
玄米は、食物繊維やビタミンBの含まれた健康食品とされる一方で、フィチン酸がミネラルの吸収を妨げる「反栄養素」として敬遠する向きもあります。ところが、近年の研究では、フィチン酸こそが強力な抗がん作用や老化防止などに役立つ可能性が示唆されています。
玄米は、白米と比較して食物繊維(特に不溶性)が約4~6倍、ビタミンB群やミネラルが豊富に含まれる「完全栄養食」とも呼ばれる主食です。
その高い栄養価により、便秘解消、腸内環境改善、糖尿病や生活習慣病、大腸がんの予防、抗酸化作用による美肌効果、そして低GIによるダイエット効果が期待されています。
その一方で、玄米に含まれるフィチン酸は、糠層に多く含まれる成分で、強力なキレート作用により体内の有害金属を排出するデトックス効果が期待される一方、亜鉛や鉄などのミネラル吸収を阻害する可能性があるといわれています。(以上、Google AI)
これまで、水に浸すなどの調理工程でフィチン酸を適切に調整する方法が提案されたり、発芽させたものはフィチン酸の含有量が減るため、発芽玄米が商品化されたりしています。
ちなみに、我が家も、発芽玄米です。
いずれにしても、玄米は健康効果が期待できる一方で、「反栄養素」も含まれている、扱いの難しい食材だったわけです。
ところが、近年の研究では、そのフィチン酸に、強力な抗がん作用や老化防止に役立つ可能性が示唆されているそうです。
つまり、玄米食が大腸がんの予防に有意に効果があるという根拠は、実は従来言われていた食物繊維よりも、フィチン酸ではないかという新しい考察も登場しています。
mTORを阻害(オフに)することで細胞増殖を抑える
久々に南雲吉則医師です。
具体的には、細胞増殖を司るスイッチであるMトア(mTOR)を抑制することで、がん細胞の増殖を防ぎ、細胞の自浄作用を高める効果が期待できるそうです。
一次資料はこちらです。
“Phytic acid: a novel antioxidant and potential therapeutic agent for cancer”
著者: Shalini, R. et al.
発表年: 2012年
ジャーナル: Journal of Cancer Research and Clinical Oncology
別に確認されなくてもいいですよ。
一応書いておかないと、「そんなものは民間信仰だ」と、それこそ確かめもせず中傷するコメントがあるので、学術的な報告は、査読付きの論文にアクセスできる場合、可能な限りご紹介しています。
あげ足取ろうと虎視眈々と狙ってる根性って、論駁するのは簡単だけど、人間的になんか怖いよね(笑)
それはともかくとして、細胞増殖のスイッチである「mTOR(エムトア)」という経路は、正常細胞だけでなく、がん細胞も増殖させるそうです。
ところが、フィチン酸は、mTORを阻害(オフに)することで細胞増殖を抑えます。
それによって、がん細胞の成長を抑制します。
mTORがオフになることで、細胞増殖が止まると、人間の体内では「オートファジー」と呼ばれる細胞内の自浄作用が働き始めます。
「オートファジー」は、日本人学者がノーベル賞をとった研究ですね。
オートファジーは、細胞が自らの古いタンパク質や不要な細胞小器官を分解してリサイクルする、真核生物の「浄化・再利用システム」です(自己貪食作用)。
栄養飢餓状態で活性化し、細胞内の恒常性を維持、健康長寿、老化防止、免疫力向上に関与します。飢餓時、オートファゴソームという膜構造が不要物を包み込み、リソソームと融合して分解する仕組みで、ノーベル賞学者・大隅良典博士の功績により解明されました。
それによって、がん細胞増殖の予防や、老化細胞を減らす(つまりアンチエイジング)ことができるそうです。
大腸がんは、がん細胞の異常増殖を抑制するだけでなく、ニトロソアミンなどの発がん物質を無毒化してくれるといいます。
乳がんは、 エストロゲン受容体のシグナルをブロックする働きがあります。また、化学療法の副作用を軽減する効果も期待されています。
前立腺がん・肝臓がんは、がんが成長するために新しい血管を作る「血管新生」を阻害してくれるそうです。
糠、小麦、大豆、ごまなども含まれている
では、フィチン酸を含む食べ物は、玄米だけでしょうか。
動画では、米ぬか、小麦、ふすま、クルミ、カシューナッツ、アーモンド、大豆、ごまなどを紹介しています。


実は玄米は、それらの下に位置づけられており、いわれるほどフィチン酸は多くないようです。
昨今の健康食品講釈によると、小麦は精製食材でだめだと言われますが、全粒粉パンは、むしろフィチン酸入り健康食品としての面ももっているわけです。
今回のフィチン酸の抗癌研究は「因果関係」まで調べられていますが、フィチン酸の含まれる食材については、あくまでもフィチン酸を含んでいるから効果を期待できるという「相関関係」に過ぎないので、健康と若返りのためにと腹を壊してまで食べ過ぎる必要はなく、どのくらい食べるとどう作用するかといった、より細かい分析は、引き続き研究を待ちたいと思います。
いずれにしても、フィチン酸入りの食材は、単なる栄養摂取の手段ではなく、がん予防や長寿のための有効な戦略として再評価されているというのは、消費者として悪い情報ではないと思います。
フィチン酸入り食材、めしあがっていますか。

玄米は神様からの贈り物「今すぐ食事を変えなさい」 薬に頼らず病気に克つ「食の予防医療」 – 高浜はま子, 松田 史彦


コメント