面接で「出身地」や「尊敬する人物」を聞いてはいけないとする「TOKYOはたらくネット」の面接NGワード動画に違和感アリアリ

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「TOKYOはたらくネット」という、東京都が運営する雇用や就労に関する情報を網羅した総合ウェブサイトの面接NGワード動画を見ました

「TOKYOはたらくネット」という、東京都が運営する雇用や就労に関する情報を網羅した総合ウェブサイトの面接NGワード動画を見ました。就職の面接試験て、面接官が、「出身地」や「尊敬する人物」を聞いてはいけないと知って、ちょっとヒックリしてしまいました。

まず、動画をご紹介します。


就職の面接試験て、面接官が、「出身地」や「尊敬する人物」を聞いたら、それは聞いてはならないことだったという動画です。

はたらくネット(東京都)の公式サイトを確認すると、たしかにありました。

採用選考時に配慮すべき事項
就職差別につながるおそれがある14事項

として

・本人に責任のない事項の把握
① 「本籍・出生地」に関すること
② 「家族」に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
③ 「住宅状況」に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など)
④ 「生活環境・家庭環境など」に関すること

・本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握
⑤ 「宗教」に関すること
⑥ 「支持政党」に関すること
⑦ 「人生観・生活信条など」に関すること
⑧ 「尊敬する人物」に関すること
⑨ 「思想」に関すること
⑩ 「労働組合(加入状況や活動歴など)」「学生運動などの社会運動」に関すること
⑪ 「購読新聞・雑誌・愛読書など」に関すること

今、こんなに窮屈になっているんですね。

こんなに禁止事項があったら、何も聞けないじゃないですか。

家庭環境はNGなのに学歴を聞く不思議

たとえば、「本人に責任のない事項の把握」はしてはならないといいます。

しかし、この「責任」という概念を突き詰めて考えてみると、その境界線は極めて曖昧です。

例えば学歴。

一般的に学歴は、「本人の努力の結果」とみなされ、面接で質問することに問題はないとされています。

しかし、本当にそうですかねえ。

子どもの学力や進学率は、親の経済状況や文化的背景に大きく左右されることは、数多くの研究で明らかになっています。

質の高い教育を受けられる環境にあったか、勉強に専念できる家庭環境だったか、進学を支援してくれる親がいたか。

「親ガチャ」というではないですか。

同様に、コミュニケーション能力や価値観の形成も、家庭環境や地域社会の影響を強く受けます

そうなると、面接で評価できる「本人の責任」による要素は、実は思っているよりもずっと少ないのかもしれません。

この矛盾は、現在の採用基準の根本的な問題点を浮き彫りにしています。

「自由」だからこそ見えるもの

もう一つの禁止理由である「本来自由であるべき事項」についても、疑問が残ります。

確かに思想信条の自由は、民主主義社会の基本的な価値です。

だからこそ、その人の価値観や思考の深さ、人格の成熟度を判断する重要な指標になり得るのではないでしょうか。

「尊敬する人物」という質問を例に取ると、この質問に対する回答は、その人がどのような価値を重視し、どのような人生観を持っているかを如実に表します。

歴史上の偉人を挙げるか、身近な人物を選ぶか、その理由をどう説明するか。

これらすべてから、その人の思考の深さ、価値観の多様性、表現力などを読み取ることができるのです。

むしろ、このような「自由な」領域でこそ、その人の真の能力や人格が現れるとも言えます。

なのに、そこを聞かないなんて。

現在、多くの企業が「多様性」を重視しています。

しかし、表面的な属性の多様性だけでなく、価値観や思考様式の多様性こそが重要ではないでしょうか。

差別的な採用選考を防ぐことは重要ですが、そのために重要な情報をすべて遮断してしまうのは本末転倒ではないかと思います

価値観が違っても付き合えるところが人間関係の楽しいところ

要するに、その人を知る、ということについて、今の面接は無難にやろうと、むずかしそうなことから逃げているように思います。

でも考えてみると、これは面接試験だけではなく、私たちの人間関係のあり方にもつながりますね。

たとえば、FaceBookで、友人5000人を誇っている人が、いろいろな人と仲良くなる秘訣は、「宗教」「プロ野球」「政治」の話はしない、と書き込んでいました。

私は、それを読んでがっくり。

「あんた、そんなんで『友人』が増えるのがそんなに楽しい?」

と、書きかけてやめておいた私ですが、実際そんな、何も話題にできない「うすい」関係、そもそも友だちと言えるんでしょうか。

人間なんて、全く同じ価値観も育ちも居ないのですから、考えも違ってて当たり前。

いちいち、「違い」に触れないようにしよう、なんていっていたら、心を開いた付き合いなんかできません。

お互い全然好みや生活スタイルは違う。でも付き合ってても悪くないなと思う。

そういう関係こそが、気のおけない信頼関係を築けるのではないでしょうか。

「価値観の合う人」などという狭い範囲で枠を作り、そこを一歩でも外れる人とは付き合いたくない。

そういう人、いますよね。

でも、表面的な付き合いに終始するのではなく、時には意見がぶつかり合いながらも、相手を理解し尊重する、そんな関係こそが、私たちの人生を豊かにしてくれるのではないでしょうか。

みなさんは、そんな「価値観の合わない親友」おられますか?

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