
『週刊SPA!』(扶桑社)のWebサイト「日刊SPA!」において、2025年10月27日に公開された取材記事が話題です。東京駅発の東海道新幹線で、たったひと駅期間しか乗らず、次の品川駅に下車する乗客8人に直接インタビューした内容です。
東京ー品川の区間なら、京浜東北線や山手線、東海道線、総武横須賀線などの在来線がいくらでも走っていて、わざわざ「新幹線特急料金」を払って乗る理由は、普通に考えるとありません。
では、どうしてそんな「無駄に贅沢」な乗り方をしたのか。
記事は、東京駅を発車した東海道新幹線で、わずか7分・1080円(新幹線特急料金)区間の品川駅で降りる乗客について、その「たった一駅区間利用」の理由を探る内容です。
品川駅で降りた8人に聞いてみると、
・70代女性は路線の間違い、
・若者の自宅施錠忘れ不安の引き返し、
・新幹線の乗り鉄(しかもキセル)、
・不倫のカモフラージュ、
・遠距離恋愛の相手に別れを思いとどまらせる話をしに行こうと思ったけど気が変わってやめた女性etc
など、それぞれの理由が明らかにされ、日常のささやかな失敗や心理が、意外な人生の断片を映しだしています。
Xでは絶賛、Web掲示板では「創作」と対照的感想
今日の情報源です。
「東京駅発」の新幹線、「品川駅」で降りる人は一体なぜ?8人に直撃してみたら、いろんな人生があった https://t.co/YHIUs9OLYB #SPA!
— 週刊SPA!・日刊SPA!・MySPA! (@weekly_SPA) October 27, 2025
かなり人気のあるバズり記事です。
ただ、その感想には特徴があります。
Xでは、投稿の高いエンゲージメント(9748いいね、400万ビュー超、Grok調べ)を集め、共感を呼ぶ人間味あふれるストーリーが、現代のSNSで拡散されやすい理由を示唆しています。
ところが、Web掲示板(5ちゃんねる)では、対象的に「創作だろう」という書き込みが続々。
しかし、そう思える客観的根拠は何も書かれていません。
在来線もあるのに、たったひと駅分だけ、新幹線を利用するなんて、時間の短縮にもならないし、交通費としても無駄使いだからするはずがない。だから創作に違いない、ということらしいのです。
記事に出てくる8人の理由自体は、いずれにしても「あるある」で、私は興味深く読みました。
ま、Web掲示板とにらめっこして、取れる揚げ足を探しまくり、ネガティブにひねった書き込みをするのがナライショウになってしまったネット民連中は、とりあえず否定しておこうという感じなのでしょう。
そういう脳の使い方は、認知症になりやすいという研究報告もあるんですけどね。
ひと駅区間でも価値がある場合も……
たとえば、乗り鉄が、時間をかけても、たとえひと駅だけでも乗るという気持ちは、私は乗り鉄というほどではありませんがよくわかります。
私は10代の頃、東京・赤羽の製本工場で、夕方から夜にかけてアルバイトで働いていたことがあったのですが、帰りは1分でも早く帰りたいところなのに、しょっちゅう来る京浜東北線には乗らず、小一時間待って、当時客車(スハ43系)を使っていた東北本線普通の上野行きに、赤羽⇒上野と、ひと駅だけ乗って帰っていたことがあります(上野からは京浜東北線に乗り換え)
サイトを更新しました。スハ43系一般形客車 スハフ43形のページを追加しました。https://t.co/tm5GLX2Dkl
写真:スハフ43 3(四カマ)1986年3月9日 高松駅 pic.twitter.com/SsQYWvMVgr— itreni.net (@ItreniNet) August 24, 2024
車両は、電灯が薄暗くて、デッキのドアは手動(開けっ放しで走ることもありました)、冷房なし(扇風機のみ)、ボックスシートには灰色のモケットが張られて硬くて、でもなんか旅をしているようで楽しかったですね。
その一方で、新幹線の音と座り心地もいいんですよね。
ですから、たとえひと駅でも、乗りたいという気持ちはわかります。
私は、新幹線の「たったひと駅区間利用」は、品川ー新横浜が2度経験あります。
でも、その区間の利用者は、めずらしくはないと思います。
その区間は、JR在来線(川崎か東神奈川乗り換え)、東急線(蒲田、多摩川、菊名乗り換え)だと乗り換えが多く時間もかかりますから、「時は金なり」のビジネスマンなら、少し高くても、タクシーに乗ったと思って新幹線を使うはずです。
ことほどさように、人は、事情も価値観も様々なので、記事を「創作に決まってる」と決めつけるのもどうかなと思います。
みなさんは、在来線もある区間なのに、新幹線をひと駅だけ乗車するような、「無駄に贅沢」といわれそうな交通機関の利用をされたことありますか。


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