USAIDとは何?どんな活動をしてきたのか?そしてなぜ今注目されているのか?騒動の渦中にあるアメリカの国際支援機関を解説します

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USAIDとは何?どんな活動をしてきたのか?そしてなぜ今注目されているのか?騒動の渦中にあるアメリカの国際支援機関を解説します

最近SNSなどで「USAID(ユーエスエイド)」という名前を目にすることが増えてきました。「アメリカの国際支援機関らしいけど、実際どんなことをしてるの?」と思った方も多いのではないでしょうか。USAIDとは何なのか?どんな活動をしてきたのか?そしてなぜ今注目されているのか?をまとめてみました。

USAIDってどんな組織?

USAID(United States Agency for International Development)は、アメリカ政府が1961年に立ち上げた、世界中の国々に支援を行う国際協力機関です。

貧困や病気、自然災害などに苦しむ国や地域をサポートするのが主な仕事。ざっくり言えば「世界をちょっとでも良くしよう」と頑張っている組織です。

基本情報はこんな感じ

内容 詳細
設立 1961年(ケネディ大統領によって)
本部 アメリカ・ワシントンD.C.
職員数 約1万人(その多くが海外勤務)
年間予算 約400億ドル(日本円で6兆円ほど)
活動地域 200以上の国や地域で展開

どうして作られたの?

戦後、アメリカは「世界が不安定だと自分たちにも影響がある」と考えるようになりました。そこで、貧しい国々を支援することで、世界の安定と平和を保ちたい。さらに、当時ライバルだったソ連に対抗したい。そんな目的でUSAIDが作られたんです。

USAIDが設立された背景において、主要な競争国はソ連(ソビエト連邦)です。

1961年の冷戦下、アメリカはソ連による影響力拡大を阻止するため、より効果的な対外援助政策を展開する必要がありました。

このため、ケネディ大統領は独立した援助機関としてUSAIDを設立し、発展途上国への支援を通じてアメリカ側への支持を強化し、ソ連の共産主義的影響力に対抗しました。なお、ソ連崩壊後はロシアや中国もUSAIDの競争相手となっていますが、設立当初の最大の競争国はソ連でした。

どんなことしてるの?

活動の幅はとにかく広いです。たとえば…

  • 経済支援:インフラ整備、企業支援、雇用づくりなど

  • 医療支援:感染症対策(HIV/AIDS、マラリアなど)、母子保健

  • 教育支援:読み書き教育、学校づくり、職業訓練など

  • 人道支援:地震や戦争で困っている地域への緊急援助

  • 環境保護:気候変動対策、森林保全

  • 民主主義の支援:選挙のサポート、法整備の支援

  • マイノリティ支援:女性やLGBTQの権利保護

けっこう「理想主義的」に見えるかもしれませんが、実はこれ、アメリカの国益ともつながっているんです。

安定した国が増えればアメリカも安心だし、自国の価値観(民主主義や自由経済)を広めることで影響力も強くなる。つまり、きれいごとだけじゃなく「戦略」でもあるわけですね。

今、何が起きているの?

さて、そんなUSAIDですが、最近SNSで話題になっているのは、トランプ元大統領の大幅な予算凍結と組織解体の動きがあるからです。

機能停止の危機?

2025年1月、トランプ大統領は「対外援助を90日間ストップ!」という大統領令に署名。その中には、USAIDの活動も含まれていました。

加えて、職員の大多数(なんと97%!)に対して休職か解雇を通告。しかも建物から荷物を持ち出す時間が15分だけだったという話まで出ています。

そのせいで、世界中で進行中の支援プロジェクトが止まりかけているとか…。

当然、「え、こんな急に?やばくない?」という声もアメリカ国内外から出ています。

「メディア操作」って本当?

トランプ氏や実業家イーロン・マスク氏は、「USAIDがメディアに資金を出して、民主党寄りの報道をさせている」と主張。これがSNSでどんどん拡散されて、日本でも「日本の報道機関もお金をもらってるのでは?」という憶測が飛び交っています。

でも、日本のファクトチェック機関によると、これは根拠なし。たとえば朝日新聞やNHKも、ちゃんとUSAID関連のニュースを報じています。

中には「USAIDはディープステートの一部だ」とか「人口削減計画に関わってる」なんて、完全に陰謀論めいたものもありますが、こちらも検証の結果、信ぴょう性はないとされています。

アメリカ外交にとっても大ダメージ?

USAIDが停止・縮小されたら、世界中でアメリカの信頼や影響力が落ちてしまうのでは?という懸念もあります。

特に中国やロシアがその隙を狙って影響力を広げようとする中で、国際支援を手放すのはリスクが大きい、というわけです。

で、私たちはどうすればいいの?

この話、正直かなりややこしいです。しかも、政治が絡む話なので、情報がいろんな方向から飛んできます。

だからこそ大事なのは、

・すぐ信じないこと
・いろんな立場から情報を見ること
・自分で考えること

です。

SNSで流れてきた派手な情報にすぐ反応するのではなく、「それ、本当に事実?」と一歩引いて見る視点が、これからますます重要になってくると思います。

最後にひとこと

今回のUSAIDの件は、単なるアメリカの内政問題ではなく、国際支援や人道援助に直結する、かなりインパクトのある話です。

もし今までUSAIDの存在を知らなかった方は、これをきっかけにちょっとだけでも「国際支援って何?」と考える時間になればうれしいです。

USAIDの闇と真実: アメリカの国際支援機関が秘める政治的目的と資金の行方 - 本当に読むべき教科書 - - フカマチヒロシ, 工房編集社
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