(リンチ)』の被害者。それを肯定する若者たち

自殺した木村花さんに中傷する書き込みを行った男性が今度は『ネット私刑(リンチ)』の被害者。それを肯定する若者たち

今日の『サンデージャポン』では、自殺した木村花さんに中傷する書き込みを行った男性が今度は『ネット私刑(リンチ)』を受けていると話題に。問題は、それを不幸の連鎖と捉えずに「自業自得だ」「晒すべきだ」などと私刑を肯定する意見が若い層にあることです。

「誹謗中傷のない世界」とは正反対の方向に

今日の『サンデージャポン』はご覧になりましたか。

木村花さんの自殺を巡って、「いつ死ぬの」などのツイートをした20代男性が、今度は別のSNSユーザーから個人情報晒などをされていると報じています。

要するに、加害者が一転して被害者になっている、という話です。


木村花さんの母である木村響子さんは、こうコメントしています。

自ら名乗り出て謝罪した人を告訴するのは苦渋の選択だが
追及しなければ花の死が無駄になる
告訴を公表し、誹謗中傷のない世界にしたい

これに対して、ネットではさっそく「ネット私刑(リンチ)」が始まったことを伝えています。

「ネット私刑(リンチ)」とは、加害者の個人情報を、第三者がネット上に公表して制裁を下そうとする行為です。

街頭インタビューでは、「晒すべきだと思います(私刑は必要)」という若者の仰天インタビューが流れました。

しかし、木村響子さんはこうもコメントしています。

加害者の方の特定や加害者の方に対する誹謗中傷等はされないようにお願いいたします。
次の「被害者」になるような悲しい連鎖は、花も望んでいないはずです。

今回書類送検した20代の男性は、事前に謝罪をしているのに、大半の誹謗中傷者は自らの書き込みを削除しただけ。

「正直者がバカを見る」は適切でない言葉かもしれませんが、コメンテーターの細野敦氏はこう述べています。

「書類送検された人というのは遺族に謝罪してきた人で、それをまあ、花さんのお母さんが苦渋の決断で告訴したわけですけども、この人だけで終わってしまったら、『正直者がバカを見る』みたいなことになってしまう。投稿した人で、まだ遺族に謝罪していない人が検挙されるべきですよね」

私刑は思い上がり

しかし、こうした事件によって、書き捨て、書き逃げが許されなくなってきつつあるのも確かです。

番組では、直近の類似事件を枚挙。

  • 2019年6月、堀ちえみさんに対する50代主婦の脅迫容疑……書類送検
  • 2020年3月、川崎希さんに対する女性2人の侮辱容疑……書類送検⇒刑事告訴は取り下げ
  • 2002年7月、NGT48メンバー5人に対する50代男性の名誉毀損容疑……逮捕
  • 2020年12月、スーパーマラドーナ武智さんに対する20代男性の脅迫容疑……書類送検

「今の若い世代の人達はSNSがあって当たり前。そういう人たちの価値観を、年上の人たちが『気にしちゃ駄目だよ』と言っても、響かない時代が来ているんだなと思いました」(壇蜜)

「SNSの怖いところは、1人の意見がつながっていくこと。同じような意見でつながっていくことで、人間はだんだん変な勇気が出てきてしまう。言葉もエスカレートしていく。これをどう断ち切るか」(杉村太蔵)

アタリマエのことですが、こういうことは個人の感情でさばくことではなく、司法がさばくことです。

「自業自得」だの「晒して当然だ」などと私刑に賛成しているあなただって、いつ不用意な一言からその立場ならないとは限らないのです。

だって、今回の加害者たちだって、まさか自殺するとか、刑事事件になるとかは思わなかったから、そんな書き込みをしたわけですよね。

ケースは違いますが、先日私は、ネット民の探偵ごっこに大いに苦しめられた体験談を書きました。

火災事故わずか数行の記事で「放火の犯人」を決めつけるネット民の悪癖は当事者に大変迷惑な影響を及ぼすことを考えて欲しい
火災事件が増える季節です。14日夜に発生した長野県佐久市臼田の歯科医宅火災は、4名のお子さんが焼死した痛ましい結果となりましたが、Web掲示板ではいつものようにわずか数行の記事で「放火の犯人」を詮索する興奮ぶり。倫理観と民度を心配しています。

いい気になって私刑をヨシとしている人は、思い上がってはいけません。

以上、自殺した木村花さんに中傷する書き込みを行った男性が今度は『ネット私刑(リンチ)』の被害者。それを肯定する若者たち、でした。

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Photo by Megan Nixon on Unsplash

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